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新自由主義と権力: フ-コ-から現在性の哲学へ

感想・レビュー
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いかすみ
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まず、フーコーの統治の概念をベースに、新自由主義の権力を分析していく。それは「環境介入権力」と定義され、競争が発生するように社会に働きかけ、市場原理を内面化した主体を作り出す。そして、市場原理を内面化した主体は、自分自身の企業家となりセルフマネジメントする。また、その権力は逸脱するリスクがあるものを排除するというリスク管理も行う。次に、この新自由主義的統治から逃れる術として、ドゥルーズの「器官なき身体」、「生成変化」が参照される。この脱主体化=脱服従化の戦略が私には理解できなかったけど、前半は面白かった。
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檜田相一
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新自由主義的統治は、有名な「規律権力」のように個人の身体を直接の対象とするのではなく、環境そのものに介入して作用する。社会のすみずみまで競争原理を構築し、労働者は労働者は自己のキャリアをセルフマネージメントすることを要求される。注意すべきは、競争原理の構築のために強い国家権力が要請されることと、セルフマネージメントができない人間は社会から排除されるところである。また「社会的リスク管理」という統治技法が全面化する。セキュリティ=安全確保のパラダイムが全面化し、移民労働者などの統合できない存在が排除される。
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ラウリスタ~
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フーコーがパノプティコンを用いて示した規律権力は今やなく、各人が新自由主義的な競争原理を内面化することで自律的に主体化=服従化する環境介入権力へと移行した。かつての自由主義が自由放任を主張した一方で、新自由主義は社会のあらゆる部門(教育、インフラ、健康)に競争原理を導入し、社会全体を統御しようとする。学生が企業家精神(アントレプレナーシップ)を、社会人が自己啓発を求められるのも全てこのせい。各人は支配的イデオロギー(競争原理)を取り込むことで、主体となり(立派な社会人となり)、自発的に服従する。主体性の嘘
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あいうえお
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一部は『生政治の誕生』を要約しつつより現代に接近して説明。よかった。 二部と補論は抵抗の戦略を探っているのだが、理論に留まっているのであまり見えてこない。
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道明寺
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積極的に市場に不安定な場所を作り出すことで古典的自由主義と区別される新自由主義は、各個人に競争原理を内面化させることでセルフマネージメントの主体を作り出す。これはプレイヤーの内面に監視者を作り出す規律権力に対してゲームの規則を作り出す環境介入型権力である事だ。 この権力は環境に介入する事で犯罪を起こすであろう逸脱者を事前に容赦なく外に打ち捨てる。これにより偶然性を飼い慣らそうというのだ。そしてここでいう逸脱者とは法の外にある外国人労働者などだ。ここでは「例外状態」を発生させる事でこのリスクとなる人々を管理
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水月
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新自由主義を分析した本。オルド自由主義と第二世代シカゴ学派という二種類の新自由主義を分析したフーコーの「生政治の誕生」を読み解くことで、従来の個々人の身体に働きかけ規律を内面化させる規律権力とは異なり、個々人の環境のゲーム規則への介入を通して人々に働きかける「環境介入権力」によって引き起こされる社会の経済化による競争の全面化、競争原理を内面化したセルフ・マネージメントの主体の形成など新自由主義の特徴を分析し、そして例外状態を常態化させシステムに統合不可能な物を排除する新自由主義の統治性を明らかにしている
水月

新自由主義は市場の中に自然的に存在しない競争を構築させるために、古典的自由主義のいう「自由放任」を原理するものではない、というのはちょっと納得した。あと新自由主義は移民労働者を排除すると書かれているけど、むしろ移民の受け入れに賛同するような気がする。

10/18 00:10
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Mealla0v0
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後期フーコーの主要概念である「統治性」を駆使し、『安全、領土、人口』『生政治の誕生』で展開された自由主義/新自由主義の議論を参照しながら、「新自由主義的統治」を解明する。「社会体を競争原理で見たし、競争からこぼれ堕ちる者を社会から排除していくような、新自由主義的統治」は、セルフ・マネージメントをする「自分自身の企業家」という新たな主体を形成し、それができないものを容赦なく、貧困へと遺棄していく。▼本書の提示する「新自由主義的統治」のアクチュアリティは高い。ただし、後半は抽象的なのが多少の違和を与えるかも。
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なっぢ@断捨離実行中
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フーコーを読み解き新自由主義的権力を論じていく第一部は大変参考になったが、第二部のドゥルーズ=ガタリを援用した抵抗の戦略になると途端に極度に抽象的で「詩的な心構え」にすらなってしまうのはどうしたことか。ネグリ=ハートの仕事が広く知られてる今ではもう通用しないやり方ではないか。
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ステビア
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第一部は良かった。第二部みたいなのはまともに相手する気にならない。「ネオリベ」とリバタリアンの関係についても考えねば。
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白義
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現代思想からの新自由主義論、ネオリベの統治と権力について、かなりまとまった書籍の一つ。フーコーの生政治論を頼りに、社会の経済化と絶えない競争化、自己マネジメントする主体という現代の市場的権力の姿を精緻に分析し、そこから例外状態を常態化させセキュリティを発動させる管理社会をデリダやアガンベンを使って描写する。第二部は、ドゥルーズ、バトラーを参考にマイナーなものへの生成変化、器官なき身体の駆動を抵抗の戦略として提唱している。フランス現代思想としてはまだ分かりやすく、整理が上手くておすすめ
asukaclaesnagatosuki

そうなんですか・・・今度、立ち読みというか覗いてみます。僕はドゥルシラ・コーネルとか仲正さんが翻訳してる批判法学~フェミニズム法学への展開には関心あるので、バトラーも交差するといいなと思います。

10/31 21:23
白義

はい、ではまた〜

10/31 21:24
16件のコメントを全て見る
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spikyhair
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★★★★★フーコー『生政治の誕生』に関連して再読。
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spikyhair
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★★★★★
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