形式:文庫
出版社:新潮社
グタグタ書いている食エッセイは好きではない。著者に味覚センスがないのか、なんらかの事情で不本意なお店の紹介をしているのかと思ってしまう。 平松エッセイは、変化をつけて片岡義男風の登場人物の会話を活かした小説仕立てのところもあるし、植草甚一風に、名画座で3本立てを鑑賞したあと餃子店に行き古本屋にも寄り道して・・という散歩エッセイもある。でも、食べ物の描写がおそろかになることはない。 エッセイの掲載順番も良いのです。昼どき(15)、小昼(7)、薄暮(10)、灯ともし頃(8)、という構成になっている。
四季や場所ではなく、一日の時間の流れて読み進めるのも楽しい。 巻末の東海林さだおさんとの対談が貴重なのだ。食エッセイの先輩である東海林さんの本音がバンバンでてきて驚いた。「おいしい食事をした、いい店に行った、って書いても面白くないでしょ?昔の文士の食エッセイって、全部それだった。」「この味がわかる私です、ドーダという自慢ばかりでね」とか。 というわけで収穫の多い本だった。レビューが長くなってしまってすみません。
特に新橋の「燕楽」という店でとんかつを 食べる様を書いた「とんかつの聖地へ 新橋」は、ロースカツ定食を存分に 味わう様にひきこまれました。巻末には東海林さだおとの対談も収録。 読者が食べ物について書かれた文章で何を期待するかについて、<基本は 「おいしそう」ってことじゃないかな(中略)ポジティブなことですよね> <味わえない以上、否定されたものより、生唾を吞み込ませてくれる文章を読みたい> と語っており、その通りだと思いました。
まひはるさんbelleさんひとちゃんさんゆっきーさんナイス有難う御座います。
ワタシも平松さんの大ファンです。もうすぐ(7日)に「~を~で」シリーズの新刊文庫「かきバターを神田で」が発売ですね♪
ジロリン様、コメントをくださってありがとうございます。平松洋子さんの文章は、テンポが良くて読んでいて楽しい!と感じています。今日から11月、ぷっくりした身の牡蠣、おいしそう・・(≧◇≦)
そして昨日、用事があって行った銀座で「ロックフィッシュ」のハイボールを頂いてきました。本当に本に書いてある通り!最初から最後まで美味しかった〜♡
けれど、こんなに魅惑のお店があることを知ってしまっては、これからもやはり迷いそう。
これ読みたい~!
らすさんなら活用でき出来そうな情報満載ですよ(^O^)/
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