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美徳のよろめき (新潮文庫)

感想・レビュー
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upfield_ex
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不倫という不道徳な行為をしておきながら、抑制された美徳にこだわる節子が、はじめは滑稽に思えたけれど、悩んで傷付いたことで強くなったと思っている節子が健気で、彼女は精一杯の恋をしていたんだなと思った。 最後の最後に、本当の節子に出会えた気がします。 「なんという素晴らしいお行儀の悪さ!」という節子の言葉に表れているような軽快さを感じた。特有のくどさも感じないし、しかし文章は美しく麗しい。 学生時代に読んだつもりだったけど、全然覚えてませんでした。若すぎて理解出来なかったか、途中で挫折していたのかも?
0255文字
なか
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「官能の天賦」のある主人公の節子が夫とのセックスレスから一度だけ避暑地で接吻した土屋に焦がれているうちに恋に落ち、避妊のない奔放なセックス(もちろん三島の作品にはポルノシーンは無いが)をして二回も堕胎してやっと別れたと思ったら未練がましく土屋に手紙書いてしまう。しかしラスト一行で節子は節度や身の振り方を取り戻す。鮮やかなオチに満足。しかしそれでもその時代の女性像の色は濃い。もちろんそれは悪いわけではない。物語の特性上、「女性」はより面白くなるように誇張されているだろうし。
0255文字
ほうじ茶アイス
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読了。 主人公は、一人の独身男性に恋心を抱く既婚女性。 育ちが良く道徳感のある彼女が徐々にその美徳をよろめかせていく。見ていて大変心苦しかったです。 文章は終始綺麗でした。
0255文字
あーてぃすと。
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不倫 人間感 決していいことではないけど踏み入れたくなる感じ
0255文字
peppermint_804
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ネタバレ☆4.0 躾が良く上品に育った節子が、若い美しい男・土屋と 不倫し、妊娠中絶を繰り返し、最後には別れる。誰にも叩かれることのない、二人の世界で。
0255文字
うどん
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暇と肉体を持て余したご婦人の一人相撲がこんなに耽美な物語に昇華されるのかと感心した
0255文字
ひろ
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面白かったー。三島作品の中だとかなりスルスル読める部類な気がする。たまらない文章が随所にあってとっても良かったです!
0255文字
にしの
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小説家の目を通して描かれた不貞の女性の揺れ動き。世の官能小説は三島由紀夫の美文を真似て作られたのでは?と思えるほど完成された文体だった。節子の情夫である土屋は三島の自己投影のような気がする。そう考えるとちょっと気味が悪い。異性の心を描くというのは簡単なもんじゃない。
0255文字
圧倒的いちご
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何度堕胎すれば懲りるのか..と呆れたし、あまりにも女側がか弱いように書かれているのにも腹が立った(時代的なこともあると思うが) しかしこの不倫劇がどう展開していくのかが気になってページを捲る手が止まらなかった。
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たたく
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p75 美徳はあれほど人を孤独にするのに、不道徳は人を同胞のように仲良くさせると。
0255文字
ベル@bell-zou
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ネタバレ心底どうでもいい話だった。節子の心理が実に細やかに描かれているがリアリティも共感もなく単なる独り善がりにしか思えず。不倫相手である土屋の気持ちが見えない(語られない、節子の恋心を満たすものではないと推察)せいもあり彼女が哀れですらあった。二度の安易な堕胎の挙句に遂に別れを決意するも未練の手紙をしたため始めたときにはどうしたものかと呆れたが最後の行だけは彼女を褒めたい。昭和32年という時代性もあろうが私の理解から最も遠いタイプの女性像に仕上がっており読んでいて大変苛ついたのだが…、
ベル@bell-zou

読む運命の本だったからといって気に入るとは限らないのね…😅タイトルはすごく良いんだけどな、忘れられない本にはなったよ😄

09/18 07:11
ベル@bell-zou

ジュリさん、共感いただけて嬉しいです!

09/18 07:13
7件のコメントを全て見る
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トクナガ
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不倫相手である土屋の描写が生々しい。妙にリアルというか行為に持っていくまでのさり気なさとかいちいち明言しない感じが実在感を高めている気がする。三島らしい心理に対する深い洞察を感じる文章にはハッとさせられるものがあり面白く読めた。
0255文字
c3po2006
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★★★★★
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シノッピ
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不倫の話だがドロドロ感が全くない。最後まで美しかった。キラキラな表現、堪能致しました。
0255文字
佐倉惣五郎
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思ったより拍子抜けだったが、かといってこれが大衆受けしたというのはそれはそれで信じられない。不思議な読み口の作品だった。
0255文字
ネムル
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三島はこのくらいの軽さでいいとも、このくらいの軽さがいいとも。
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ティモシェン子
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『文学』『フィクション』という綺麗に作られた箱庭の世界。昭和の裕福な有閑マダムの知られざる生活を「いけない」と知りつつ覗き見しているような小説。節子は美しくて強くて脆くて、良き母・良き妻でありながら、素知らぬ顔でよその男と恋愛ごっこをするとんでもない女なのだけど、人としての拙さがあるからどうにも嫌いになりきれないうまい塩梅のキャラクター。 ただ、節子は土屋からしても、倉腰一郎からしても『都合の良い女』なのだろうから、節子だけが愛だの恋だので思い悩むのは虚しく悲しい。
ティモシェン子

節子は倉越とのあいだに息子を出産はしたけれど、息子への感情がとても希薄。良家の結婚で義務的に産んだ子供を、乳母やお手伝いさんに任せっきりでかかりわずらうことが少ないのは、この頃の上流階級の奥様にはよくあることだったのかな? 節子にとっての息子・菊夫は、ジャンパトゥのジョイという香水みたいに、節子の生活品の一部であって、家という機能をまわすための歯車みたいなものなのだろうな。ちょっと理解できないけど、そういう人でなけらば堂々とお泊まりの不倫はできないだろうな。

05/09 23:41
0255文字
まるき
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まず主人公節子にとって美徳とは何か。作中、節子があらゆる自然を愛する様相が描写される。これは自覚のあるところでもある。対して人工的とも言える重要な決断を自ら下すという描写もあるのだ。恐らく、節子自身の思う「美徳のよろめき」の解釈は私とは異なるものだろう。単純に土屋との出逢いそのものに漠然とよろめきという感覚を持ったかもしれない。一読者の私からすれば、矛盾を持した重要な決断をした事実にこそ美徳に対する最大の裏切り、よろめきとも捉えられるような気がするのだが。
0255文字
えふさん
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再読です。上流家庭で育ち、裕福な家庭の奥様が、ある独身男性と姦通するお話。それだけなのに、現代の不倫というドロドロしたものとは似ても似つかない何とも優美で、爽やかさすら感じさせます。学生の時は、よくわからないお話だなって思っていましたが、今回はまだ少し理解できた気がします。
0255文字
くらさん
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優雅な女性の不倫劇を描いたといえばその通りだと思うけど、美しさや爽やかさを感じさせるのはなぜだろう。現代とはかけ離れた社会がファンタジーのように見えるからだろうか。幼稚ささえ感じる女性の心の動きが可愛くみえたせいかも。 歳を重ねてから読む方が青春時代を思い返すようで共感しやすいような気がする。
0255文字
トレイルかめ
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金閣寺に続いて読んだ 全然、面白くなかった、恋人の土屋 存在感が、感じられず
0255文字
ミア
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ネタバレ節子えらい😭😭これが最後、これが最後って、ズルズルせずにちゃんと決めるの偉いよ😭😭最後も手紙破り捨ててるし!! 周囲(?)からのアドバイスも人事でなく身に染みた、 土屋さんとの食事のシーン、絵で想像すると生々しいけど文章だとすっきりしてるんですよね、不思議
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優
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ネタバレまず、主人公の名前が「節子」ってすごい皮肉めいてて良い。 夫に頼まれて断った愛撫を土屋にはした、それも節子自ら喜んで。その内容だけ捉えると卑猥でしかないシーンの表現がびっくりするほど美しかった。文才すごすぎる。 土屋みたいな男性って、捨てられる前に捨ててやるべきなんだろうけど自分から別れを告げる方が女にとっては辛いかもしれないなと、ラストを読んで思った。
0255文字
エイリアンは読書中
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背徳や官能を楽しみながらも最後まで穢れることのない無垢な節子が好き。現実感のない、おとぎ話みたいな感じ。土屋は悪い男だな。物語全体の耽美な雰囲気も良い。でもどうしてもむかつくのは、節子だけが2回もの墮胎を抱え込み、土屋は悪びれもしないところ。そういう時代だったのかもしれないが、本当にクソだし、土屋を殴りたい。現代の価値観を持ち込むのは野暮だなと思うけど。だから節子が最後に手紙を破いた時、That's my girl! と叫んだ。土屋にあんな扱い受けても、節子の気品は一切侵されていない。最後までエレガント。
0255文字
優希
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再読です。ただ一度の接吻を忘れられないのに官能の香りを感じました。夫も子供もいる身ながら誰かを愛することで汚れることを知らない聖女。全ての不貞が道徳であり愛しいことであると解釈できますね。姦通という美しい罪によろめくことで極上の恋愛小説へと昇華した物語と言えるのかもしれません。
0255文字
はちわれ
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【図書館本】初三島由紀夫。同僚におすすめされて読んでみた。小難しくてもどんどん読み進める大切さを知った。
0255文字
デトマソ
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高校生の頃は耽美的な小説が好きだったが、今は全く感じなくなってしまった。結末は好き。
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アルハ
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上流階級に生まれ、知的ではないが優雅な女性として育ち、自らの思う美徳を守り生きてきた節子。だが結婚し一児の母となってもその胸に残るのは婚前にただ一度だけ交わした夫以外の男性との接吻。結婚後も何かとよく出くわすその男・土屋への恋心をやがて自覚した節子は、恋心と美徳を守らんとする自意識の間で懊悩していく。 若い人妻の不倫の恋を通して描かれる話は三島得意の過剰とも言える自意識との戦いであり、春の雪同様相手である土屋の内心は描かれる事はないのが作者ならでは(描くほどの内心をもってないということなのだろうけど)。
0255文字
木漏れ日
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読んでる途中で、ん?谷崎作品を読んでたっけ?って思ったら、解説で北原武夫氏も谷崎潤一郎と実によく似ていると書いている。裕福な家庭の奥様が、ある独身男性と姦通するのだけど、現代にある不倫というドロドロしたものとは似ても似つかない何とも優美な印象を受ける。恋愛とは最初は盲目的だけど、徐々に相手に疑心暗鬼になり嫉妬心が湧いてきたりする。でも、可愛らしい嫉妬にとどめ皆まで言わない。そういう所が最後まで耽美的で優雅な印象を与えるのかもしれない。こういう恋愛なら経験してみたいなぁ。
0255文字
Gael
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ネタバレ解説にあるように他作と比べると「気軽」な印象を受けた。それは死が混入していない(堕胎はある)からかもしれない。また、美徳や背徳について語る文が多いこともあって、そもそも死は予感されない。少しずつ三島由紀夫の文体に慣れてきた感もあるが、上述の理由から私の方の問題ではなく作品側の事情なのかもしれない。
0255文字
つばさ
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文の書き方がとても私に合っていて、すきな三島。簡単に言うと奥様が不倫をする話。今の世の中とは違って、スマホも電話も普及していないことがまた、趣みたいなものを加えさせる。しかし、人の欲、奥様の芯の強いこと。三島由紀夫文学は全て揃えてもいいのではないかと思った。
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ankoromochiko
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薄くて読みやすい文章のハズなのにサクサクとはいかない不思議と手こずる読書でした。初三島作品がこの作品で良かったのかはわからないけど、土屋は体の相性も含めて無茶苦茶タイプでドストライクだったんだろうなぁ〜。 現代だと育ちのいいお嬢さん人妻が推しにガチ恋して弄ばれた行く末なんかなぁ〜とか想像しみたり。不義がバレなすぎてツッコミどころも満載ですが、節子のお悩み相談のパターンが色々あってそこが面白かったです。
0255文字
団長
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川上弘美さんが「美徳のよろめきを本棚に入れる祖父」が出てくる短編小説を書いていて長年印象に残っていたこちらの作品、読みやすい由紀夫で大変よかったです!不倫する人妻のリアルな心情が丁寧に描かれていて、「もしかして、身近にモデルがいるのかな…」と邪推してしまいました。由紀夫の才能が仇となった、罪な作品です。
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りんご
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美徳な夫人であった節子が、姦通という背徳の世界によろめく。それを三島ならではの視点で、その心理・心情を描き出す。
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ともっこ
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生まれも育ちも良い女性が背徳に苦しみ堕ちてゆく心情を、男性である三島がここまで鮮明に描くのが凄い。 豊饒の海を読んだ直後なので振り幅が大きく感じる内容だったが、三島の美しい文章はやはり素晴らしく、かなりの読み応えだ。 私には結局のところ土屋の本心が掴めないままだった。 いや、掴めないというより、やはり男ってこんなものなのかな、と見たくない部分が見え隠れして、でも節子と同じように認めたくない気持ちがあったのかもしれない。 土屋視点の物語が読みたいと思った。
0255文字
り
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ひさびさに再読。 最後の最後、くらいました。
0255文字
コパ
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不倫についての物語だけれども読後感は不思議とスッキリしていて美しい。「精神を凌駕することのできるのは習慣という怪物だけなのだ」
0255文字
ky
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不倫の心理が見えてくる。男が憧れるのは裏屋根の美女よりもそれほど美しくなくても優雅な女のほう。いささかの曖昧さもない結合。この青年は同じ話を二度きいてやる労力をも厭うていた。習慣というものには嘘も本当もない。精神を凌駕することのできるのは習慣という怪物だけ。不貞を脅迫のたねにされた怖ろしい場面を切り抜けてここへ来てみると、世界はこんなに簡明な、わかりやすい形で存在している。私の苦しみ私一人きりのものだったのではないかしら。すべては私一人の上に起こった出来事。節子はこの手紙を出さずに、破って捨てた。
0255文字
ちはる
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ジャン・パトウのジョイ
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こばまり
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ねちねちした不倫ものだが、さしたる逡巡も推敲もなく、一気呵成に仕上げたような爽やかさがある。書いてる最中は楽しかったんじゃなかろうか。主人公節子よりも年若だった初読時には及ばなかった想像をしながら読む。
こばまり

よろめいてよし☆

09/07 21:13
しろねこちゃねこ

純文学だからヨシ!

09/07 21:27
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