形式:単行本
出版社:青灯社
力への意志は権力希求ではない。各々の生を最大限に発揮しようとするはたらき。自然と他の存在との衝突がおき拮抗する。諸力の増大に終わりはなく一旦達成されたように見えても他に凌駕されるので最終的に固定された極大状態は存在せず固定した神もいない。
取り敢えずニヒリズムの思想は大切にしていきたい。
「全体をまとめてみれば、かれのシステムとは、①真・善・美などの価値や自我などの実体といった、古くから信じられているものを否定し、②〈眺望固定病〉をうむ〈力への意志〉という流動的メカニズムことが実相であることを明らかにするものである。とはいえ、①から②へのシフトは摩擦なしにはおこりえない。[中略]それどころか、うっかりそれに同意してしまうと日々の暮らしまでもが意味を失ってしまう。その恐怖を受け止め、乗り越える道筋を示すのが〈永遠回帰〉思想であり、〈超人〉思想なのである」(pp.132−3)
最後に著者は、「伝統的価値がもたらす硬直したシステムの虚妄をあばき、それが生成するメカニズムをあぶり出すニーチェの考えは、現代においても有効である」という所見を承けて、「あらたな世界システムが生まれつつある現在、〈眺望固定病〉に目を眩まされることなく、現実世界の中で〈力への意志〉がどのように機能しているのかをただしく把握しなければならない」(pp.139−40)と述べるが、いったいその「ただしい把握」とは何なのか。この見解は、ややもすれば陰謀論の繁茂を助長しかねないようにも思われるのだが、それでいいのか。
Vakairaさんコメどうも。ロブ=グリエは骨董品扱いになっているようで、現在ではあまり言及されることは少ないのですが、2008年のブログの記事で、いろいろ感心したのを紹介します。 https://akiraokawada.hatenablog.com/entry/20080220/p1
harassさん 紹介アザ~スm(__)m
そしてニヒリズム。 ただ、すべてを穿った見方をする立場では無かったんですね。 すべての価値付けが対比で行われていることを前提として、 その対比をする”そのもの”が無くなってしまえば「価値」と呼ばれるモノははすべて無くなる、 みたいな。 予想以上の破壊力を持つ単語でした。 確かに、「良い」とよばれるものは、「悪い」と思えるモノがあるからこそ、そう思えるのかもしれません。 だからこそ、それを否定すればすべては等しいものであり、 変化が起こらないモノであり、永遠回帰になるわけですねぇ。
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