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経済学・哲学手稿 (国民文庫 27)

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nobody
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マルクスの共産主義の根源は2つ、社会とは自然のヒューマニズムであるということと、その社会を成す人間とは対象的な存在であって、非社会的人間とは自身が第三の存在にとって対象ではないところの存在、即ち一つの非存在〔化けもの〕であるということである。後者の最も判りやすい表現は岸田秀による「人間を人間たらしめるのは他者の認識即ち他者との関係であり、それがなかったら人間ではなくなる」という道破である。つまり根底命題は「社会は人間と自然との完璧な本質一体性である」ということなのだが、人間と自然を主体ー客体とする二律背反
nobody

対立二元論こそキリスト教に根差す西洋思想の基底である筈であり、マルクスはそれを止揚したのだろうか。それにしてもつくづくマルクス主義の失敗ということを思う。マルクス主義に依拠する者は、大概難しい理論はマルクスに全ておっかぶせる。自分には理解できないがマルクスがあれほど小難しいことをいってるのだから科学的に完璧なのだろう、と。確かにその通りなのだ。私ほど晦渋な表現で中身がないのを誤魔化す論者を容赦しない者はなく、意味の通らぬ文には波線を引きながら読み、いつも本は波線だらけになるが、本書にはそれが引けなかった。

11/07 23:28
nobody

マルクスは天才だというのは陳腐な表現だが、これは初めてのタイプだ。優れた棋士が何百何千先の手を読むように、3つも4つも先取しているような余熱を感じるのだ。ゆえに理論的には皆マルクスにはお手上げして忌避するのだ。本書なども直訳に拘泥し意訳を憎み、「意識」と「自己意識」の違いなど難解で、伝わらず、スミスに始まる近代経済学がワルラス、マーシャル、ケインズ、シュンペーターという後継者を得て発展したようにはマルクス主義はいかなかった。アルチュセールなど構造主義という変なフィルターを通したために狂わねばならなかった。

11/07 23:28
0255文字
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