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宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション 下 (文春文庫 ま 1-96)

感想・レビュー
73

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Chako@(旧名:かど =^ェ^=)
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私の本棚にある積読には山田風太郎ミステリー傑作選が(絶版になって久しい)数冊控えていて、持ち主に読まれるのを今か今かと待機している。その数冊の内の補遺篇に下山総裁という短編が収録されている。補遺篇というだけあって、編集作業の都合上どの分類にも当てはまらない作品の寄せ集めという感じがあるが、大作家·風太郎氏のミステリー界隈の仕事をこれ一冊で、ある程度俯瞰できそうである。だが私はこの短編を読むことに躊躇した。実際にあった事件をモチーフとしてそこに風太郎氏の想像が加味されてるだろう。それを読む前に…↓↓
Chako@(旧名:かど =^ェ^=)

そして本書所収の帝銀事件も読み終えて、一回本書を閉じて本棚に戻そうかと思った頃、妻から福岡旅行への誘いが。咄嗟に思い付いたのは小倉の松本清張記念館の存在。今読んでる本との偶然?必然!その話のった!ということで旅のおとも本は本書に。博多駅までの車中や機上内で、あるいは小倉へ向かう特急列車内で時折車窓から北九州の町並みを眺めながら「支払い過ぎた縁談」「生けるパスカル」を読んだ。記念館では入れ子構造のように住居家屋をまんま展示されてるのに驚いた。大作家らしい書斎と図書館並みの書庫を目の当たりにした時なぜか──

11/24 13:07
Chako@(旧名:かど =^ェ^=)

寂寞としたものを感じた。中には入れないが本棚の種々な書籍から当時の徹底した取材を垣間見た気がした。旅行から帰ってきてからは旅の余韻そのままに「骨壺の風景」を読む。ありし日の松本清張とその家族を思わせて、宮部氏が記述した通り私も亡き祖母のことを懐かしみ感慨深くなった。後日、NHKBSの帝銀事件のノンフィクション番組を視聴。本書所収のとは切り口が多少違う部分が面白く、特に旧陸軍の731部隊への取材やら証言から浮かび上がる暗躍とか。

11/24 13:07
3件のコメントを全て見る
0255文字
ふじさん
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久しぶりの再読だが、やはり面白い。宮部みゆきが選んだ松本清張の傑作短編の最終巻。昭和史の謎に精力的に取り組んだ清張が、権力に翻弄され人間を見事に描いた「帝銀事件の謎」「鴉」は読み応え十分。特に、「帝銀の謎」は、今回読んでも驚きの連続、清張の識見の高さに脱帽だ。「生けるパスカル」は、少し難しく読み易くはないが、彼の思いが強く感じられて面白かった。「骨壺の風景」「火の記憶」は、しんみりとした味わいのある作品で良かった。「支払い過ぎた縁談」「西郷札」「菊枕」も、違った趣があり、読めた。清張を存分に堪能できた。
0255文字
sakwai
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ネタバレ宮部サンのガイドのおかげで清張短編を堪能できる充実の三冊。犯人や殺害方法を謎とするいわゆる本格ミステリではなく、犯罪に導かれる人間の心の闇を気持ち悪いほど周到に描く言わば広義のミステリ。気楽に読み流せるほど薄っぺらくもなく構えてしまうような堅苦しさもなく、何と言うか物語の込み入り加減がちょうど良くて読み始めたらどっぷりはまれる充実の読書時間を過ごせる。「生けるパスカル」で羽虫を執拗に絵に塗り込めるシーンのみ、伏線としてはあまり上手とは言えないような気がするがどうか。殊更ここは事件に関係ないですと断るのも。
0255文字
pepe
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帝銀事件の推理など冴え渡る思考。西郷札など歴史に題材をとった過去の謎を追う展開は引き込まれる。
0255文字
たつや
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最近、アガサクリスティーにはまっていたが、落ち着いてきたので、触手を伸ばす手を日本のミステリー作家、松本清張に少し伸ばす。子供の頃、映画やドラマで映像化されていたのは知っていたが、ほぼ、読んだことはない、本書は宮部みゆきさんが選んだ短編集。他にも松本清張賞受賞作家が選んだ作品も収録され、計約九篇はどれも重厚で、入口としては良いシリーズだと思えた。正直、時代遅れだと思っていた自分の頭を張り倒してやりたいと、読了後は思った。松本清張は凄いですね。
0255文字
夏子
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松本清張に興味はあるけど余り読んでこなかった私には最適な一冊でした。ミステリー短編も勿論面白かったし、帝銀事件の謎に迫ったノンフィクションもワクワクした。
0255文字
のほほん
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最後9章は清張賞受賞作家の好きな作品とその理由です。岩井三四二さんが清張作品は「救いのない話」が圧倒的に多いと書いています。という訳で「救いのない話」が多く並んでいます。いろいろな 嫉妬を読ませてくれます。「支払い過ぎた縁談」は私にも結末が分かるくらいの軽やかな話です。「帝銀事件の謎」は帝銀事件の真相を探ります。「鴉」は自分のアジに自分で酔ってしまった哀れな男の話です。「西郷札」は西郷札で一儲けを目論む話です。嫉妬の気持ちが芽ばえると心に闇が広がるみたいです。『嫉妬はこわい』肝に銘じました。自戒をこめて。
0255文字
おとん707
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「支払いすぎた縁談」はありそうな詐欺話。「生けるパスカル」は哲学的で硬派な中編。ただ犯行の詰めの甘さが気になる。「骨壺の風景」は清張の自伝。育ての親は清張の成功を見届けたのか気になる。「帝銀事件の謎」で清張は平沢貞道は冤罪で真犯人はGHQが揉消したとみる。真相究明は今でも必要だと思う。「鴉」は組合闘争全盛期の明暗。委員長が出世するってあったな。「西郷札」は犯罪か?馬鹿を見た人間はいるが雄吾はなぜ罪を問われるのか。「菊枕」のぬいみたいな面倒な女性はいるなあ。「火の記憶」の余韻が堪らなく良い。これで3巻完結。
0255文字
みかん
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完走!!!元々読んでた話だけど「菊枕」と「火の記憶」が好きだな~~
0255文字
しょすたこおびち
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2023年1冊目。帝銀事件のドラマを見て再読。
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あったろう
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一気に読み終えた。全体を読み通しての感想として宮部さんとかなり好みが似ていると感じました。短編作品で手軽に読めるので今後も折に触れて目を通したいと思います。
0255文字
jima
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「生けるパスカル」「西郷札」「火の記憶」などたんぺん8作品。
0255文字
hoco
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上巻と下巻は対をなしているかも。タイトルの妙として選ばれた3作はマイフェイバリット(裏)じゃないかしら。矢沢という身勝手な男には軽侮しかないけども「生けるパスカル」はとてもおもしろくて、男性版「一年半待て」として読めば計画を遂行する女の強かさに恐れ入るし、精神を病んだ妻をもつ美術家という点では「菊枕」の圭助の愛情深さが引き立つし、苦境にたつ芸術家としては「真贋の森」の宅田の方が職人的であったと思ってしまって、何もかも中途半端な男の悲しさを感じてしまいました。「松本清張賞受賞作家に聞きました」が面白い。
hoco

自伝と思しき「骨壺の風景」は切ないけれど非常に良かったです。日本の黒い霧「帝銀事件の謎」は文句なしにおもしろいし、労働組合で行き過ぎた行動に走る「鴉」も最後までハラハラしました。デビュー作の西郷札もおもしろいし、山にぼたぼたと火が灯る様子が浮かぶ「火の記憶」は映像的なおもしろさがありました。印象に残ったのは「菊枕」です。ぬい女というのは杉田久女だったんですね。一人の女が精神を病む過程がつらいのですが、朝顔枕にはもらい泣きしてしまいました。久女の評伝、田辺聖子の「花衣ぬぐやまつわる」を読みたいです。

02/21 20:20
0255文字
かっこちゃん
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ネタバレ上巻にあった「西郷札」を読みたくて、中巻飛ばして下巻を読んだ。支払いすぎた縁談も、生けるパスカルも、賢そうで、何処か自分本位の愚かさが心に残る。帝銀事件の謎と鴉は、有りそうで、それ故、あまりにも重く感じた。松本清張賞受賞作家にききました。は面白い企画だった。特に、横山秀夫氏の地方紙を買う女もどきを書いてみるが面白かった。本編の3短編。花衣脱ぐやまつわる紐色々の杉田久女をモデルにした様な菊枕も、炭鉱のぼた山の真赤な火を見た情景の火の記憶も、どんなイッテを打ったのか最後の策が気になる西郷札も良かった。流石です
ふじさん

この三冊もおもしろいですが、海堂尊、桐野夏生、宮部みゆきの傑作選もいいですよ。

09/29 16:44
かっこちゃん

ふじさんこんばんわ。コメントありがとうございます。読んだ本より読みたい本が二倍速で増えていきます。困ったもんです、

09/29 20:05
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のんの
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ネタバレ印象に残ったのは、『生けるパスカル』と『西郷札』。『生けるパスカル』の方は、自分が妻に苦しめられる可哀想な僕みたいな主人公だけど、自分の浮気が原因だし、自業自得じゃん。空き時間に絵を描いて、犯罪がバレるとか、普通考えたら、わかるだろうに…『西郷札』はタイトルだけは、何度も耳にしたことがあったが、読んだのはこれが初めてだった。結局、どういうオチになったんだと、気になって読んだ日の夜はなかなか寝付けなかった。
鶏豚

宮部みゆき氏の清張愛が溢れる本作シリーズが好きでした。時々、話の展開や結末に無理がある作品も有りますが、ご愛嬌ではないですかね。本格ミステリーのパイオニアですから😁

08/13 13:09
0255文字
geshi
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『支払いすぎた縁談』ラスト2行の石包丁に込められた激情の味わい。『生けるパスカル』矢沢に同情する夫たちに向けての犯罪小説。緻密と簡易が妙なバランス。『骨壺の風景』位牌と共に辿る祖母の人生は確かな存在感。『帝銀事件~』平井無実説までは論理的だけど第731部隊だすのは陰謀論。『鴉』浜島の性格的裏打ちを丁寧にやってからの理屈というオチの切れ味。『西郷札』男達の欲と嫉妬が行動で描かれるから余計ドロドロ。『菊枕』ぬいの感情と対比し圭助が己を消していて逆に印象に残る。『火の記憶』火の山の情景が実にインパクトある。
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栄吉
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★★★☆☆ シリーズ最終巻。「火の記憶」が良い、他のお話しは女性がヒステリック過ぎて凄いなぁ。
ふじさん

このシリーズはいいですよね。若い人も是非読んでほしいです。

01/12 09:05
栄吉

ふじさん様 コメント有難うございます。 本当に良い作品は時代関係無く、若い方にも読んで欲しいですね!

01/14 16:12
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majimakira
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読書から離れる罪深い時間が続いてしまい…かなり時間が経ってしまったが、このコレクション上下巻を読了し、数多くの作品の魅力に浸っている。下巻では漸く触れた「西郷札」を非常に興味深く読み、また「火の記憶」で、目の前に炙り出されるかのような「ボタ山」の火と主人公の生い立ちを包む重苦しい記憶の情景を印象深く味わった。松本清張賞受賞作家たちの稿もなかなか楽しい。これからも自分の読書機会の折々を彩るであろう松本清張作品、今回このような試みで編まれた短篇作品集に触れたひとまとまりの受け身の時間は、とても心地良かった。
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巨大猫 デブ猫 fatcat
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イマイチでした。
ルチル

さもあらん。

06/26 18:19
巨大猫 デブ猫 fatcat

宮部みゆき合わないかも(p_-)

06/26 20:47
0255文字
つじさん
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「帝銀事件の謎」を読んで恐ろしくなる。今でも冤罪は亡くなっていない。権力者の力を思い知る。森友学園・加計学園問題も権力者が真実を隠蔽。裏表のない、人に真実を語れる権力者は現れないのか?
0255文字
まさ☆( ^ω^ )♬
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上・中・下巻と読み進めて来て、すっかり清張ファンになってしまいました。どれも面白いし、当時の時代背景等も興味深く、まるで歴史の勉強をしているかの様な気分になるものもあります。Kindle版で短編集を纏め買いしたので、ちょいちょい読んで行こうと思います。勿論、長編の名作も積読本に控えてるので、楽しみは続きます。
0255文字
かっぱ
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ネタバレ短編集なので、途中に他の本を挟みながら時間をかけて読んだので、最初の方の作品の印象が薄れてしまったが、自伝的な作品「骨壺の風景」は印象的。後半収録の「西郷札」、「菊枕」、「火の記憶」がいい。「松本清張賞受賞作家にききました」にある横山秀夫さんの「『地方紙を買う女』もどきを書いてみる」もおもしろかった。「西郷札」は既読だったのに、かなり忘れていたので再度、楽しめた。義弟に諮られた男のとった最後の策とはどんなものだったのだろう。
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とめきち
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『骨壷の風景』 この短編を読んで清張さんをますます好きになりました。清張さんが、ばあちゃん子だったのがすごく伝わってきました。「きよさんや、わしがお前をまぶってやるけんの!」というばあちゃんの言葉が印象的でした。清張作品は、怨恨、金銭欲、愛欲による殺人がテーマになり、おどろおどろしい話ばかりにも関わらず、書いてる作家本人はこんなにも人間味があるとは思いませんでした。作品だけでなくそれを書いてる作家本人をここまで好きになったのは初めてです。一生かけて、清張作品は全て読み尽くしたいと思っています。
0255文字
enjosam
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西郷札だけ読んだ
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午睡
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松本清張の作品に、数少ないが自伝的小説があることはよく知られ、そのすべてを読んでいるつもりだったが、この「骨壺の風景」は知らなかった。『私は、小さいときから他人のだれからも特別に可愛いがられず、応援してくれる人もなかった。冷え冷えとした扱いを受け、見くだす眼の中でこれまで過ごしてきた。…が、とくにひどい落伍もしないで過ごせたのは、祖母がまぶってくれているようにときどきは考えたりする』という独白は、松本清張がめったに人に見せない心情の吐露であるだけに胸を打つ。そして失われた骨壷の重さを思う。
0255文字
おか
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上 中巻と同じで 宮部さんの前口上が まず良い( ◠‿◠ )そして 今回は松本清張賞を受賞された 山本兼一氏、森福都氏、岩井三四二氏、横山秀夫氏が清張作品のどれが好きかという質問への回答もとっても面白い( ◠‿◠ )そして 本家本元の松本清張作品 は流石の宮部さんチョイスです。最後に出てきた「西郷札」「菊枕」「火の記憶」は やっぱり好きな作品です*\(^o^)/*
たか

おかさん、お気に入りありがとうございます!^_^

02/22 13:45
0255文字
Washoe Takumi
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"女の気持はそんなものであろう。" (p455)
0255文字
二人娘の父
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夏の終わり。松本清張に触れて思うことはいろいろ。人生とは…。うーん。
0255文字
yszk
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 宮部氏編による短篇アンソロジー最終。既読が何編かあったので初読の分。  生けるパスカル:作中の元ネタ小説(生きていたパスカル)読んでみたい。検索したところ、実際はここに引かれているのとはかなりニュアンスが違う作品らしい。主人公、女性との遊び方が薄汚い。そりゃ嫁も気が狂うよ。ここまでおかしくなると危険だけど主人公に同情できない。まあそのために主人公の内面を延々書いているのだろう。 トリック→解決部分はうまく作ってあるなぁ、という感じ。
yszk

骨壺の風景:祖母についての自伝的な短編。別の作品に出てきた「ばばやん」や「まぶってやる」女中先に訪ねてきた孫が物を食べて冷たいあしらいを受ける等が祖母と清張のエピソードだったらしくて驚く。(そういや、そちらの作品でも父親はろくでなしだった。ただ、そこの子供は……だったからなぁ^^;) 帝銀事件の謎:松本氏はこの事件に本当に入れ込んでいたんだなぁ。小説帝銀事件も読んでみよう。

05/28 16:26
0255文字
黒豆
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ネタバレ掲載作品の内「帝銀事件の謎」は、事件の検証の中で犯人とされる平沢貞通とは異なる犯人像が合理的で説得力ある事が理解できる、それでは真犯人は?これは永遠の謎か? 一読すべき歴史かと思う。松本清張さんが書かずにおれなかった、宮部みゆきさんが選ばずにおれなかった事が理解できる。その他、「生けるパスカル」なども独特展開で興味深かった。
0255文字
あきちゃん
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やっと三冊読了。濃厚で読み飛ばせないモノが感じられなんかいろいろ持ってかれた!?(笑)先日清張資料館で帝銀事件などの“黒い霧”関連フイルムを見ていたので、興味深く読みました。でも清張作品は心身ともに余裕があるときにがっつりと取り組みたいな。
0255文字
みちくさ
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宮部みゆきが編んだ松本清張短篇集。あー面白かった。人間の業や闇や嫉妬を取り巻く人間描写がすごかった。短篇だけどとても濃い。清張入門にも良さそう。
0255文字
緋莢
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ある土地の旧家の娘には、なかなか良い縁談がなかった。周りが次々と結婚していき焦る中、良い男性が現れるが・・・「支払い過ぎた縁談」など、絶妙なタイトルの3篇、権力に翻弄される人々を書いた2篇、さらに横山秀夫ら松本清張賞受賞作家が推薦する3篇の計8篇と宮部みゆきの解説を収録した傑作選シリーズ最終巻。
緋莢

あっという間に下巻まで読み終えてしまいました。この下巻では第八章「権力は敵か」の「帝銀事件の謎」、「鴉」が共に面白かったです。「帝銀事件」は名前とどんな事件だったかを簡単に知っているくらいでしたが これを読んで随分、奇怪なものだったんだな~と思いました。毒を飲まされた銀行員になるかもしれないし、犯人として逮捕された男のようになるかもしれないというのは納得です。「鴉」は、終盤のある人物の苦悩から、こういう結末になるのか!と驚きました。

11/17 18:46
0255文字
ソラキオ
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全3巻の短編集のうち、この下巻が一番好み。どの作品も人の業と悲しみが織り込まれている。近く長編も読んでみます。
0255文字
ミカ
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ネタバレ「鴉」と「菊枕」それから「『地方紙を買う女』もどきを書いてみる」が面白かった。「鴉」の主人公浜島のひがみ根性、荒んでいく姿に作中の周りの人同様終始冷たい感情で眺めるように読んだ。心理を描くのも巧いが、読者が普段抑えている黒い感情を開放するのも巧いなぁと思う。「菊枕」の主人公も“こんなはずじゃなかった”という感情に占められててキツい。また見いだしたものにすがり付く姿は恐怖だが、こちらは同情というか痛々しさを感じる。同性だから甘いのか?読了したので黒い感情はしまい込みます(笑)
0255文字
でりこ。
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狂気を孕んだ女性の「生けるパスカル」と「菊枕」が印象的。 「鴉」の嫉妬心もまた狂気。
0255文字
tu-bo@散歩カメラ修行中
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意外かもしれないが、松本清張は芥川賞を受賞している。芥川賞は、作家の資質に、直木賞は、作品に与えられるというのが私の意見である。この本を読むとどの作品もじつに読ませる。文体、構成 なにがというわけではないのに、実に読ませる。底が知れないという印象。最後にこの作品集を読んで浮かぶ心象風景はは、見事に無彩色だった。<(_ _)>
0255文字
SEの読本
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とある本で「ミステリをもっと読みたい!」と思って手に取った。自分はこのシリーズの上巻しか読んでいない清張ライトユーザーだが、ミステリの醍醐味である謎解きだけじゃなく、今読んでもリアルすぎる心理描写が存分に堪能出来た。鴉のようなダークサイド満天のお話と火の記憶のようなライトサイドのお話が一度に楽しめる。
0255文字
Hideki Takahashi
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宮部みゆきが厳選した松本清張の短編集です。さまざまなタイプの作品がバランス良く入っているのは、宮部さんのセンスが伺えます。全体的に極端な性格、異常性格の登場人物が出てくる作品多いようですが、それらとは違い特に良かったのは「西郷札」と「帝銀事件の謎」です。前者は明治時代の史実に基づいたもので、不換紙幣にまつわる人間の強欲さを描いた佳作です。後者は、未だに謎の多い帝銀事件にメスを入れた作品で、著者の徹底した取材、分析に感服しました。
0255文字
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宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション 下 (文春文庫 ま 1-96)評価71感想・レビュー73