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1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74)

感想・レビュー
33

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安藤 未空
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「アジア通貨危機」が何だったのか、その詳細が知りたくて読んだ本。読んだ目的は十分に果たすことがでたと思っている。加えて、多少の経済知識を身に着けることはできたと感じた。 けれども、この本の後半部分は、経済素人には結構、難しい内容だった。「ナイトの不確実性」を理解するところまでが私にとっては限界。もう少し経済を理解できる基礎知識をつけたい。
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富士さん
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1997年の危機以降、日本の実質賃金は下がり続けています。個人のバブル崩壊は1991年ではなくて1997年なのではという思いがあり、ズバリの題名に惹かれて手に取りました。直接賃金の話はないですが、この時代以降、流動性を選好する傾向が強くなったという指摘に惹かれました。人への投資は流動性の低い投資の最たるものだと思います。人材として資産を保持するなんて「もったいない」、どんなに儲かってもより現金化しやすいもので蓄えたほうがよい。そんな心性が以降日本に根付いていたとしたら、確かに給料は増えないよなと思います。
富士さん

本書でもそうですが、まともな経済学者は経済そのものを対象に議論するのではなく、経済への人々の認識を対象としているのだと最近気づきました。当然経済政策も、人々の感覚にアプローチするものであるということです。減税したから可処分所得が増えて自動的に景気がよくなるのではなく、負担が減れば生活が楽になるだろうという気持ちが消費を誘って景気をよくすると考えるのです。逆にどんなに収入があっても、将来が不安なら景気はよくならないということです。このふたつの経済観はまったく違うものだと思います。

10/02 17:35
0255文字
ゆきんこ
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224
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レイノー
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2007年刊行。著者は慶應義塾大学経済学部教授。◇図。 ◆1997年、本書刊行を遡ること10年前。私の読破時点からは四半世紀前になる。経済に関して言えば、97年問題の後も、リーマン・ショックやユーロ危機など様々な問題が発生し、そのたびに世界経済は翻弄された。ただ、著者は97年問題が、それまでの潮流を一変させた意味で画期だと見做している。具体的には、①IMFへの信頼性が失われ、それが世界(特に途上国・新興国、就中、東南アジア)標準になった(対米信頼から不信へ。さらに後年に生じた中国への信頼への転機かも)。
レイノー

◇①IMF不信(スティグリッツも承認していたかな)の意味。米国財務省・連邦準備制度理事会の思惑に左右されすぎ。メキシコ危機の支援に激怒した米国議会を慮り、アジア通貨危機対応には積極性を欠く。◇東アジア通貨危機は流動性の危機であり、逃避資金分の別途注入が必要。ところがIMFは返済能力の危機と誤読し、構造改革・制度改革で返済能力の長期的な回復を目指した。しかも返済能力の向上とは無関係な制度改革も要求(ただしこれは東南アジア各国の政治的自由・精神的自由の顕著な制限を露わに。この問題意識自体は間違っていない)。

01/28 02:51
レイノー

◇②国際資本(海外資本)で経常収支の赤字を埋めることは、(逃げ)足の速い資本に依存し過ぎることになり危険。行動経済学的に言うならば、非合理的な悲観論に支配されてしまうから。◇③理論が現実に克ち過ぎるフリードマン(「不確実性」を認められない。認めると彼の経済理論が破綻する)の害悪が見て取れる(著者は敬意を払っているようだが、所詮、フは悪い意味での理論屋)。

01/28 02:52
4件のコメントを全て見る
0255文字
AM
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マーケットがクラッシュ中の今。過去にヒントを求める意味でナナメ読み。不確実性が利潤を生む源泉であると同時に金融危機を巻き起こす種にもなるとナイト理論を用いて説いています。さしずめ今回はAI、ビッグデータ、クラウドなどの言葉に代表されるテックスタートアップのブームと、AIによる取引プログラムの高速化によるボラティリティの高まりと、全てのマーケット参加者が最適な行動をとることによる一方向への過度な集中が招いた事態なのかなと思いました。処分したポジションを買い戻すのにはまだ若干早そうです。
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がっくん
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ナイトの不確実性をキーワードにして、アジア金融危機の発生原因を解説した本。ナイトの不確実性について学びたい人におすすめ。
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amazon_AXON7
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リーマンショック前に書かれた内容が示唆に富む
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KAZOO
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竹森先生の世界経済論の本は非常にわかりやすく、あまり多く書かれていないのですがほとんど読んでいます。最近はあまり書かれていないようなのですがこれは2007年に10年前のことを書かれたものです。第2章御フランク・ナイトの不確実性という副題で書かれているところが参考になりました。
0255文字
shusseuo
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再読。以前読んだのはリーマンショック後の不況の頃で、当時の世論はグリーンスパン批判が多かったように記憶していますが、今、日銀にせよECBにせよその金融政策の考え方はFRBに寄せてきているのではないでしょうか。非伝統的な政策ほど効能が見通せない分「真の不確実性」が大きくなり、それがパカッと口を開けた時のインパクトは計り知れないものになるのでしょう。終章で紹介された「バブルは起きるし人間はそれに学ばない」との言葉通りアジア通貨危機やサブプライム危機とは別の形で次の危機はいずれ来るのだろうなと。
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Masayuki Shimura
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[内に外にと翻弄の年]現実に何が起きたかという世界と、その背後にある理論の世界を行ったり来たりしながら1997年という年を眺めていく手法はお見事。「ナイトの不確実性」という言葉は本書で初めて目にしたのですが、その考え方が近年の金融危機とどのように関わり合っているか、そしてどれほど大切かが丁寧に記述されており、数字関係に弱い自分にも「なるほど」と思わせてくれる作品でした。
0255文字
井上
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長期にわたる内外の株式相場の活況が続いているが、歴史は繰り返す。今、あえて1997年のアジア通貨危機や日本の平成金融恐慌の原因について理解を深めておくことは、近い将来起こるであろう経済危機に個人投資家としてどのように対処すべきかを考えるうえで参考になると思われる。
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すのす
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竹森氏の本二冊目として読了。アジア通貨危機等で国際金融でも節目だった1997年の情勢やそのときの各国の対応について、F・ナイトの「不確実性」概念をキーにしつつ、論じた本。ナイトの議論をさくっと紹介する本当しても有用だし、アジア通貨危機の対応後の住宅市場でのサブプライムローン問題にも触れている(出版されたのがサブプライム危機が騒がれ出したころだからというのもある)あたり、流れで整理できる。バブルは事後的にしかバブルだとわからず、ゆえに事後的な対応が大事というのも、経済学の難しいところだとしみじみ感じた。
0255文字
佐島楓
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いわばグローバル経済の最初の衝撃であったアジア通貨危機。日本の金融危機との関連性を見、この段階で何等かの手が打てていれば平成不況もこれほど長引かなかったのでは・・・との思いを新たにした。「歴史は繰り返す」という終章の題は形を変えつつもその通りになってしまっている。
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KJ
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経済の歴史を振り返る時、危機の代名詞の様に語られるのが「1997年」という年だ。この年を契機に人々の心理が大きく転換する。危機に瀕すると、人は非常に保守的になり、より安全なものを求める。金を使う事より守る事を優先し、結果経済はさらに萎縮していく。まさにマインドによって経済はうねる。だからこそ政府の役割が重要になる。世間が引いている時には出て、出ている時には引く。冷静に状況を見極め、果敢に行動を起こす事が必要だろう。経済は「不確実性」に満ちている。不確実なものに対してどう振る舞うかが、その後の結果を決める。
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suzuki hirokazu
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経済の歴史のキーポイントである1997年とナイトの不確実性がとても分かりやすく書いてあってすっと理解できた。本当の不確実性に賭けることができるのは自信過剰な人たち。
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西條風太郎
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教訓に満ちた1997年。タイのバーツ危機に始まる1997年のアジア通貨危機を軸に、そこから学べる金融危機に関する教訓を論じている。話の上手い先生で、文章は平易で要領がよく、しかも楽しい。しかし内容は濃い。前提知識として必要なナイトやフリードマン、ハイエクなどの学説を端的に説明した後、実際に採られた金融政策や政策担当者の哲学を説明する。金融危機に関わる政治上の問題なども実際の事例を追いながら語られていく。不確実性と流動性の危機が話題の中心。名著。ベイルアウトとベイルインの違いなどは日本人なら知っておくべき。
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okaching
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1/13面白かった。経済の一つの見方を教えてもらった気分。経済無知の自分にとっては、ナイトの不確実やその歴史等、新鮮でわかりやすく面白かった。
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No name
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いやーこれは面白かった。不確実性の議論を実際の事象を踏まえて行なっていて、経済危機のことがぱぱっと頭に入ってきた。良書。
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complexmachine
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シカゴ学派、ナイト、ハイエクなんかを交えながら、経済危機の解説を行う。不確実性の論議を実際の危機とあわせて語られる為、非常に面白い。
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Naota_t
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2010/12/17
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jdrtn640
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「ナイトの不確実性」に惹かれて。文章もこなれてて、良書だと思う。1997年前後の日本・東アジア・アメリカの状況説明と「ナイトの不確実性」にまつわる経済理論とのバランスも良い。グリースパンの評価が甘めなのは、少し気になった。ただ、タイトルに「不確実性」ぐらいは入れたほうが良かったのでは?
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numainu
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評価B
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ango28
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元々竹森さんには好感を抱いていたが、この書では教育者としての語り口に愛情さえ感じられる。アジア通貨危機に端を発するこの時代の経済とその理論を知りたければ真っ先に読むべき良書。新書でありながら、一年の間に第四刷まで発行されているのは当然なのかもしれない。時間を掛けて丁寧に大切に読みたくなる一冊だった。
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kentaro
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★★★☆☆ 経常赤字を、資本輸入で埋める高リスク成長戦略。投資対象が不動産や株式の偏りかつバブル状態へ。バーツの空売り⇒買支えしきれず破たん。ロシア債務不履行⇒LTCMの破たん。バブル後回復基調にあった日本経済に橋本内閣の緊縮財政とアジア危機が追い打ち。日本のアジア輸出不調へhttp://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/ca928c5e2c06713858a13dab7a1fe219 http://okwave.jp/qa/q4228031.html
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はるわか
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1997年東アジア通貨危機は一過性の「流動性の危機」-以後東アジア新興工業国で投資率の落込み・流動性選好の高まり・外貨準備の積増し、ナイトの不確実性-確率分布を推測できる不確実性(リスク)とできない不確実性(真の不確実性)、不確実性と対決する報酬として企業家に利潤、世界は「不確実性」に包囲され「合理性」の成立しない領域では「強気」または「弱気」の心理が人間の行動を支配する、90年代以降「過度の楽観」と「過度の悲観」が交差、「質への逃避」「流動性への逃避」同じこと、ベイルイン(集団交渉条項)とベイルアウト
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ジジ
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今回の金融危機に向けて微妙に世界が狂いだしたのはこの頃からではないでしょうか。IMF、世銀は必要なのであろうが在り方というものが深く議論され同じ間違いを繰り返す事がないようになってほしい。
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おっしょう
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★★★★☆(4.0) 97年の金融危機の事情は完全に理解できなかったが、「ナイトの不確実性」の理論の話はとても興味深かった。
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えいとまん
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竹森俊平氏の本はこのほんで2冊目。 ナイトの不確実性』のことをこの本から知り、私にとりとても新鮮な考え方であった。  1997年からのアジア通貨危機のことも再認識し歴史の裏事情もわかった。  より理解を深めたい気になり2回読み返した。この本は売らずにもう少し読み込みたい。
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ottohseijin
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「ナイトの不確実性」のナイト自身は、不確実性をとることのリターンはマイナスであろう、不確実性にかけるような人間は自信過剰に決まってる、というようなことを言ってたというのは興味深いですね。
0255文字
ピオネール
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アメリカ発金融危機と1997年のアジア通貨危機を重ねて原因を論じた本
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tal9
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不確実性関連
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