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台所のおと

感想・レビュー
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クリママ
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表題作含む10編の短編集。家庭内に病人を抱えている女の話が多い。病気や経済的な不安、気も落ちつかない忙しさ。耐えられないほど嫌な男もいて。物語はふっつり切れ、その後どうなったのだろうと思ったりする。初出は昭和30年後半から40年。その頃はまだ小学生だったが、家庭内の様子や会話、町の雰囲気など思い出しながら読む。湿っぽい話しながら、きりりとした文章に綴られた気持ち。現在使われているものとは別の言葉。心情を言葉で表すなら、言葉が変わればその心情も違ってくるものか。今では触れることのできない気持ちなのだろうか。
KEI

以前、文庫本で読みましたが、心の機微が細やかに描かれていましたね。

02/15 15:48
クリママ

はい、細やかに掬い取られていて、苦しくなってしまうところもありました。ただ、今の短い言葉で表すような気持ちとは何か違うようで、時代というのは、人の気持ちの有り様まで変化させてしまうのかなと思いました。どちらにしても、幸田文さんの文章は、とても読みたくなる時があります。

02/15 22:24
3件のコメントを全て見る
0255文字
よちゆし
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古い漢字が使われていたり、言い回しが古かったりするが、それもそのはず、初出は昭和30,40年代。家族の関係も昭和のものだろうが、今読んでみて、心にしみる。しっとりした気分で読み進められる。
0255文字
すだち
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しんとした静かな文章が胸を打つ。表題作は病に伏せる夫が妻の台所の音に耳をすませる。料理人の夫だからこそ音だけで何の作業か、心の内までわかってしまう。妻はわざとはなやかな音を立てようとする。「女はそれぞれ音をもっている」という言葉が印象的。 別編では一人暮らしとなった女性の荒涼たる暮らしが描かれる。とりわけ台所の悲しさ。生きることは食べること。悲しい台所では生も希薄。昭和30年代。変わらない人の営みもあれば、人との距離感が今とは違うと感じる。良くも悪くも近所で互いを気にしながらの生活が当たり前だったのだ。
hon

良くも悪くも昭和って感じの話だよね。この時代でもやっぱり女性の方が芯が強いんだろうなと思いながら読みました。

12/03 21:02
すだち

honさん、渋い課題図書でした。昭和でしたね~。懐かしくもあり面倒くさくもあり。出てくる女性が男性に従うタイプじゃなくて自分で切り盛りするようなしっかり者でしたね。女が強い方が世の中平和。

12/03 22:23
0255文字
りまる
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ネタバレ実際にその時代を生きていた人が描く昭和の話は時代小説なんかとはまた違ったよさがあるね。特に「濃紺」と「祝辞」が良かった。
0255文字
jerrrry68
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祝辞とおきみやげが好きな話。 古めかしい文体やけど読みにくすぎることもない色んな家庭の話だった。 メモ50
0255文字
ことり
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再読
0255文字
tn_87
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台所のおと/濃紺/草履/雪もち/食欲/祝辞/呼ばれる/おきみやげ/ひとり暮し/あとでの話
0255文字
ちどり
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昭和30年代から40年代頃に書かれた作品たち。 私が生まれるちょっと前くらいだけど それでもゆうに半世紀は前の話だ。 時代のアナログ感、貧しさ、女性の立ち位置 世は移り変わるけど いちばん感じたのは 昔の方が 香りや音や人の気持ちなんかが 周りが静かなぶん よく響くんだなということだった。 思えばこの日常はうるさすぎる。 地球はもっと静かだったんだな。 静けさには量(かさ)があり 夜と昼にはさかいがあった。
0255文字
ひろり
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台所のおと、濃紺、草履、雪もち、食欲、祝辞、呼ばれる、おきみやげ、ひとり暮らし、あとでの話、が収められている。「仕合せ」という言葉が印象に残る。誰かの人生に伴走して悲喜こもごもを味わうことは、選べる様でいて、降り掛かってくる様な、めぐり合わせだなぁと思う。自分の「仕合せ」にきちんと向き合いたい。どの作品からも静かなエネルギーを頂きました。文体も好み。
0255文字
エイコピクミン🌱過去レビューにナイス⭐︎ありがとうございます
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表題作は、百年文庫で既読。2度目でも、これすごいなぁとジワジワきます。。収録作全部わたしが生まれる前のもので、女性は影して耐えてなんぼな感じが濃いのだけど、その背景は普遍で。人の悩みって、そう変わるもんじゃないなぁと感じました。。見栄張りボンボン夫が入院する「食欲」ヘヘヘ〜と脳天気に笑う頭を、アホか!はたきたくなる。。良かったのは「おきみやげ」ハッスル善意で届けたおでん鍋の行く先。自分にもお節介気質あるので、おぅおぅ。これはどうなることかと顛末を見守った。
0255文字
洋子
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昭和の忍耐強い女性達の話
0255文字
かんちゃん
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しんとした感じの本でした。 繊細な表現に心が洗われた気がしています。 たまには、まぁいいさ?
0255文字
ぴぐ
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短編集。なんと豊かで細やかな表現力。表題作のほか、「ひとり暮し」が印象に残る。爪先や紐など『ひとりだとすさまじく見える』とは。感服。「祝辞」の頼もしさ、明るさもとても良かった。
0255文字
てんちゃん
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脳に肌にすっとはいってくるような美しい文章。昭和に生きる人の姿を描き出しているエッセイのような雰囲気の短編集。昭和は今より少し窮屈な時代だと思う。そんな中で生きる人々の情感の豊かさ。文章を読んでいるのに、音や湿度が伝わってくるよう。少し体調が下降気味だった週末、身体にも心にも優しい、いい読書の時間を持つことができた。
0255文字
mawaji
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円城青蛙の「読書で離婚を考えた」で取り上げられていたので手に取りました。父露伴に躾けられた日常のできごとのエッセイかと勝手に想像して読み始めたら10編の短編集でした。それぞれの物語は昭和の面影を漂わせながら穏やかに流れていき、著者とその家族や周りの人々との交流が見え隠れしているようにも思われました。表題作はもとより「祝辞」が私にはとてもぐっとくるお話で、最後の久夫のスピーチは何度も読み返してしまいました。幸田文再発見っていう感じ。図書館の単行本も文字が大きくてよかったのですが再読用に文庫本を購入しました。
0255文字
ブン
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静かで親密な空気が良かった。今何をしているか、妻が立てる音だけで分かってしまうところに夫婦の積み上げてきた時間を感じる。揚げ油の音を雨に例えるのが粋。何気なく差し入れたおでんが思わぬ効果をもたらす『おきみやげ』も明るくて良い話。
0255文字
もも
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初めて読んだ作家さん。先入観を持たずそのまま。柔らかいのにしっかりとした文章は作者の人柄なのだろうか。一気に読んでしまったのは、物語から目が離せないといった感じになってしまったから。他の作品も読んでみたい。
0255文字
よしむら まどか
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恐らく「食欲」は幸田文さんご本人がご主人を看病した時の体験がもとになっているのだろう。芯があって強い女性だな、と思っていたが、そうならざるを得なかったのだろう。
0255文字
getaya
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☆☆☆
0255文字
金魚
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幸田文の文章はあたたかい。粋。和服を着て煮物を作りたくなる… 台所のおと、言葉の表現がこんなにも豊かな読み物は滅多にない。 図書館でのレンタルだったけれど手元に欲しい1冊。
0255文字
kaguyam
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大人の女のための本だと改めて思う一冊。 年齢を重ねてるが故に自分よりも家族を思う母だったり嫁だったりの姿を読み取るにつけ、自分の母に重ねてしまう。 結末までは描かずに終わるからこそ結末が際立つ気がします。 やっぱり好き。
0255文字
しろくろ
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読まねばと思って積んどいた1冊。お茶漬けみたいにさらさら読める。
0255文字
あられ
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きれいな文章に居心地の良さを感じた。この本のたたずまいがいい。反射神経や要領の良さが求められる今の時代、こういうありようもよしとする気分があればなあと思う。
0255文字
小物堂社
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おもしろいか否かは別にして、うまいなぁと思う小説ってもんは登場人物が少ない。登場人物が少ないってことはそれだけその人物やその他もろもろを細かく書かないといけない。ライトノベルってものはまさにこの逆なんじゃないのかな。つまりは新しい刺激ってもんがあくまでも外部から次から次へとくるのが特徴ってことになる。で、そんなライトノベルを読むのは刺激中毒な若い人たちで、だから仕事しても長く続かない。なんて言ったらどれほど頭の悪い人だと思われるだろうか。
0255文字
gacchaki
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うしろから二番目の「ひとり暮し」。元・粋筋の老婆と「いい爺」の部分は、なんども読みかえしたくなる。…毎日の暮らしの中では、ともすれば「雑事」と粗末つに扱われる部分がある。それをおろそかにせず、丁寧に手をかけるっていうのは、はたから見ていても気持ちがいいのよねぇ(^。^) すごくよくわかる。
0255文字
ケロ
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おそらく末期の胃がんであろう 料理人の佐吉は 妻がそのことを隠して台所で立てる音 包丁のリズムから 妻の心根を推察する。包丁の音は聴く人によっては精神を反映しているのか。私が 結婚して初めて夫の実家の台所に立った時、姑はその包丁の音をとても褒めてくれた。「あんたは体調も 心もいいんだね~」姑は私の包丁の音だけは好きでいてくれたようだ。それから数十年たち 褒めてくれる姑はいない。最近 友人宅で包丁を使った。思いもかけず拍手が起こった。体はともかく 心根の方は まだまだ いけているようだ。この本は 身近で起こ
まつり

春の嵐が来る前に借りに行ってきまーす。あ、つぶやきじゃないんだった(汗

04/03 09:05
ケロ

嵐のなか 今帰宅 5冊ゲット (#^.^#)

04/03 12:43
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0255文字
みるて
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図書館の本 読了 初幸田文
0255文字
イタリアンでこちん
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あまりの良い本に保管用単行本を購入:おとを表すこの言葉の美しさと静謐さ。巻頭からの三つの短編に一気にもっていかれるでしょう。読みながら唸ってましたもん。夫婦そして師弟の繋がりと通じ合う情。言語ではない情念の触れ合いを描いているんだと思う。表題作は俎と包丁、鍋、食器の音、それらの音を聞く、訊いて、そして薬が効く板前さんの心と体に利くおとになっていることでしょう。『濃紺』柾目の下駄の履いた際の足裏を通して伝わる込められた想いの触覚。『草履』落ち葉焚火のにおい。あまりに切ない嗅覚のお話。他十編です。続
いくっち@読書リハビリ中

五感が働く一冊ですよね。

12/13 01:34
イタリアンでこちん

>いくっちさん、コメント有難うございます。『高野聖;眉かくしの霊』で巡り合った作家さんです。この作品も素晴らしかったです。ありがとうございます。

12/13 13:05
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0255文字
ゆう
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タイトルに惹かれ何げなく手にした本だったけれども、この本から読書の奥深さや文字の持つ力その美しさに気付かされ、現在の読書人生を作ったともいえる、私にとってはなくせない大切な1冊。表紙が水色だと思ってたのだけど…。
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