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印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書)

感想・レビュー
264

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@Crocus/iro
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印象派などの絵画を解説すると共に時代の変遷をみていく。1870年代近代化に伴いブルジョワ階層の時代が到来。社会の光と闇が浮き彫りとなる。印象派の画家達は社会の底辺で喘ぐ男達にあまり関心を示さなかったという。それは、彼等の描きたいものがそこには無かったからだ。本書は講演「ドガの時代」を基に書き下ろしたもので、闇の部分に焦点を当てそれを炙り出している。ここでいう「闇」とは社会の矛盾だ。絵画を鑑賞する際に必要となるのは歴史的事実。絵画は瞬間の美を切り取ったもので、そこに潜むものが何であるのか探ることが➜
@Crocus/iro

鑑賞者には求められているように思った。

04/12 09:29
0255文字
ハナハナ
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「印象派」とは1860年代からフランスに起こった絵画運動。絵画解説と共に近代へと変貌するパリの街並みと独特の空気感、人々の暮らしぶり、ゾラと「ドレフュス事件」との関係、日本の浮世絵の影響、アメリカに大量の印象派の絵画のある理由等、中野先生の話は興味が尽きない。又この時代女性にとっては、貧富の差に関係なく生きる事は辛く大変だった事を痛感。中野先生は女性の視点から絵画を通してその辺り詳細に力説している。印象派のプロフィールを見て意外に裕福な画家が多いのに驚いた。
0255文字
し
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先日、国立西洋美術館にて「モネ 睡蓮のとき」を鑑賞してそのままミュージアムショップで購入。歴史や知識の必要性から切り離され、日常を肯定してくれるという前衛的な側面から少し揶揄の意味を込め、当時の批評家から「印象」と呼ばれながらも惹かれてしまう絵の数々。実際に本書でも近代を読み取っているので、歴史や知識をもって絵を見ないというのはありえず、鑑賞者の想像に委ねられる部分が大きいというだけのような気がする。入門書としてわかりやすかった。ドガ「エトワール」は暗さの中にもチュチュの白さが光り、妖しくて好き。
0255文字
Major
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美術史のコペルニクス的転回ともいうべき印象派。その作品群が、読み解く時代背景やメタファーがない「にもかかわらず美しい」という芸術の魅力を初めて僕達に教えてくれた。副題の《モネの光からゴッホの闇へ》の通りに絶対王政崩壊を機に自由を手に入れた欧州の市民の光と、その自由によって貧困と没落に沈む階層(特に中流階級の女性たち)の生活の陰を、一つ一つの印象派絵画作品から構成的に読み解く。26点のカラー版の作品が簡単なガイド付きで挿入され、巻末には代表的な印象派画家のプロフも掲載された豪華な新書である。お薦めです。
Major

またも中野さんの絵画美術に対する愛情が溢れた著作である。近代以前の絵画のようにその作品に込められた神話や宗教から取られたモチーフに込められた暗喩、隠喩の類をこちら側が読み解く必要が無くなったのだ。だから中野さんは近代という時代を読み解いた。絵画として描出されたその対象の魅力と美に僕たち鑑賞者はそれぞれの感性を委ねればよいのだ。印象派の画家達は、美を描出する対象としての自然の造形、風景そして人間をさまざまな技法を駆使して描いた。→

01/19 18:31
Major

それは描く画家の《主体性としての自然》であり、その自然は近代化がもたらす自由の下で手にする事ができたのだ。

01/19 18:31
0255文字
k
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印象派の画家たちが描いた彼らの時代。そこに何ら意味を込めなかったのに画面には「近代」か描かれた、ということで様々な絵とともにされる解説が皆興味深かった。カイユボット、マネ、シスレー、ドガ等、結局は裕福な階級の彼らが何の批判精神もなく描いている。「“にもかかわらず美しい”ーーそれこそが芸術の毒であり魅力です。」という文が印象的。
0255文字
yoei H
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印象派は時代をどのように感じ、表現し、影響を与えたのか、当時の背景に踏込み体感することができる良い内容だった。 彼らは光を重視し、瞬間的な印象や感覚を描くことで絵画に新しい視点を提供した。 自然をあるままに感じ表現する、これは浮世絵から連想する日本的自然観も繋がっているんだろうな。  時代は1840-1930。産業革命による都市化、鉄道の普及、写真技術の発展、ナショナリズムの勃興など、急激に変化する社会構造の中現れた、新たな時代の潮流だったのだと思う。
0255文字
zel
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印象派の話ではなく、印象派で近代を読む話でした。印象派で近代を読むことで、また印象派の見え方も変わっておもしろかった。知識が増えた
0255文字
なおぞう
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直前に、たゆたえども沈まずを読んだので復習出来た。フランス革命後の激動の時代に生まれた印象派の始まり、時代背景や作者の状況も分かると絵の見方も分かって美術館へ行く前に読めて良かった。
0255文字
夏
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19世紀後半にフランスで誕生した印象派の作品を観ながら、当時の絵画運動や、フランス、パリで起こった出来事などが紹介されている。この本は中野京子さんが2010年秋に「ドガ展」で行った「ドガの時代」という講演をもとに書き下ろしたものだという。その講演を直接聞きに行った人たちに羨ましさを感じ得ない。紹介されているのはモネやゴッホなど有名な画家たちばかり。歴史にも触れられているので、読み応えがあった。カラーの部分とモノクロの部分があったので、できればカラーに統一してほしかった。モノクロだと見にくい部分もあるので。
夏

星4.5

05/25 14:40
0255文字
takakomama
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個々の絵画よりも印象派の時代背景、近代の歴史を詳しく解説。歴史的事実を知っていれば、芸術をより理解できます。歴史的事実を知らなければ、偏見を持って見てしまいます。再読。
0255文字
Chiramium
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印象派 モネからアメリカへ展を観に行った際に購入。印象派が人気な理由や当時の時代背景など、展示のみでは知らなかった知識を得ることができ、同時に宗教画をはじめとする他ジャンルの作品にも興味を持つようになりました。
0255文字
ごんごん
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★★★ 最近絵画に興味を持ち始めたので、図書館で探してたら新書コーナーに面白そうなのを発見!春休み用の本として借りました。 絵画や印象派に興味がありつつも、美術や世界史、最近読んだ原田マハさんの本での知識のみの私。 そんな私でも楽しめました☺︎ 非常に読みやすく、出てきた作品は掲載されてるので調べないで済む。 “感じる”絵画である印象派って良いな〜と思ったと共に、勉強すればするほど宗教画も面白いんだろうなと思った。
0255文字
Ayano
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数ヶ月前に本屋で見かけて購入。別の小説で絵画の描写と歴史が出て来たので次はノンフィクションをと思い手に取った。とても読み易かった。絵画の詳細の説明とと背景を陳列しただけのものかと想像していたが、それ以上の本だった。 歴史上の人物、その時代に生きた富裕層、労働者、下級層、それぞれの想いや偏見、そう言った背景を短く分かりやすく説明した上で作品ひとつひとつを見て、作者の思いを考えていくという大学の授業でも受けているような流れであった。 筆者の別の著書も読んでみたい。
0255文字
die_Stimme
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再読。あらためて読むと、スーラはともかくゴッホまで「新印象派」として印象派のくくりに入れる考え方はわりと少数派なのではないか。多いのは「ポスト印象派」だと思う。つまり印象派の後に来たもの、と捉えるほうが一般的だし、実際にゴッホの作風、思想は印象派とはまったくべつものだろう(個人的には表現主義のほうにいれるほうがまだしも自然だと思う)。パリを中心に「近代」の中に印象派を位置づけるが、いや美術史ならこの時期が近代で違和感はないけど「近代」は分野によっていろいろだよねとも思ってしまう。
0255文字
木村あきら
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①絵画を物語や歴史から切り離したのが印象派。近代的だった。故に市民階級のもの ②日本人が印象派を好むのは、西洋絵画を現在も学び続けている途中だからかも。歴史、宗教的なメッセージを読み解こうとせずとも、絵画を楽しむことができる ③no message。印象派が描いたのは比較的裕福な市民。社会問題に目を向けることはあまりなかった。
0255文字
カチ
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印象派の画風と結びつく近代の時代背景が興味深かった。王侯貴族や教会の為の絵画ではなく、台頭してきたプルジョワに好まれた、分かりやすさや明るい色彩。庶民も余暇が得られ、そうした風潮は、この時代の絵画にも描かれている。そんな時代の中での女性の生きにくさには胸をつかれた。働く女性は仕事も限られ軽蔑される。かといって、まともな家庭の主婦は自由な外出も出来ず、籠の鳥のようだった。モリゾが男なら、もっと素晴らしい作品が残せただろうか。
0255文字
Whitejackchan
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印象派の絵画は美しく、自然と引き込まれていきますが、それぞれの名画のストーリーや画家の絵に込めた思い、歴史的背景を理解すると、一層楽しみが深まりますね。中野京子の絵画解説書シリーズは、愛読しています。 ゴッホは、ピストル自殺したと解説されていますが、ゴッホ美術館のガイド説明によると、真実ではないとのことです。果たして、何が真実なのか。
0255文字
かい
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印象派の絵画が好きだと自覚して、その理由がこの本に書かれている通り(社会構造の矛盾や批判がない。)だなと納得すぎた。背景を知ると鑑賞がより楽しいし、「にもかかわらず美しい」というのも感情のあり方としてめちゃわかる。
0255文字
ペルー
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ネタバレ読友さんのレビューから手に取りました。彼女の怖い絵シリーズは挫折本だったけど、ゴッホと印象派の絵が好きなので本書は楽しく読めました。印象派は知識なくとも気軽に楽しめる絵画と聞いて、自分がなぜ印象派を好むのか納得。(色々な)知識ないもんなぁ(^o^;) カラーページも多く解説が添えられていてすごくお得な本です。面白かった。
0255文字
Nat
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図書館本。中野京子さんの本なのに、印象派だからか見落としていた。エミール・ゾラの死因が、事故ではなく暗殺の可能性があるということにびっくり。アメリカに印象派の傑作が多数ある理由がわかって納得。カイユボットがコレクションを折角全部フランスに遺贈してくれたのに、批判の声があがり20点以上手放してしまったなんて、後になって凄く悔やんだことでしょう。
Whitejackchan

綺麗なので印象派の絵が大好きなのですが、こうして画家の絵画人生を紐解いていくと驚きもあり、改めて興味が増しますね。中野京子さんの名画の謎、ギリシャ神話篇も面白く、ジェロームのピグマリオンとガラテアも素晴らしいです。ギリシャ神話は、絵画と一体であり、触発されてギリシャ神話も色々読んでいます。

09/18 09:29
Nat

中野京子さんの本、どれも面白いですよね。中野京子さんの本を読んだのがきっかけで、美術館に行くことが増えました。10月に新刊「名画と建造物」が出るので楽しみです。

09/18 10:03
0255文字
叙述トリックに盛大に引っかかりたい
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Googleネストハブに表示される絵を見ていたら、どうやら印象派の絵が気になることに気が付いたので。神話やら宗教やらの背景知識がなくとも楽しめる、印象派はそういう背景から出てきてもいる、という話を読んで納得。
0255文字
三月/深冬Rain
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フランス革命後、特権階級ではない普通の人々でも楽しめる芸術を、という時代の要請に答えたのが印象派。日本人にも人気の理由として、聖書やギリシャ神話の解釈から切り離されて絵単体でも楽しめるから(印象派より後の作品は前衛的過ぎてかえって難しい)と著者が分析していたのは納得が行った。個人的には、貴族の身ながら身体障害のせいで本来の階級に居場所を見つけられず、娼婦たちに複雑な愛情の眼差しを向けたというロートレックの絵が味があって良いと思った
0255文字
まこやん
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ネタバレ印象派は絵から既存の物語や歴史を切り離そうとした絵画運動だったけれど、印象派の時代の人々の生活や歴史をしっかり表してくれていて、中野さんが解説してくださるおかげで興味深く読めました。印象派の画家たちもまたアメリカに対しては権威主義だったとか、知らなかったより詳しい事実が面白い。作者の人格と芸術の乖離など。たかが一枚の絵、なのにいろんな複雑さを孕み、なぜか絵をみたい、好きだと思ってしまう、その芸術の毒にわたしもやられているのでしょう。
0255文字
oo8wy
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中野京子さんファンの読者にとっては、お馴染みの絵が多い。他のテーマで紹介された作品たちが、今度は「印象派」、「近代」というくくりでまとめられ、頭の中に一本線が通るような感覚。やっぱり印象派の絵っていいな。また美術館で現物をみたい。
0255文字
ラウリスタ~
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印象派紹介本の中では一番読みやすい部類ではないだろうか。ただなぜか著者がドイツ文学の専門なので、フランス語の読み(カタカナ)が怪しいところが散見。モリゾってフラゴナールの曾孫なんだ、確かにどことなくロココっぽい。1870年代に男女とものファッションに黒が流行したんだね、男ではその後それが支配的に。美術史というよりも、文化史的視点で、ゾラとマネの娼婦に対する視線の違いなどの指摘が面白い(前者は悲哀、後者はその末路には無関心)。末尾ではアメリカへ流出した印象派絵画について、仏人がその価値に気がつくのが遅かった
0255文字
タケイ
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フランス文化の授業の復習という名目で読んだ。印象派絵画の性質上、画面に当時の風俗がよく現れていて文化史の観点からも面白い。流行のファッション、旅行先、ブルジョアジーの趣味など。神の視点じゃなくて個人がいいなと思った景色をスナップショットのように切り取る印象派。光の使い方が映えだし、ゴッホは闇、ゴッホ大好き、高2のときに見た糸杉が忘れられないんです~~
0255文字
べこ
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☆☆☆☆
0255文字
Nozaki Shinichiro
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印象派の絵画をその書かれた時代背景から解説したもの。非常にわかりやすく、全体としての流れが理解でき、とてもよかったです。印象派は見るだけでもインパクトを感じられることがそもそもの重要な要素のようですが、一方で歴史的な位置づけを知るとより興味がわくな〜と。最近全然文化的なことできてないので、うずうずする内容でした。
0255文字
ひろり
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印象派の名画を鑑賞しながら、その時代背景を学べる、読みやすい本でした。歴史を知ると物事の深みが増します。印象派と一括にしてみても、実際の画家たちの生き様は多様で、その時代を生きたその人にしか描けない作品なんだなぁ。
0255文字
yamasaki
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印象派の作品を芸術的側面だけでなく当時の世相風俗からも読み解いていて面白かった
0255文字
智角 情棹(ちかど せいたく)
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特にフランスと日本とアメリカの美術に関する関係性が面白い。
0255文字
句点読点
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★★☆☆
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アン
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内容は面白かったけれど文体が不自然で疲れた。敬体と常体が混ざっていて、混ぜ方に特に法則もない(例えば絵画の描写や過去の描写だけに常体を使う、等ならわかる)。失礼ながら、表現の一形態として混ぜているというより、敬体で簡素にまとめる又は常体で柔らかく書くことができないために混ぜているという印象だった。読書メーターに同じような感想がないのでびっくりしている。
0255文字
冬見
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再読。「印象派、そして芸術の毒と魅力」は、あらゆる分野においてわすれてはならないことだなと思う。
0255文字
yajimayajiuma
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作品ガイドではなく、印象派がどのように社会に受けられるようになったかといった時代背景を学ぶ著作。興味深い歴史が分かりやすくまとめられている。たくさんの作品を知る用途には向かないが、どのように作品を見るかといった目を養えるだろう。 新書サイズでも絵を大きく見せようと見開きカラーを使っている点は長所でもあるが、文章が遮られるデメリットでもある。読書のテンポが乱れるので、一文の途中には挿入しない等、見開きを入れる位置を工夫してくれると尚よかった。
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すぅさん
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実は『中野信子』さんだと思い借りてみた所、文章がなんだか優しい?と後ろを見てびっくり。別人でした。でもまぁ良いや読んでみよう。と読み進め、大変勉強になりました。他にもたくさんの著書がある様なので原田マハさんの小説で興味をそそられ、中野京子先生の著書で深めていこうと思います😌後ろはの年表等ノートに書き写し!一段と整理されてきました♪
0255文字
うみ
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印象派は、アカデミー作品のように知的作業で解釈される作品を嫌い、純粋に絵として楽しめる作品を目指した。
0255文字
no_agility
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ずっと思ってはいたが、やはり私が印象派を好きな理由は「歴史的背景や聖書などの西洋の知識抜きで楽しめる」これにつきる。歴史的背景、人となりをさらっと読めた。非常に面白い。もとより絵画が好きな人には物足りないかもしれないが、入門編にはとてもいい、軽々と読めた!そしておもしろい!Kindleでよんだが、書籍も購入しようかな。
0255文字
あに
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印象派、ふんわりとした柔らかなタッチで輪郭がぼんやりしてるくらいの知識しかない私には非常に知的好奇心をくすぐられる一冊でした。印象派はそのタッチとは異なり、対象を客観的に突き放した眼差しで描いていたというのが面白い。中野さんが巻末で言われる通り、絵を鑑賞するには歴史、神話、時代背景、画家の境遇を知ることが重要だな。(中野さんの本の感想はいつもこれ)絵の世界や画家、当時の世俗が触れるくらい近くに感じられるから中野さんの本は好き。
0255文字
yap
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印象派といえば、絵具を混ぜずに明るい色彩で描く絵画…。しかし本書では近代社会に潜む「闇」をも取り上げる。たとえばカイユボットの『床削り』で肉体労働者が描かれ、ムンカーチ『家の中の女』はブルジョア女性の倦怠を見ることができるという。印象派が書いたのは明るい風景だけでなく、近代化の裏表には貧富の差があると暗示しているのだなと思う。
0255文字
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