背徳や官能を楽しみながらも最後まで穢れることのない無垢な節子が好き。現実感のない、おとぎ話みたいな感じ。土屋は悪い男だな。物語全体の耽美な雰囲気も良い。でもどうしてもむかつくのは、節子だけが2回もの墮胎を抱え込み、土屋は悪びれもしないところ。そういう時代だったのかもしれないが、本当にクソだし、土屋を殴りたい。現代の価値観を持ち込むのは野暮だなと思うけど。だから節子が最後に手紙を破いた時、That's my girl! と叫んだ。土屋にあんな扱い受けても、節子の気品は一切侵されていない。最後までエレガント。