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文明と戦争 (上)

感想・レビュー
31

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smatsu
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再読。本書は名著だと思うので今後も読み返したい。大きくは3部に分かれているが、第1部は人類が農耕を始める前の狩猟と採集の段階における戦争の有無、第2部は農耕開始から西欧中世の時代までの文明史的視点からの考察、第3部は近代以降の戦争の在り方について。第1部も興味深いが個人的には第2部が本書の一番特色のある部分ではないかと思う。農耕、牧畜の開始と定住化からいかにして国家社会が生まれていくかその過程を詳細にたどる。人口増加から資源の奪い合いが生じ、部族社会、首長制、初期国家へ至り、メソポタミアの都市国家へ…
smatsu

ヘロドトスが書いていたように、ギリシャ都市国家あたりの段階から戦争の形態は集団戦(ファランクス)になり市民が軍隊の中心となっていく。この軍事力の形勢が国家誕生において重要な意味を持つ。(奇しくもプラトン『国家』が書かれたのもこの時期で、ある意味ホットな話題だったわけだ)ギリシャだけでなくエジプトやマヤ文明なども考察対象となる。

01/26 22:00
0255文字
エジー@中小企業診断士
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執筆は1996年から2005年。米国同時多発テロが発生した時期だが本書の動機や議論には全く無関係と序文にある。なぜ人類は戦争をするのか。男性ホルモン、テストステロンにより明らかに男性は女性より攻撃的。人間の本性なのか、文化や農耕による富の蓄積が原因か。この議論はホッブズ対ルソーの対立的な主張が有名だが、考古学的な証拠によれば狩猟採集民の暴力による死亡率の高さはホッブズ的な捉え方が現実に近いと示す。食糧と性、復讐などの動機。人間の自然状態も他の動物と同様に結局は極度に不安定で暴力による死に満ちたものだった。
0255文字
Seele
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戦争という人間の活動がどこからくるものなのか、生物学、人類学、考古学、歴史学...その他横断的な学問領域の成果を踏まえつつ論じる。上巻は過去200万年前の生物としてのホモサピエンスの誕生から、狩猟採取生活、農耕と牧畜による部族戦争、古典国家の出現による軍隊まで。暴力が常に人の生活と共にあったことを明らかにしつつ、多角的視点で考察。
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アナクマ
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「戦争は最近になって現れた文化上の発明ではない」「危険で死を招く活動の背後にはどのような理由が存在するのだろうか」上巻半分までが第一部で、 ”未開“(農耕以前)の戦争について。以下目次から。◉なぜ戦うのか。動機(食糧、縄張り、水、住まい、原材料、性、支配、復讐、遊び、冒険、加虐嗜好、恍惚)。どのように戦われたか。このあたりがとくに興味をそそる。が、これは時間をかけてじっくり取り組まねば消化しきれないコッテリさ。
0255文字
hiyu
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結構読み終わるのに時間がかかった。自身の知識の乏しさが大きな要因を占めていた。ただ古来より戦争と無縁の世界はなかったということ。人類に限らず。
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てっき
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ネタバレ人類(文明以前)の誕生から戦争がどのように関連してきたかを考察する本。冒頭から中盤(概ね250p)に亘る狩猟民族における戦闘に関する考察は、歴史学ではなく生物学と人類学の領域であり、自分の様な人間には睡眠導入剤とニアイコールであった。しかし、自身中での通説であった農耕の発生に伴う戦争の発生、という考えが論理的かつ実証的に打破されていくのには膝を打つしかなく、ただただ読み込む価値があると判断できる一冊だった。中盤以降の文明の萌芽以降は人類史と同様に一挙に読書スピードが上がったのは一種のギャグかもしれない。
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たぬきオヤジ
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ルソーかホッブスか。高貴な野蛮人は正しいか。本書は人間は平和を愛するはずだという思い込みに警鐘を鳴らす。(戦争は不可避だとは言っていない。)人間が戦争に至る過程を紀元前から現代にいたるまでの歴史から、量的な絵ヴデンスを交えて説明する。
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smatsu
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真摯な姿勢で書かれた優れた研究書ですが非常に内容が濃く、記述に無駄も無いため飛ばし読みもできない。一通り読むだけでかなり大変です。戦争の歴史はほぼ人類史と同義だと思うので凄い仕事だと思う。1人の人間がよくこれだけの情報をまとめあげられるものだと感嘆します。上巻の内容は人類学と生物学、考古学的な視点から論ずる第1部と古代の部族社会から国家の発展の歴史を論ずる第2部の途中まで。一回読んだだけでは消化しきれないのでまたいつか時間を取ってもう一度ノートを取りながら読んでみたいと思います。
0255文字
鏡裕之
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狩猟採集民の頃から人間は戦争を行ってきたこと、都市のメインの役目が敵からの防御だったこと、戦争の大きな原因の一つが女性だったことなど、興味深いことが記されている。なんでこんなに深く面白い本に気づかなかったんだろうと猛省するくらいの一冊。下巻も楽しみ。
0255文字
takao
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ふむ
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absinthe
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ホッブス的世界観を支持している。戦争が始まったのは農耕開始以後ではなく、狩猟採集民も同様に戦争を行っていた。様々な都市国家で排水溝やら灌漑用とかさまざまに解釈されていた謎の遺構は、ほとんどが城壁であり攻撃への備えだった。狩猟採集から農耕、都市国家、帝国への進化の様子は異なる文化間で驚くほどの類似を示し、進歩のほとんどが戦争と関連していた。支配体制は様々あったが、その目的は戦闘集団の維持のやり方に深くかかわっていた。
absinthe

本作も暴力の人類史に劣らぬ大著でした。でもこれら著作は(暴力の…も含めて)情報量が多すぎて頭がマヒしてしまい、途中から情報の流入が止まってしまいます。何度か読まねばと思いました。下巻は少し後まで待とうと思います。

01/14 10:58
0255文字
K
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古来よりヒトは"生存と生殖"(資源と女)を巡って戦闘を繰り返してきた。生物学的に、社会的な種はヒエラルキーの中で上位であるほど、生存・生殖の確率が高まる。権力,名声,プライドを争うのはこれに起因する。また、防衛のための軍拡をするほど、逆説的に他の集団から脅威に見える。やがて軍拡競争に発展し、疑心暗鬼が火種となる。疑心の払拭のための友好条約は戦争を未然に防ぐ上で非常に重要である。愚かな政治家は、国民の人気を得るために愛国心を煽り、仮想敵国を設定する。周辺国に疑心を起こさせてしまえば百害あって一利なしだろう。
0255文字
ソノダケン
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上巻は進化論や人類学などを援用し、ヒトが原初から戦争マシンであることを立證。有り体に言って、戦争讃美の本だ。狩猟採集民の戦闘はえてして儀式的なハッタリで、甲子園みたいなトーナメント形式をとったりする。しかし均衡はときに崩れ、裏切りによる待ち伏せ攻撃や、夜間の奇襲などの戦術により大量殺戮がなされた。ではどうゆう条件で戦争マシンのスイッチが入るのか知りたくなるが、著者は「囚人のジレンマ」とか「市場の失敗」とか、話を逸らしてお茶を濁す。
0255文字
GASHOW
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文明が出来る前から人は戦い続けてきた。人になる前の類人猿の時から暴力はあった。集団が戦うことは人類にプログラミングされていたことなのかもしれない。
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鹿角
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ムズい。
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ひろし
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興味深い内容だったが、とにかく難しかった。人類史的な視点から人間にとって戦いとは何かを問うスケールの大きさと論証の緻密さに圧倒される。氏族における血縁の重要性、二次的動機としての支配欲、報復、名誉、神話化・宗教と戦争、防衛を目的に始まった都市化、馬の家畜化がもたらした牧畜社会による農耕社会への脅威、圧倒的な人口がもたらした帝国とその脆弱性。読みの浅かった部分が多いので、整理、再読したい。
0255文字
Curus Persia
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 本書の内容は、大変に読みにくい約四百頁を最後まで読ませしまう面白さがあります。たとえば、狩猟採取時代の人間の暴力による死亡率の多さの話や、都市が他集団による攻撃に対する防御目的で出来たことや、歴史的に都市国家が長く続かないことなど興味深い記述が沢山あった。
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くるくるまる
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印象的な箇所。①人間が宗教に投じてきた莫大なる費用と資源は無意味な浪費またはバグという考え方、一方、社会的結束力の醸成に宗教の主な役割があり防衛費用の一部と見なすべきという考え方もあり。(第3章 第3節)→後者に納得感があるな。 ②ホモ・サピエンス・サピエンスの登場により人間の進化は生物学的より文化的なものになった。(第8章 はじめに) →常に文化的進化の過程にいますもんね! でも、難しくて読むのにすごく時間がかかった、読み飛ばした箇所も多々あり…。とりあえず下巻に進みます。
0255文字
platoon
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戦争の思想史でも書いてあるのかと思ったらただの戦争史だった。しかも冗長・冗長&冗長
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秋浜立
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第1部が目からウロコの連続だった。同類殺しは人間だけの特徴ではない、全ての動物が同類殺しを行うということ。また狩猟社会は戦争が日常だったことなど。だけども、人間は霊長だということも確信した。そうでない世界を目指せるのも人間だと思うから。
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katsuya
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自然状態における人類はどういったものだったのか。ホッブズは「万人の万人に対する闘争」と説き、ルソーは基本的には人間は真に自由であると説いた。はたしてどちらが正しいのであろうか。断定することはできないものの、考古学的な証拠を見ると、農耕以前の単純狩猟社会ではなわばり、食糧、女性などを巡って常に闘いが起こっていたことがわかる。なんと成人男性の15%程度が争いによって死んでいるのだ。人間の自然状態が争いの無い理想郷だったとする人には複雑な事実だろうが、へそ曲がりの僕にはニンマリの結果である
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南禅寺の小僧
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・動物だって同種殺しをする。・狩猟採集民の殺人率は近代産業社会のそれの遥か上をいく。・攻撃性は先天的でありかつ選択的である。長い間、生存競争のの主たる手段では有り続けたために表層にあり続けたが、環境が必要としないならずっと出て来ないことも有り得る。・言語によってホモ・サピエンス・サピエンスは、血縁よりも大きな数の集団を作ることができるようになり、戦争に強くなった。・同種を攻撃することは通常、自身の損害も大きく、そのことが抑止として働くのだが、人間は道具を作るため高い第一撃能力を持ち、これが働かない。
南禅寺の小僧

・都市化は商業ではなく、防衛のために生じた現象であった。・騎馬軍団は長弓の発明を待つことなく、歩兵の密集隊形に完璧に破られることがしばしばあり、これによって「数」を揃えるために市民の兵役が必要となり、都市への集住が意思疎通と政治的な組織化を容易にしたことで権力構造が変化した。・ローマの覇権はなによりも市民権の拡大による、数の優位と、それを支える生産力によってもたらされた。

12/07 03:23
南禅寺の小僧

・都市国家が次第に近代以前の帝国へと接近するにつれ、戦争の規模も巨大化し、長期の軍事作戦は都市国家の自由農民や職人にとっては経済的破滅をもたらすものとなった。戦争はもはや市民が個人として参加していたものではなくなり、複雑な国家の事業となり、職業軍人の手のものとなったのである。

12/07 03:25
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tanukiarslonga
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人間は大昔から戦争をしてきたことがこれでもかというくらい書いてある本
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キミ兄
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難しく書きすぎでしょう。☆☆☆。
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麒麟
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大昔の戦争がどのようなものだったか、また、近代・現代の戦争と比較した結果について、世界史を縦横に行き来して論証している。 最近の戦争のほうが死傷率が低いというのは驚きだった。
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onepei
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視点を変えて論考は進む。本の厚さと自分の集中力のなさをぼやきながら下巻へ。
0255文字
Kazuyuki Koishikawa
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原初社会は平和で平等な社会ではなく、常に闘争と殺人にあけくれていた社会であったという所に感動すべきなんだろうが、原初期の国家形勢などの話の方が興味深い。
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畝傍
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採取生活から集権化の流れと、それが軍事的脅威によるものであったとの説明。原始共産制が幻想であり、政府という強力な暴力集中装置がない場合の危険性はスティーブン・ピンカーの『暴力の人類史』等でも論じられており、先般読んだばかりだったので理解をよりし易い。
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