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弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂 (講談社現代新書 2135)

感想・レビュー
142

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金吾
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マタイ効果の話は納得できます。問題点がまとめられており理解しやすいです。どうすれば是正されていくのだろうかという部分を読みたかったです。
0255文字
孔明
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ネタバレ東日本大震災発生直後に震災前から日本に存在していた「格差」を指摘し、それが何故広がっているのかを他国との比較などのデータを提示して説明する。格差が広がり、日本でも貧しい層が拡大している。そういった格差社会の広がりは犯罪や暴力事件等の増加にも繋がることがデータで出てる。人間が「自分の生きる場所が社会の中には存在しない。」と思う事は大きなマイナスである。「阪神・淡路大震災」10年後のアンケートで「生活に苦しむ人の割合が増えている」ことに着目。同じことが「東日本大震災の10年後にも起きること」を示唆していた。
0255文字
しも3
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貧困問題についての論点 解説を種々の視点から論じる。格差が人間関係を劣化させるなどは印象的。社会的排除でなく 社会的包摂ができる基礎が必要等 具体的な例を挙げる。なかなか 弱者の労働者になれない等の性質に理由を求めるのでなく それらを生かす社会的包摂のある環境をつくる方向に希望を見出している。 なかなか 読み応えがあり 考えさせられた。
0255文字
xxx
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全ての人が尊厳を持って安心して暮らせるセーフティネットがないからこそ、自然災害は自然の摂理を超える猛威を振るう。 根本的な衣食住に事欠く状態を「絶対的貧困」と呼ぶが、現代において考えるべきは、その社会のほとんどの人が享受する「普通の生活」を送れない状態の「相対的貧困」である。根本に「格差」があるが、格差が人間を攻撃的にし、人間関係を悪化させ、暴力や差別を産む。 また貧困は社会的排除を産む。「食うための手段としての就労」だけでなく「包摂の手段としての就労」から労働を捉えなおす必要もある。
xxx

「全ての現代人に共有される現代社会の『精神的な貧困』があるとしても、経済的貧困が問題ではない、という理由にはならない。むしろ経済的貧困が精神的貧困を誘発するという図式も見えてくる」

10/30 22:37
0255文字
ユズハル on低浮上
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貧困は健康を害したり、社会的孤立を生む。貧富の格差は大きいと格差の上の方の人々は自分の社会的地位を守ろうと躍起になり、下の方の人々は強い劣等感や自己肯定感の低下を感じることになる。それにより、人々は攻撃的になり、差別が助長され、コミュニティの繋がりが弱くなる。強いストレスを感じるので健康を害したり、死亡率も高くなり、全ての人々にとって悪影響である。これが格差極悪論である。格差が大きいと犯罪率が上がるなど、治安の悪化も懸念される。 『もう少し優しい社会であれば、少し肩の荷が軽くなるのに』
0255文字
いのうえかずね
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ネタバレ『都市においては、ほとんどすべての空間が私物化されており、そこにいつづけることは難しい。一見、オープンのように見える地下街や商店街やビルの軒下であっても、そこに長時間いれば警備員がやってきて追い出される。』
0255文字
Kentaro
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「格差」が大きいことが、「格差」の底辺の人、すなわち貧困や社会的排除の状態にある人々が多いことを意味するから問題であると言っているのではない。「格差」が大きいということ、そのこと自体が、社会にとって望ましくないという指摘をしているのである。格差が大きい国や地域に住むと、格差の下方に転落することによる心理的打撃が大きく、格差の上の方に存在する人々は自分の社会的地位を守ろうと躍起になり、格差の下の方に存在する人は強い劣等感や自己肯定感の低下を感じることとなる。
0255文字
かとうユーミン
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仕事関係。 知識が足らないのですが、今の地域包括ケアシステムの元の考え方の一つと思いますが、なぜ「地域包摂ケアシステム」にならなかったのかな。 個人的には、居場所ってなんだろうと? 職場は、私にとって自分をいきいきと発揮できる場ではないけど、それって当たり前のことではないの?職場では、色々な人がいて、少しずつ配慮や遠慮をしている。牧歌的に職場は自分をいきいきと発揮できる場になりうると思っている人が、いるんだろうか?
0255文字
katoyann
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日本社会の格差の実態と貧困層の社会的包摂について分析した社会学者の本。2011年出版だが、相対的貧困率が16%に上り、15.6%の人が食費が足りないと答えているという調査結果に軽く驚きを覚えた。貧困率の増加は勿論把握していたが、食費に困り、医療機関の受診を抑制する人も2%にのぼる。社会保険料が払えずに健康保険証を取り上げられ、病院に通えなくなるのだ。出版から10年経ち、格差は拡大するばかりで、失業者も増えている。貧困の連鎖を生む社会保障制度の構造的欠陥を問う良書。格差社会の問題を知りたい人にオススメする。
0255文字
昌也
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2011年刊行 3.11前後の内容、社会的包摂という言葉が登場した頃の内容の理解のために再読
0255文字
mana
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10年前の本なので、多少データは変わっているだろうが、ためになった。社会から切り離され、自然と貧困に陥っていく「社会的排除」という現実。「社会的包摂」、ユニバーサルデザイン的な快適な社会を実現すれば、富裕層や障害を持たない人などにとってもより生きやすくなるだろう。どうすればいいのか考えれば考えるほど難しい…。単純に能力主義や社会の構造で片づけてはいけない問題。
0255文字
AKN
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貧困の議論と社会的排除は同等に欠かせない視点であり、どちらかが満たされれば良いといったものではない。貧困の議論があまりにも明確であるため、それに対して社会的排除の議論はぼやけて感じられるが、社会的包摂の観点がない貧困政策は愚策である。
0255文字
阿部
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2日で読んだ。相対的貧困と絶対的貧困のはなしがとても重要だと思った。貧困はすぐそばにあるし、心の豊かさという言葉のまやかしも納得。「ない」という経験のみじめさは本人にしかわからない。でも、問題点の描き方はあざやかなのに解決の道筋が抽象的にすぎて、そのあたりもう少し具体的な手がかりがあるといいなと思った。この10年で社会はそういったことを見つけられているだろうか。
0255文字
ああああ
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このように労働市場から追い出され、社会の仕組みから脱落し、人間関係から遠ざかり、自尊心が失われ、徐々に社会から切り離されていくことが、「社会的排除」である。「無縁社会」「孤族」などといった言葉が少し前に流行ったが、「社会的排除」とは、ただ単に人が孤立していることを問題としているのではなく、社会が人を追い出していくさま、それを問題としているのである。6
ああああ

これらの影響は、社会の底辺の人々のみならず、社会のどの階層の人々にも及ぶ。これが、格差極悪論の要約である。127 齋藤純一は、「承認」には二つのタイプがあるという。 一つは、「人々を実際に社会的な協同のなかで何らかの活動をする者ととらえ、その活動を評価に値するものとして承認していく」という文脈で捉えられる「承認」であり、労働に限らないさまざまな活動を行うことで人は自尊の感覚を持てるという。もう一つは、 「他者を自律的な存在者たり得るものとして尊敬する」という意味での承認である。

09/07 14:10
ああああ

前者と後者の違いは、前者は、どのような物差しであれ他者からの評価を必要とし、後者は「他者の存在そのものを承認」するのであり評価は伴わない(宮本太郎編集『自由への問い2 180

09/07 14:11
3件のコメントを全て見る
0255文字
beans
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この本が書かれた頃よりも更に格差が広がるなか、このコロナ禍で地域内で人と顔を合わせる、繋がっていくということも難しく、社会的包摂を広げるために自分は何ができるだろう。
0255文字
Kimio
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子供の課題本。ユニバーサルデザイン的な社会、弱者にとって住みやすい社会はすべての人にとって住みやすい社会、を求めるには?
0255文字
Ramo
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ネタバレ相対的貧困と絶対的貧困の違いから、震災により蔑ろにされる非被災生活困窮者、ホームレスの人たちとの関わりの実体験まで貧困について分かりやすく書かれていた。書かれてから10年も経っているが、現在ひとり親世帯の半数が貧困禍にあるという。筆者の言うユニバーサルデザインな働き方が広がり、誰ひとり排除されない社会の実現を望む。
0255文字
塾長やってる安村俊毅
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相対的な貧困と絶対的な貧困の定義や、強制消費が強いられる社会であることはわかります。貧困が社会的な排除のスタートになるというのもわかりますが、ではどうやって包括をしますか?中間層もアッパーの階層も、既に税負担でカツカツの社会で、これ以上どう負担を強いるのですか?という回答の提示はありません。また、雇用の劣化を日本のと冠をつけていますが、これは世界的な潮流だと思います。生き残るか、格差の業火に焼かれるか、そんな時代なんだと思います。
0255文字
ま
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途中までは貧困についての様々を知ることができ、楽しんで読めた。 個人的な感想。社会的包括や包摂があまりイメージとしてわかってないからかもしれないが、知識のパートが終わって著者の主張あたりから、少しわかりづらくなって、読む手が止まってしまった。 ややぼんやりとした印象を持った。
0255文字
gecko
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生活水準を保つための資源の欠如を表す「貧困」に対して、社会から追い出されること=「労働市場から追い出され、社会の仕組みから脱落し、人間関係から遠ざかり、自尊心が失われ、徐々に社会から切り離されていくこと」(p.6)を「社会的排除」と定義し、これに相対する「社会的包摂」の重要性を説く一冊。東日本大震災直後の2011年に書かれ、現在では古いデータや記述もあるが、この10年で社会の分断が加速し、格差が拡大したことがかえって実感された。社会の中に「居場所」や「出番」があること、評価を伴わない「承認」について問う。
gecko

著者は執筆当時、民主党政権下で設置された内閣官房「社会的包摂推進室」の一員だったとあり、このようなチームは今はもうないのだろうかと複雑な思いで読んだ。また近年「排除ベンチ」とよばれて問題になっている、座りにくいデザインのベンチについて本書にも言及がある。少し前に読んだ記事がよかったのでメモ。/「排除ベンチ」抵抗した制作者が突起に仕込んだ「せめてもの思い」https://withnews.jp/article/f0210713003qq000000000000000W08k10201qq000023319A

08/08 01:02
0255文字
kounaien2
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ネタバレ格差によって社会的排除が進むとそれによる困窮は弱い立場に向かうことになる。例えば学校に適応できない子どもがホームレスを襲ったり親が子どもを虐待するようになるのではないか。 では弱者ではない層は影響を受けないのか?そうではない、バス停や公園のベンチがどんどん座りにくい形になっているように、誰にとっても居心地の悪い社会になっていく。 これが本書の主張であり、労働市場等の改善によって「包摂」を叶えなくてはならないということであろう。主張は筆者にしては個別事例に寄ったそうだがポストモダン的な考察も読む価値がある。
0255文字
my_home_songs
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社会からの排除、そしてループ
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さと
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貧困や格差社会は最近になって浮き彫りになって来ている。自治体や国の制度よりコミュニティによる助け合いの方が貧困対策になりそう。
0255文字
二人娘の父
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帯に釣られて買う「帯買い本」(造語です)。貧困問題の「入門書」というのが、世の中にあるようで実はあまりなく(専門書除く)読んでみたがとても勉強になった。「インクルージョン」という言葉は発達臨床心理を学んでいる娘から聞いていたが、その概念は貧困問題を解くカギでもあったことは発見。包摂の反語としての排除こそ、貧困解決のヒントであることは非常に重要な指摘だ。出版自体は10年前のものであるが、その役割は今日でも十分に果たしている好著。おススメします。
0255文字
yba
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弱者にやさしい世界は全ての人にとって生きやすい社会。 個人には限界があるという当たり前のことを再認識して、肥大した自己責任論を我々の世代で終わらせなければいけない。
0255文字
ぴよぴよ
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自身も指摘しているが、就労における社会的包摂のために、著者は何も「我が国を社会主義化せよ!」と主張したいわけではない。貧困を完全に無くすための理想論を振りかざすのではなく、「地道に努力することが大切だ!」というメッセージが伝わった。 日本は決して一億総中流社会ではないものの、あくまで貧困層は6人に1人のminorityである。majorityの意向も無論汲み取らなければならない社会政策で、また他の方策で、貧困を減らしていく多角的な努力が必要だろう。貧困者自身と社会とが、バランス良く負担していくべきである。
0255文字
ねこっく
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流石、阿部彩教授。社会的弱者には誰もがなり得るという警鐘を震災の視点から冒頭で論じている。 彼女は常に立場の弱い人の視点に立ちながら、現実的な政策を提示するからものすごく理解を得やすく支持できる。有用性から離れ、いかに人権を確保し、社会の中で彼らが自己実現できるように包摂していくか、スムーズにまとめられている。資本主義社内では格差が生じてしまうからこそ、福祉の領域から是正しなければ格差が増大し、国家は破綻する。 まだ彼女の著書を読み込めていない。記者を辞めるまでに必ず彼女の著書を網羅すると決めた。
0255文字
かげまるっち
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安部さんの熱いあとがきに泣かされました。とてもまっすぐな動機で書かれてる本だと思います。私には何ができるか、考えていきます。私もそういう居場所作りに関わっていきたい。
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マネコ
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日本の貧困問題のよい入門書です。絶対的貧困【いわゆるホームレスのような生きることが貧困】と相対的貧困【ふつうの生活ができない貧困】の違いを理解でき、日本では"ふつうの生活"が満足にできていない層がいることを知ることが出来ます。一億総中流はすでに過去のことという現状を理解する一助となる一冊です。
0255文字
Yasushi I
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憲法の定める「健康で文化的な最低限度の生活」とは何なのか。相対的貧困が人口の15%もいる日本。しかしものやお金が足りないこと以上に問題なのが社会からの排除だと著者は訴える。社会と関わってこそ人は生きる意味を持つ。弱者を受け入れる社会的包摂ということを初めて理解することができ感謝。
0255文字
ATS
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★★★2011年と古いが貧困や社会的包摂といったものをデータ(エビデンス)をもとに書いていて非常に勉強になった。貧困などを自己責任に帰結してしまうのはよろしくなく、社会を変える(排除をしないようにする)ことが重要。格差の拡大は貧困層でなく全層においてデメリットとなる可能性があり、弱者を排除する社会はすべての人を生きにくくする。恩恵を受けている富裕層が能力や努力だけでないことを意識することが重要というのは非常に大切だと思った。募金などの慈善行為が少ない日本はそういう視点がとくに欠かせないのではないだろうか?
0255文字
Akiro OUED
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貧困の定義が現実的。この方面での国際比較があれば読んでみたい。
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ゼンマイ
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他人に必要とされることで生きがいを感じる。金はやるからおとなしくしていてくれ、できるだけ世の多数の人にかかわらないでほしい。福祉がこのような態度に流れてはいけないと感じた。それは当人はもちろんのこと社会も殺伐としたものにする。
0255文字
Kunio  Hanaoka
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なかに引用されている資料が衝撃的。
0255文字
kenta
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複数持病を持ちつつ、労働市場へ参加して3年。会社の制度、もしそこから漏れてしまったときの制度、いわゆる普通の生活を送るために使用する制度、あらゆる制度や人間の認知が、困難を抱えている人の実態に即していないというか。そういう制度や認知を形作っているのは、上の人がであるからか? 非常に生きづらいし、自己肯定感は低いし、お金は稼げないし、医療費はかかるし、住宅ローン金利は普通の人より高いし、働いて帰ったらグッタリするほど疲れるし、地域やボランティアまで体力がもたない。こんなので、楽しく生きるのは至難の業である
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弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂 (講談社現代新書 2135)評価54感想・レビュー142