形式:ライトノベル
出版社:小学館
形式:Kindle版ライトノベル
やはり俺の青春ラブコメは間違っているの「俺」、がっているの「が」「いる」が合体して俺ガイルです。
オシアコンクエストさんこんばんは。なるほどやはりそうなのですね。これ考えた人天才だと思います。
クッキー作りのシーンは雪乃・八幡のキャラクター性と同作のコミュニケーション観を象徴している。「絶対正義」が信条の雪乃はレシピ(=定型的で「正しい」価値観)の通りに作ることが正解だと考え、結衣にもそれを求める。対して八幡は、作り手の気持ちさえ伝われば味は「悪いくらいのほうがいい」という(彼の言葉を雪乃が「手段と目的を取り違えていたということね」と要約するのもまた示唆的だ)。二人に共通するのは内的な感情を偽っていないことだが、雪乃は良くも悪くも世界の定める「正しさ」の型に敏感であり、八幡はあえて無頓着である。
内的な感情に誠実であること。それを伝える手段はレシピ──定型的正しさ──の通りでなくても構わないこと。これが同作の考える「本物」のコミュニケーションの条件なのだと、ひとまず一巻時点の見解として読み取っておくとして、それが単なる独りよがりに陥る可能性もまた、材木座の存在によって示唆されている。レシピを理解せずに自分の感情を押し付ける材木座と、レシピを理解した上で自分の感情にも誠実であろうとする友崎(『弱キャラ友崎くん』)の間を、奉仕部は揺蕩っている。
八幡が、由比ヶ浜へのクッキー教室、材木座の厨ニラノベ審査、戸塚と三浦のテニスコート争奪戦と手助けをしていく。由比ヶ浜が少し自分の意見をクラスの女王三浦さんに言えるようになったり、ヒッキーが材木座と仲を深めたり心温まります。1巻のクライマックスは、カースト上位者「葉山&三浦ペア」VS「ヒッキーら奉仕部メンバー」が繰り広げられます。八幡の心の声と青春に対して穿った見方をする作文が面白かったです。作者の書く文章が面白いです。登場人物同士の会話や主人公が一人称で語る心理描写など、いろんな部分で読者を楽しませて
くれます。ページをめくればめくるほどギャグやぼっちネタで笑わせてくれる作者の文章力は本当に圧巻です。今後、彼は自分を曲げずぼっちを貫くのか、はたまた青春ラブコメを謳歌するのか、非常に楽しみです。
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