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サイダーハウス・ルール 上 (文春文庫 ア 7-1)

感想・レビュー
71

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chanvesa
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ウィルバー・ラーチ医師はホーマー・ウェルズにとって神のような存在であろう。ホーマーにとって父も母もいない、わからないから、ラーチの存在は絶対的と思える。ラーチの行う出産と堕胎の、後者はホーマーの存在否定につながる面から、ホーマーはセント・クラウズから飛び出していく。解放的なオーシャン・ビューのリンゴ園とセント・クラウズとの対比。それは分断でも対立でもない、各々の世界が存在し、背面で通じている。ホーマーの目からはサイダーハウスはまぶしい世界であり、セント・クラウズは意識の陰に回り、のしかかる。
chanvesa

20年くらい前に読んだ時に、本書に出てくるディケンズの小説は過去の追憶のように映った。アーヴィングの小説、ほとんど絶版か。分断・断絶化した世界で、アーヴィングの世界は絵空ごとなのだろうか。目指すべきヴィジョンとしては、現実との乖離は大きく、思い出として読むには寂しい。アーヴィングを生んだ国はいつだってデタラメだった。本書が書かれた1980年代だってあの国は分断をもたらし、分断していた。今を生きていて、世界を遠く見ていると悲しくなる。本書の人物達が口にする「right!」という言葉を励ましとして受け取ろう。

03/09 10:41
0255文字
メルコ
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かつて映画化されたのを観て感銘を受けたことが頭の片隅にあり、原作を読んでみようと思い至った。上巻だけで500頁を超える長編。20世紀前半のメイン州の孤児院で育ったホーマー。堕胎の手術を行う医師で院長であるラーチを育ての親として慕い、ラーチも出産の手ほどきを教え込む。しかし成長したホーマーは堕胎に拒否感を抱き、堕胎に訪れた若いカップルとともに孤児院を離れる…。作中に登場するディケンズの小説を彷彿とさせる多彩な登場人物と、語られる物語の豊潤さには目を見張るものがある。語り口が翻訳特有の文体でなかなか慣れないが
メルコ

育っていく孤児たちの姿が気になり読み通した。

12/09 17:32
0255文字
Vakira
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アーヴィングさんに嵌まり、執筆順に読んでいる。この作品は6作目。アーヴィングさん、またしてもタブー的テーマを取上げる。出産と中絶。生命の誕生とその阻止。出産と堕胎手術を行う孤児院に主人公ホーマーは育つ。もうこの設定で胆捕まれる。なんたってホーマーは生まれながらに母親だった女性にとって望まれざる存在だから。これが問題。深いです。父親的存在の孤児院長ラーチ医師は虐げられた女性の為に堕胎手術を施すんですが、それはホーマーの存在否定になってしまうって訳なんです。上巻はホーマーの成長物語。下巻は如何に。
Vakira

おお~ 映画あるじゃん。それも大好きなラッセ・ハレストレム監督。ノーチェックでした。下巻読んでから映画見るかな。

08/13 18:25
0255文字
🐾ドライ🐾
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作者がディケンズの小説(僕個人が思うにわかりやすいご都合主義的ストーリー)を手本としているのだけど、中弛みすることなく下巻まで読み終えた。テーマのひとつが「堕胎」。アメリカはリベラルな考えが主流だと思っていたが、これについては宗教団体を含めた保守層と二分している。小説内では政治問題ではなく個人の信条として取り上げられるのだが、小難しいことはさておき上巻は孤児の青春小説、成長物語。 巡りめぐる物語が下巻であんな感じで収まっていくとは…
0255文字
マサ
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中絶については今でも様々な見解があるのだと思うが、当時は強否定的(罪悪視)だったのだろう。物語前半でラーチが堕胎術を行うに至る経過が語られるのだが、その内容は重く説得力がある。一方、ホーマーの意思にも若者らしい純粋さが感じられる。後半、ラーチが何やら策を巡らせている様なので…、下巻に期待大。(作者註が興味深い)
0255文字
ねこ
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なんで読まずに積んでおいたんだろう、これ、文庫本の初版ではないか…。まだ上巻だけだからなんとも言えないが、アーヴィングならではの父息子の物語か、と思う。今のところ。油断して読んでいると不覚にも心揺さぶられてつい落涙してしまう部分もあり、ガープの世界の世界に似たものを感じる。父から息子への(父でも息子でもないのだけれど)キスが心に染みる。
0255文字
tom
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中絶医と養護施設の運営をしているラーチのもとで育つホーマーが主人公。同じ施設で育つメロニィ、彼らと真逆の生活をしているキャンディとウォリー。対照的な世界を描きながら物語は進行する。上巻を読み終えても、どこに進んでいくのか何も見えない。でも、アーヴィングは、平穏であれ悲惨であれ、行くべきところに導いてくれるはず。アーヴィングはすごいな、楽しいなと思いながら読み終えて、下巻に進む。
0255文字
meg
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たまらなく惹かれる。 続きが気になり。
0255文字
駒
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ずっと気になっていた作品。やっと読んでいるけど、今まさに読むべき作品かもしれない。現代のアメリカで中絶禁止の州があるなか、院長の考えは先進的。孤児、ホーマーが大人に成長していく様子が読み応えある。ホーマーとラーチの間に愛はあるが、二人の生き方は違っているのかな。下巻へ。
0255文字
minamimi
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再読。物語っていいなとやっぱり思う。ホーマー、ラーチ医師、メロニィ、キャンディにウォリー。登場人物のの前を挙げるだけで自分がこの小説に満足しているのがわかる。
0255文字
有沢翔治@文芸同人誌配布中
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セント・クラウズの孤児院の創設者は産科医であるラーチだった。しかし非合法に、そして信念から堕胎手術を行っている。不慮の妊娠をしてしまうと女性はラーチ医師のもとへ救いを求めるのだった。ホーマー・ウェルズは孤児院の出身者だが、ラーチ医師から堕胎手術を教わり、天才的な技能を身につけていく。しかし、彼自身は堕胎を行ないたくなかった。 https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51526313.html
0255文字
ブラックジャケット
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最近耳を疑ったニュースがある。アメリカ最高裁が妊娠中絶を女性の権利として認めた判決を覆す保守派の草案が流出したという。この作品は1940年代の話で堕胎は違法。メイン州の孤児院では自分で育てられない母親が子供を産む。孤児院では名前をつけて養子先を探す。それだけではなく医師ウィルバー・ラーチは堕胎手術も行う。そして彼に見込まれた孤児のホーマー・ウェルズは医師としての才能を見せる。しかし彼は広い世界を望んだ。堕胎にやって来たキャンディとウォリーのカップルと行動とともにする。そこはりんご園の世界だった。下巻へ。
0255文字
ソングライン
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出産と堕胎を行い、かつ孤児院を運営する医師ラーチ、この孤児院で育ち何度か里親を得るも戻された少年ホーマー。ラーチ医師の助手を勤め、産科医師の技術を身につけたホーマーを医学部に入学させ自分の跡を継がせようとラーチは考えますが、金持ちのリンゴ園の息子ウォーリーが婚約者キャンディの堕胎のため孤児院を訪れた時からホーマーの運命が動き出します。リンゴ園で一夏を働くことになったホーマー、彼の進むべき道は何か、下巻へ。
0255文字
mimosa
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しばらくぶりのアーヴィング。孤児院と主人公ホーマーが働くことになったりんご果樹園で群像劇が展開する。時にはシュールでグロテスクな逸話も描かれるのもアーヴィングならでは。
0255文字
sakap1173
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久しぶりの翻訳もの。 孤児、堕胎がテーマなので重いのだけれど、どっぷりアーヴィングの世界に浸かりながら読んでいるところ。 もちろん、すごく読み応えあります。 詳しい感想は下巻にて。
0255文字
丘の家
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ネタバレ★★★★★(上巻は星5、下巻は星4) 下巻の半分までは傑作だった。『ガープの世界』同様のおもしろさに加え、孤児院の院長兼医師のラーチと、主人公で孤児のホーマーとの微妙な距離感、複雑な愛情に、読者はいろいろと考えさせられもし、ほろりとさせられもする。惜しむらくは、下巻において主人公が十五年ものあいだ親友と息子を裏切りつづけたこと。この展開にもっていくには、主人公の人物描写に物足りない部分が多すぎると私は感じた。終盤における主人公の息子の恋愛も退屈だったし、ラストはありがちな展開の域を出るものではなかった。
0255文字
えりねっと
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図書館で借りて、読了。
0255文字
Small World
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アーヴィングの本って、どれも長いんですよね〜w。なので、1年に1冊のペースなんですが、読み始めると面白いです! 「ホテルニューハンプシャー」「ガープの世界」に続いて3作品目なのですが、この作品では初っぱなから死の匂いが濃厚な感じがしますね。下巻ではジョン・ベリーやガープのように、いろんなことが起きちゃうのかな・・・
0255文字
Rick
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望まない妊娠をした人たちが解決を求めて集まる孤児院の話。深く深く物語の中に入っていける本なので読了後に起こる特有のざわつきが凄い。現代アメリカが生んだ極めて”小説らしい小説”と書いてあったがまさにその通りだと思う。
0255文字
キラキラ星の欠片
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翻訳小説はどうも苦手。同著者「ガープの世界」での読みづらさを思い出したが、先のストーリー展開を期待して頑張って上巻を読み終えた。
0255文字
緋色
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映画「サイダーハウス・ルール」は、TOP5に入るんじゃないかというくらい好き。映画はとにかく、脚本がすばらしいなぁと思ったんですよね。バランスがいいというか…。原作者が脚本を手がけていると知って、なるほどって思ってました。ディテールにこだわりまくった原作を読んで、改めてすごいなぁと。主要人物をまるっとなくしたりしてます。原作もいいなと思いますけど、映画は本当に好き。重いのに、軽くてやさしい。「Goodnight, you prince of Main, you king of New England.」
0255文字
Kaorin
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20数年来積まれていたサイダーハウス・ルール上を読了。これから下を読むのでどういう感想に落ち着くのかはまだまだ未知なのだが、ブラックユーモアとかハチャメチャなかんじとか人生なんでもありとか、それでいてちょっとホロっときちゃったり、ああジョンアーヴィングってこうだったなあと思い出した。
0255文字
James Hayashi
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下巻へ。
0255文字
メセニ
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孤児としてこの世に生を享けたホーマー。彼の暮らす孤児院の創設者で医師でもあるラーチは、「人の役に立つ存在になれ」の教えの下、息子同然たる彼を後継ぎとすべく育て上げる。が、堕胎という行為を前に、ホーマーは望まれぬ子としての自らの境遇を煩悶しこれに反発する。彼は孤児院を出る決断を下した。一方、孤児院の創設の経緯を知る読者はジレンマを抱きつつ、ホーマーを外の世界へと送り出す。あらゆるものが新鮮に映る彼の目に胸が熱くなる。辛く哀しい暴力的な世界にあって、アーヴィングは常にユーモアと愛と優しさを忘れない。下巻へ。
0255文字
Holden Caulfield
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2017年5月3日 再読 レビューは下巻読了後に、 1996年7月10日 第1刷 2000年5月10日 第3刷版 頁19行 532頁
0255文字
NAO
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ネタバレラーチ医師が中絶手術をするようになったのは、彼が手術を拒んだことでひどい死に方をすることにってしまった女性の恨みが忘れられなかったから。何の疑問も感じずに手伝いをしていたホーマーが手伝いを拒むようになったのは、中絶手術を受けに来たキャンディに一目惚れしたから。自分のしていることに責任をもつには、それについての覚悟がいる。覚悟もなしに命に関わる作業に手を貸していたホーマーは、一度そこから出て外の世界の荒波にもまれる必要があったのだろう。
0255文字
釜煮蕎麦
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残酷でいびつで哀しくてどこかおかしみもある世界。とても好きな作品です。
0255文字
ジュンコ
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初アーヴィング。「名前を知ってる作家」から「好きな作家」に変わりました。下巻へ。
0255文字
りかりか
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孤児院で育つ主人公ホーマーの話。前半はなんだかよく分からなくて、なかなか読み進まなかった。外国小説は、苦手。内容も重いし。でも、ホーマーが大きくなってきてからは、面白くなってきた。
0255文字
Ich_co
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少しずつ役者がそろってきてそわそわする。下巻を楽しみに。
0255文字
マリリン
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感想は下巻を読み終わったら…。 良い本に巡り合えて感謝!
0255文字
Kimitaka Imaizumi
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この訳者の文章は頭に入ってこなかった 訳書はこれがあるから辛い 映画はあんなに良かったのに
0255文字
M1号
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ホーマーの育った孤児院は病院も兼ねたところで、そこでは堕胎が行われており…。孤児に堕胎術を教えるという、よく考えると残酷な話。でも、登場人物たちの純粋さや、ちりばめられた滑稽さ・ユーモアのおかげか、あまり重たさは感じない。■孤児ホーマーと院長ラーチ先生は、本当の親子ではないけれど不器用で深い愛情で結ばれている。上巻なのでまだまだ状況説明といった感じ。ホーマーがついに孤児院を出る後半になって、ようやく勢いがついてきたので、これから下巻でどう展開するのか。忘れないうちに読まなくちゃ。
0255文字
おりこ
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ガープの次に好き!久々の再読だ。ただこれに限りいまいち訳がしっくり来ないんだけど。これだけ新潮じゃないからそういう気がするのかな? アーヴィングお得意のかわいらしい子供たちの描写も素晴らしいが、追い詰められた女たちへのあくまでも温かい姿勢が胸を打つ。私のなかではラーチ先生の声の役は姜先生なのだ!あの声で寝る前にディケンズを読んで、おやすみって言ってほしいなあ。ホーマーが去るときのラーチ先生の悲しみ!私が慰めてあげたい…世間知らずのホーマーが重大な人生の決断をする下巻へ続く。
0255文字
blue_blue
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『ひとりの体で』を読んで「アーヴィングを読む前にはまずディケンズを読まないと」という勝手な使命感に駆られ昨年『オリバー・ツイスト』と『デヴィッド・コパフィールド』を読み、満を持してと再びアーヴィングを手に取ったのだが、やっぱり先にディケンズ読んでおいて正解だった。未読ではホーマーが取り上げた2人目の子どもの名=スティアフォースがわからなかったよ。この、もどかしい程遅々と進むストーリー、ひと癖もふた癖もある登場人物たち、はっとするほどエグい描写、突如ぶつけられる烈しい感情に、静かに胸が熱くなる。下巻へゴー。
blue_blue

そして『リトル・ドリット』も読まないと、と静かな使命感に駆られているのであった。

05/01 16:51
blue_blue

辛くしんどい運命がこれでもかと繰り広げられるのですが、このユーモア感はなんなんでしょうね。不器用で滑稽な程に優しい人びと。

05/01 17:09
0255文字
あお
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舞台はセントクラウズという孤児院。ここは孤児院でありながら病院という側面を持っている。行われる医療行為は赤子の分娩と堕胎である。セントクラウズに来る母親には2種類しかいない。子供を産んでセントクラウズに捨てる者と堕胎を望む者だ。主人公のホーマーは望まれざる存在として、セントクラウズに引き取られる。果たして堕胎とは人に許される権利なのだろうか? ホーマーにとって人の役に立つ仕事とは何なのか?題名のルールとは何を指すのだろうか?色々な疑問を抱え下巻に突入します!
0255文字
あさみ
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ネタバレ切ない。お互いを愛し合っているラーチ先生とホーマー。でもホーマーが医者にはなりたくない、孤児院を出たいと言うのは年頃の男の子にとっては普通の感覚だろう。親子は必ずどこかで対立するものだし。でも二人が本当の親子ではないだけに、切なさが増している。キャンディも美人で優しい女性だなと思ってたけど、本当にパーフェクトな女性の設定だったんだな。ホーマーが恋するのは当たり前だね。
0255文字
えみる
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映画を見てどうも腑に落ちないので原作を読んでみた。腑に落ちない部分がすべて解消。
0255文字
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サイダーハウス・ルール 上 (文春文庫 ア 7-1)評価68感想・レビュー71