形式:ペーパーバック
出版社:冨山房
明らかにシンメトリカルな構成を意図しているのも伺える。 フレム・スノープスという一族でも切れ者の主要人物が登場するが、登場する割合は極めて少ないし、会話も内面もほとんど描かれない。けれどどこかで暗躍している雰囲気があり、得体のしれなさ抜け目のなさは、あえて「描かないこと」で描いている様に思う。ただ、今回この「村」を読んで改めて思ったのは、この長編の主人公をフレムと想定して読むのは違う様に思う。解説で、作家の三枝和子氏が書かれている様に、この小説は、「村」、フォークナーが自ら書いた地図によれば、
ヨクナパトゥーファ群南東の土地、フレンチマンズベンドそのものが主人公であり、その視点で読むとこの小説の本当の面白さに浸れるということ。この小説の語り口が、フォークロアを思わせるのもその土地そのものを語ろうとしたそこにあるのではないかと思った。
「白痴」、障害を持つ方の思考が果たしてそのようなものではないとは思うのですが、それはまぁご愛嬌ということで理解して読むと、擬似的に4次元を体感されられるかのような思いに駆られます。匂い、音、光、私たちは意味づけを無意識にしてしまいますし、連結を無視することは出来ません。しかし、アイザックは明らかにそうした状態を逸脱していると言えるでしょう。面白すぎました。
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明らかにシンメトリカルな構成を意図しているのも伺える。 フレム・スノープスという一族でも切れ者の主要人物が登場するが、登場する割合は極めて少ないし、会話も内面もほとんど描かれない。けれどどこかで暗躍している雰囲気があり、得体のしれなさ抜け目のなさは、あえて「描かないこと」で描いている様に思う。ただ、今回この「村」を読んで改めて思ったのは、この長編の主人公をフレムと想定して読むのは違う様に思う。解説で、作家の三枝和子氏が書かれている様に、この小説は、「村」、フォークナーが自ら書いた地図によれば、
ヨクナパトゥーファ群南東の土地、フレンチマンズベンドそのものが主人公であり、その視点で読むとこの小説の本当の面白さに浸れるということ。この小説の語り口が、フォークロアを思わせるのもその土地そのものを語ろうとしたそこにあるのではないかと思った。