形式:文庫
出版社:文藝春秋
そして本書所収の帝銀事件も読み終えて、一回本書を閉じて本棚に戻そうかと思った頃、妻から福岡旅行への誘いが。咄嗟に思い付いたのは小倉の松本清張記念館の存在。今読んでる本との偶然?必然!その話のった!ということで旅のおとも本は本書に。博多駅までの車中や機上内で、あるいは小倉へ向かう特急列車内で時折車窓から北九州の町並みを眺めながら「支払い過ぎた縁談」「生けるパスカル」を読んだ。記念館では入れ子構造のように住居家屋をまんま展示されてるのに驚いた。大作家らしい書斎と図書館並みの書庫を目の当たりにした時なぜか──
寂寞としたものを感じた。中には入れないが本棚の種々な書籍から当時の徹底した取材を垣間見た気がした。旅行から帰ってきてからは旅の余韻そのままに「骨壺の風景」を読む。ありし日の松本清張とその家族を思わせて、宮部氏が記述した通り私も亡き祖母のことを懐かしみ感慨深くなった。後日、NHKBSの帝銀事件のノンフィクション番組を視聴。本書所収のとは切り口が多少違う部分が面白く、特に旧陸軍の731部隊への取材やら証言から浮かび上がる暗躍とか。
自伝と思しき「骨壺の風景」は切ないけれど非常に良かったです。日本の黒い霧「帝銀事件の謎」は文句なしにおもしろいし、労働組合で行き過ぎた行動に走る「鴉」も最後までハラハラしました。デビュー作の西郷札もおもしろいし、山にぼたぼたと火が灯る様子が浮かぶ「火の記憶」は映像的なおもしろさがありました。印象に残ったのは「菊枕」です。ぬい女というのは杉田久女だったんですね。一人の女が精神を病む過程がつらいのですが、朝顔枕にはもらい泣きしてしまいました。久女の評伝、田辺聖子の「花衣ぬぐやまつわる」を読みたいです。
この三冊もおもしろいですが、海堂尊、桐野夏生、宮部みゆきの傑作選もいいですよ。
ふじさんこんばんわ。コメントありがとうございます。読んだ本より読みたい本が二倍速で増えていきます。困ったもんです、
宮部みゆき氏の清張愛が溢れる本作シリーズが好きでした。時々、話の展開や結末に無理がある作品も有りますが、ご愛嬌ではないですかね。本格ミステリーのパイオニアですから😁
このシリーズはいいですよね。若い人も是非読んでほしいです。
ふじさん様 コメント有難うございます。 本当に良い作品は時代関係無く、若い方にも読んで欲しいですね!
さもあらん。
宮部みゆき合わないかも(p_-)
おかさん、お気に入りありがとうございます!^_^
骨壺の風景:祖母についての自伝的な短編。別の作品に出てきた「ばばやん」や「まぶってやる」女中先に訪ねてきた孫が物を食べて冷たいあしらいを受ける等が祖母と清張のエピソードだったらしくて驚く。(そういや、そちらの作品でも父親はろくでなしだった。ただ、そこの子供は……だったからなぁ^^;) 帝銀事件の謎:松本氏はこの事件に本当に入れ込んでいたんだなぁ。小説帝銀事件も読んでみよう。
あっという間に下巻まで読み終えてしまいました。この下巻では第八章「権力は敵か」の「帝銀事件の謎」、「鴉」が共に面白かったです。「帝銀事件」は名前とどんな事件だったかを簡単に知っているくらいでしたが これを読んで随分、奇怪なものだったんだな~と思いました。毒を飲まされた銀行員になるかもしれないし、犯人として逮捕された男のようになるかもしれないというのは納得です。「鴉」は、終盤のある人物の苦悩から、こういう結末になるのか!と驚きました。
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そして本書所収の帝銀事件も読み終えて、一回本書を閉じて本棚に戻そうかと思った頃、妻から福岡旅行への誘いが。咄嗟に思い付いたのは小倉の松本清張記念館の存在。今読んでる本との偶然?必然!その話のった!ということで旅のおとも本は本書に。博多駅までの車中や機上内で、あるいは小倉へ向かう特急列車内で時折車窓から北九州の町並みを眺めながら「支払い過ぎた縁談」「生けるパスカル」を読んだ。記念館では入れ子構造のように住居家屋をまんま展示されてるのに驚いた。大作家らしい書斎と図書館並みの書庫を目の当たりにした時なぜか──
寂寞としたものを感じた。中には入れないが本棚の種々な書籍から当時の徹底した取材を垣間見た気がした。旅行から帰ってきてからは旅の余韻そのままに「骨壺の風景」を読む。ありし日の松本清張とその家族を思わせて、宮部氏が記述した通り私も亡き祖母のことを懐かしみ感慨深くなった。後日、NHKBSの帝銀事件のノンフィクション番組を視聴。本書所収のとは切り口が多少違う部分が面白く、特に旧陸軍の731部隊への取材やら証言から浮かび上がる暗躍とか。