形式:単行本
出版社:新潮社
..為になりそうだね。。
実際、ためになります。呼吸法も色々あるようなので知りたくなりました。
欧米の腹式呼吸を「動」の呼吸とするならば、畳の上に胡座をかいたり、深くしゃがみこんで長時間作業することの多かった日本人が自然と編み出した「密息」は、いわば「静」の呼吸。骨盤を倒しつつ腹を張った状態を維持し、インナーマッスルを用いて横隔膜を上下させることで、静かに素早く、安定して深く呼吸することが可能になるのだという。そして呼吸量が増えるということは肉体を細胞レベルで活性化させ、集中力や感受性を高めると同時に気持ちを落ち着かせる効果もある。
虚無僧尺八の演奏を皮切りに、米国の音大での研究などを通して日本古来の文化論にも話は広がるが、あとがきでは「テーマを絞った」とあるが、個人的には逆に色々と話したいことがありすぎてとっ散らかってしまっている印象。「密息」や尺八の特性については具体的で丁寧だが、その他の分野では雰囲気メインの主観的な「日本スゴイ」ぽく、呼吸に着目することで物事の捉え方まで変わるという感覚は面白かった。つまり!水に波紋を起こす様に呼吸法によって「肉体」に波紋を起こし……エネルギーを作り出す!るオオオオオ!!
解剖学的な分析を求めるならスポーツ科学の論文でも読んだほうがいいのかもしれないけど、そういう切り口の一般書がもうちょっとあってもいいのになあ、と思う今日このごろ。
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