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中野重治詩集 (新潮文庫 草 22)

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yama
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ネタバレ新潮文庫版での再読です。抒情と理性とが統一された数々の詩に心が痺れます。中野重治はプロレタリア詩人として、階級意識を基礎に、資本主義・軍国主義・絶対主義への批判的・敵対的精神を、センチメンタルに満ちていながら、勤労者や農民らに温かで優しいまなざしを持ち、それでいて獰猛ともいえる荒々しさをも含む詩へと歌い上げることのできた天才だったのでしょう。有名な「雨の降る品川駅」などはその証明だと思います。中野の詩作は1926(大正15)年頃から1935(昭和10)年頃までに集中していて、この詩集はその約10年間の→
yama

作品と戦後直後の数作とを収録していて中野重治の詩の世界をほぼ網羅しています。甘いだけではない詩を味わうのであれば、中野の詩は外せないと思います。

03/13 22:25
0255文字
恵子
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なんて胸に迫る詩を書く人だろう。その裏にある憤怒や慟哭は想像通りの激しさで読者を揺さぶりつつ、決して偽善の同情を引くような甘さに陥ることはない。著者が目にした暗澹たる現実、そこにある絶望(あるいは希望)を力強い一人称で押して行く彼の剣幕、そこには「言葉」をまず先駆けに猛然と行動していった人ゆえの真剣さがある。と思うと、ふと『はたきを贈る』のような、突拍子もないほど柔らかで優しい詩も読むのだから。巻末、小野十三郎氏の熱い解説はその魅力を巧みにとらえている。その歌は、大衆と同じ痛みや泣きの急所から成っている。
0255文字
月
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中野重治らしい鋭い感性は、反逆の抒情としてまことに稀有な純粋さを示している。人々の生活にある、ある種の哀しみ(悲しみ)に目を向け、そういったものの美にひかれた詩人。そしてそのさびしさ、あたたかさ、はげしさ、辛さが、そのままかれらの他ならない・・。
0255文字
owlman
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悲しませるものを怒る、率直に怒る詩。
0255文字
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中野重治詩集 (新潮文庫 草 22)評価80感想・レビュー4