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ペルソナ 三島由紀夫伝 (文春文庫 い 17-9)

感想・レビュー
46

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あまね
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4Lジャーナリストとしての著者の技量が最も脂の乗っていた1995年の書。三島の祖父定太郎に焦点を当てたファミリーヒストリーでもって複雑な人間、三島由紀夫の幼少期から自決へと至る生き様に光を当てようとする。原敬に仕え樺太庁長官へ登りつめたが政争に巻き込まれ官僚としての力を成就できなかった祖父。アグレッシブな祖父とは正反対なマイペースな官僚として描かれる父梓。そして官僚としての系譜上に人生のレールを敷かれた文学的天武の才の持ち主三島由紀夫。ファミリーヒストリー的な面は上手く出来ているが、三島の右傾化への道のり
あまね

については余り上手く描かれてはいないと思う。ファミリーヒストリーに関しては秀逸な書。

02/20 22:02
0255文字
アイマール
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三島由紀夫の祖父樺太庁長官平岡平太郎、父の農林水産局長平岡梓、大蔵事務官平岡公威(三島由紀夫)の官僚三代の歴史から、三島の割腹自殺までの大河小説。 三島由紀夫の成長過程で、最大の影響を与えた祖母夏子の部屋に閉じ込められた幼少期。徴兵検査にも合格できない虚弱な体質。その三島が文学を通して才能を開花させ、早い時期からノーベル文学賞候補にもなった。しかし、仮面の告白、金閣寺の成功、鏡子の家の失敗から坂道を下るように、天皇、楯の会やがて自衛隊市ヶ谷駐屯地へ。 誰が何が三島由紀夫を育てたのか?
0255文字
あた
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三島本人に深く関わった人から三島を浮き彫りにしていく。祖父、祖母、父、園子、岸田今日子、そして自衛隊と、三島最後のシーンも詳細に描かれ、印象とは違う三島を見ることができます。
0255文字
おがわ
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日常性と官僚機構/『花ざかりの森』刊行秘話とパルプ生業、祖父のコネ/父梓の廊下トンビ/政治概念としてではなく、文化概念としての天皇/『文化防衛論』/平岡定太郎、明治の立身出世/日常性に生きるが故の、窮竟項への到達不可能性/『仮面の告白』挫折した接吻から『美徳のよろめき』の倉越夫人へ/『絹と明察』日本的家父長制、すべてを見渡す絶対者、すなわち天皇⇄官僚機構、代替可能な人的システム、祖父定太郎の晩年、失脚/なんとなくなのだが、(肯定的な意味での)父性を持ち合わせていたとは言い難い梓のもとで育った三島が
おがわ

家父長としての天皇を求めた言うのならなんとく分からんではない気がする

08/02 10:18
0255文字
NY
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官僚をキーワードに描く三島由紀夫の「ファミリーヒストリー」。本書が書かれた90年代前半は、政治家と官僚の関係(癒着)が大きくクローズアップ(批判)された。現在に連なる政党政治の先駆けとなった原敬は、平岡定太郎のような献身的な官僚を必要とした。官僚出身の岸信介も然り。三島は官僚的世界を嫌い、文字通り命を懸けたが、それでも戦前から戦後にかけて鉄壁に構築されたその世界はびくともしなかった。今は時代が変わり、いろいろな意味で綻びがみられるが、残念ながら日本はそれ以外の国家運営の有効な仕組みを見つけられていない。
0255文字
rinrinkimkim
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字がちっさくて多い。読了迄5日。長い。何しろ三島のおじいさんの人生で100頁。その後孫が生まれて腹切るまでですから。石原氏の子分で同じく都知事まで上り詰めた猪瀬さん。樺太取材までしてる根性が残ってたら徳洲会の4000万もいともたやすくバッグに入れられたんじゃ?目黒の自宅でセバスチャンの殉教コスプレしたんだな~と、そしてその家は過去に首つり自殺があった!これって有名な話なんですかね?初めて知りました。あと父梓が文芸春秋本社へ毎日出かけぼーっと座ってた、なんて。社員はさぞ困ったことでしょう。再読希望の1冊。
0255文字
悸村成一
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読了76冊め。官僚制に注目する論述。自衛隊は軍隊というより米国の警備隊に相当するという見方が、嘗てあったのではないか。
0255文字
しんさん
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三島由紀夫の祖父から三世代で展開される「近代日本と官僚制」の大河ドラマ。祖父を樺太庁長官に引き立てた原敬、三島の祖母(祖父は幕臣永井尚志)、夢野久作(の父)、岸信介、川端康成ら、尋常でない面々と平岡(三島)家の人々との関わりが描かれる。ファミリーヒストリーとしてめちゃくちゃ面白いのだが、それでもなぜ彼があのようなかたちで自決しなければならかったのか、やっぱり理解も共感もできない。
0255文字
Admiral2009
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何故に三島は蹶起したのか?と、此の本は祖父の代まで遡り三島の為人から探ったもののですが、解明の糸口にはなりませんでした。奇しくも此の本の後書きに、市ヶ谷で防衛庁開庁以来の大事件が起きたにも拘わらず、当夜の六本木防衛庁では事務次官の送別会が盛大に行われたとあります。事件から50年、自衛隊も憲法も役人も変わらない日本を見て三島は何と思うのでしょうか。
0255文字
takj
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作家の三島由紀夫自伝より親子3代の定太郎・梓・公威 維新から薩長・官僚・戦前戦後 政治経済の時代考証が仔細でした。
0255文字
すねいぷー
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感動、というのとは違うのだが心が揺り動かされた。三島の行動だけでなく、心の中まで見透かしたように書かれていて、ここまで赤裸々に描かれて本人は一体どう思うのだろう?とすら感じた。 三島にますます興味が沸いた。
0255文字
ひろ
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★4
0255文字
まーくん
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本書は三島由紀夫の自決から25年後に著された。そして今年は自決から50年。著者は三島の祖父の代まで遡り、その精神構造の背景を探る。祖父平岡定太郎は播州の片田舎から出て内務官僚となり、原敬に引き立てられ樺太庁長官を務める。父梓も農商務省の官僚、本人(平岡公威)も大蔵省に入るが、僅か9か月で職を辞する。戦前戦後を通じて日本を率いてきた近代官僚体制に支配される世界を日常とし、その日常に背を向けた三島は文学の中に幻想の世界を追う。更には幻想を現実社会に持ち込み、遂に自死を以てその世界を完結させようとしたのでは。
まーくん

三島の作品は数多く読んだわけではないが、自決事件を知った時のことは今でも良く憶えている。市ヶ谷のバルコニーでの決起を呼びかける演説は、自衛隊員の嘲笑を浴びた。父梓と同期入省の岸信介は官僚体制の象徴として描かれている。

01/20 17:58
0255文字
かんがく
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自伝的小説『仮面の告白』において、大きな印象を残す祖母と異なり、一部分しか言及されない三島の祖父から記述を始め、日本の近代、官僚制の面から三島由紀夫伝を紐解く。内務官僚である祖父を描いた一章は原敬、樺太パルプ利権、阿片、フィクサーなどが絡み合っており魅力的で、ここが面白すぎるためにその後の章がやや霞む。同じく農商官僚の父、そして大蔵官僚をすぐに辞めた三島本人と話は続いていく。徹底的な取材で、三島の人物と生涯が明かされていく様は素晴らしい。裏の主役は、三島の父の同期で、官僚の象徴ともいえる岸信介だと思う。
0255文字
yuji
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「戦争犯罪国はアメリカだった!」で著者は日本人における天皇の神聖さと三島由紀夫の思いを紐付けたのだろう。しかし、ひ弱だった青年時代に文学作品を自身の死(戦死)をもって永遠にしたい彼の考えは終戦をもってついえた。戦後も常に死に方を考えていたところにたまたま日米安保改正が都合のよい理由としてあっただけじゃなかろうか。民主主義以降の国家は官僚によって制御され日常になっていく。彼の成功は家系である官僚の力の恩恵を受けているが全共闘の意志に一部理解を示す。日常が二の次の人としては生き辛い生き方を選んだものだ。
yuji

自決前の産経新聞寄稿 「私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行ったら『日本』はなくなってしまうのではないかという感を日ましに深くする。日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであろう。それでもいいと思っている人たちと、私は口をきく気にもなれなくなっているのである」 三島由紀夫死んでから50年がたった。日本はもう先進国でもなくなろうとしている。官僚には経済大国を維持してもらいたいものだ。

09/01 16:08
yuji

それとも国民も官僚も空っぽになったから凋落しているのかもしれない。

09/01 16:13
0255文字
AK
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多少読みにくさはあるが、読み応えはある。著者の作品は何冊か読んではいるが取材力と情報量は本当に圧倒的だと思います。
0255文字
あっきー
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✴3 国際反戦デーなどの盛り上がりで容共政権が成立するのを防ぐために天皇と軍隊を栄誉の絆でつないでおくことが急務、そのための防衛隊も考えていたが、急速に騒乱が終息、自衛隊の治安出動も無くなり対立と緊張もしぼんでしまった、豊穣の海3巻目を脱稿したこの時期までの緊張感は半端なかったが4巻目はなんとなく気が抜けた付け足しの感じがしたのはそのせいだったのかなー、他の三島作品の背景など面白く、最後の自決事件も詳しくて、今まで猪瀬はガン無視していたがチト見直した
0255文字
秋色の服(旧カットマン)
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猪瀬氏の着眼点、日本の近代を官僚制の側面から探るはライフワーク的で、それは面白いのだが。何かこの人の文章が好きでない。司馬遼太郎のように歴史の語り部になって本人が出てくる感じどうも好きではない。ドキュメンタリー小説にしないで、社会科学論文にしてくれた方がすっきり読みやすい。まどろっこしくて、結論最初に提示してくれと叫びたくなる。三島の実生活問題なら、岩下尚史『ヒタメン』の方が断然に好み。
0255文字
Chihoish
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三島の祖父である平岡定太郎の話から始まる。やけに詳しく語られるので早く三島のところがと読み急ぐ。後に、なぜ祖父、父と詳しく語られてきたのかがわかる。なぜこうも三島の心情を断定しちゃうのだと少々気になるところもあるけれど、とても面白かった。鹿島茂氏の解説もなるほどと合点がいった。三島に関する著作は何を読んでも終盤の自決に至る過程が切なく哀しくなってしまう。
0255文字
アンゴ
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★★★☆☆三島事件は子供だったが大人たちが憤慨していたのを記憶している。神風連に傾倒した様だが、自分の死で何がしたかったのか、結局理解できない。人の感情を観察するのに長けているのに、「戦後民主主義とそこから生じる偽善」を直視しないで、ひたすら明るい未来と目先の儲けしか見ないようにしている大衆と国が、目が覚めると思ったのは大いなる錯誤。結果論だがあれから50年経ってどん底に窮しても暴走を止められない日本人。猪瀬氏が言う官僚主義の欺瞞を剝き出し、辱めなければ改まらない気がする。即ち日本人自らには絶望的。
0255文字
内臓
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ネタバレ三島由紀夫は存命中から大絶賛大流行作家なのだと思っていたがこれを読んで違うということを知った。第一章が三島の祖父である平岡定太郎の時代について割かれていて、三島の根底にあるのは祖母夏子からの幽閉の記憶ではなく、祖母をそこまで追い詰めた祖父の破天荒ぶりだったのだという印象を強く抱く。
0255文字
ベータケ(betake)
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市ヶ谷の総監室で隊員と格闘する場面の描写が素晴らしい。著者の(テレビで見る)人間性は大嫌いだが
0255文字
さきん
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三島由紀夫がなぜ、割腹自殺に至ったのか家族関係から読み解いていく。祖父は農民出で樺太庁長官まで出世した官僚で、原敬に頼ってそこまでの地位に至った。父は森林利権と関われるということで、農務省の官僚になり、三島(平岡)氏本人は大蔵省に入省したが、作家志望のためにすぐにやめた。祖母夏子が三島氏の幼少期に強烈な影響を与え、がり勉、文学青年なところはそこで形成されたようである。武士道精神にこだわっていたのも士族出の夏子の影響が大きいと思われる。
0255文字
ばんだねいっぺい
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 三島由紀夫を知りたくて読んだ。複雑な生い立ちに悲しみを感じ、これから読み方が変わるんじゃないかと予感した。  私淑する原敬の登場には、松本健一とは異なる見方の人間像にそう見るんだなと目を開かされた。
0255文字
トムヤンクス
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序盤は三島自身というよりも、平岡家のルーツから紐解かれていきます。いかに「三島」という人格が、そして「ペルソナ(仮面)」が作られたか。そういった経緯に興味のある人は必読。
0255文字
スミフン接吻
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『金閣寺』の説明、解釈部分が最高
0255文字
まある
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三島由紀夫のことはそれ程知らないため期待して読んだのだけれど、特に大きな収穫はなかったようにも感じる。三島の父親や祖父のことから三島の幼少期へとの記述は悪くないけれど、そこまで父親や祖父には興味もない。円満な家庭ではなかったろうことやゲイ疑惑などももっと面白い解釈を期待していた。
0255文字
guanben
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これまでのミシマのイメージを一変させるような記述はほとんどなく、新鮮さはない。残念。ゲイであることをほのめかしていたのは、話題づくりためではないかという指摘は面白いが。
0255文字
バカ殿。
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三島氏は、学習院出て、東大、大蔵省と育ちも良く、絵に書いたようなエリートと思っていたげど、若い時も苦労してるし、なんとか文壇デビューしようと自書を売り込む姿が意外だった
0255文字
まみりん
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表紙が怖い( ・ω・)w 三島事件をゴールに、三島由紀夫氏のお爺様からその人生を辿ってゆけます。三島由紀夫氏より、お父様の梓さんに興味が湧きすぎる( ・ω・)
0255文字
六花の雪
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導入部は三島由紀夫の祖父の時代、近代日本の歴史からで、歴史が全く苦手なので最後まで読めるか危惧した。わからないところはわからないまま読み進めていった。三島由紀夫の一生涯。読んでいて息苦しくなった。生きにくい人生だったのだろなぁと、思わずにはいられない。
0255文字
ルアット
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ずっと気になっていた本だったが、発行部数が少ないのか、なかなか入手できなかった(ピカレスク太宰治伝もなかなか手に入らなかった。)。それが、たまたま寄った京都のブックオフにあったので、即購入。三島由紀夫がどのように生きてきたかを祖父の代まで遡り、父親、三島由紀夫の自決という流れの中で描き、三島由紀夫の人物像を自分の中で思い描くことができた。また、、そんな中でいろいろな作品がどのように位置づけられているのかということも知ることもできた。政治家としてはだめだった著者だが、この本は面白かった。
0255文字
やしゅえ
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平岡公威を、祖父の代までさかのぼり明らかにしていく。
0255文字
Fumihiko  Kimura
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やはり幼少時の家庭環境ってなあ大事だなと痛感。
0255文字
stsuch4
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三島由紀夫を近代日本と官僚制という視点から描いた評伝。敵としての日常すなわち官僚制とそれを阻止しうる存在としての天皇。壮絶な自刃を遂げる天才作家の真の姿は、どこか人間的に平衡感覚を欠くものであるが逆により親しみを覚える。
0255文字
在我壷中
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『ペルソナ』つまり細部はすべて事実から成り立っているが大きな仮説を楽しむための文学である!と。そうだろうか貴方にはそうなのだろう。しかし、私には『詭弁』『欺瞞』『傲慢』と、石原氏同様に『後出しジャンケン』と。最初に貴方の『三島像』在りき!単なる貴方の・・・云うまい、書くまい
0255文字
冬至楼均
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綿密な取材、一切の想像を加えない文章(まあ感想程度は含みますが)。作者渾身の一冊。 このタイミングでの再読はいろいろな意味でタイムリーでした。
0255文字
snakedoctorK
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なるほどねぇ 官僚一家なんだよねぇ 駆け抜けた感があるなぁ
0255文字
南註亭
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文庫版を何度目かの再読。 元版の単行本を含めると10度目くらいの再読になります。 これは評伝のかたちを借りた近現代史。官僚制と官僚たちの問題もすでに指摘されている。 三島の怒りと失望その悲劇を再認識することがいま求められているように思う。 時をおかずまた再読するつもり。 あ、ただし次は文字の大きい単行本にする(苦笑)。
0255文字
harass
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文学者にありがちな評伝かと思ったら色合いが違う。近代日本官僚制と三島由紀夫の因縁がテーマだった。猪瀬直樹らしいテーマだ。  三島は、売り込みに必至だったが失敗も多く相手に「俗人」との印象を受けていたとか。この本は変に神格化しないで彼を描写している。  癖のある家族環境で育まれた文学趣味がようやく花開いて社会的にも「金閣寺」の成功で認められるがそこがピークだったと著者は論じる。右傾化しあの割腹自殺に走るまでの流れや細々としたエピソードが面白い。  いろいろな人に取材をしていてさすがだと感心した。
0255文字
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