形式:コミック
出版社:講談社
形式:Kindle版
オール・ハロウズ・イヴ(All Hallow's Eve)Horror読書会'24(10月1日~10月31日)参加
異聞マザア・グウスは蛇足に感じる人もいるかもしれないが、これはこれで藤田先生得意の頑張る少年が光っている。ウォルターに助けられた二人の関係は、ある意味ではウォルターが遺したもの、孤独な彼が植えた花と言える。となれば、バネ足ジャックの物語の締めに相応しいだろう。
関係ないけど、和田誠さんのイラストのマザーグースを初めて読んだとき(小3とかだったと思う)、おとこのこおんなのこ〜の詩に簡略化された女性器が描かれててドキドキしたのを思い出した。
かの有名な「切り裂きジャック」に先立つ劇場型怪奇譚を、テンポのよい起承転結、分かりやすく魅力的なキャラクターたち、ケレン味溢れるアクション、そしてそれらをほどよいボリュームで……という本作はそのままで映画化にも最適だと思う。ギレルモ・デル・トロ監督か『ヴィドック』(観てないけど)の監督あたりがやってくれたらいいのにな~。ウォルター役は、先頃の『ザ・バットマン』がいいかんじだったロバート・パティンソンでどうよ。機関車男やフランシスも実にいいキャラなので、演技力のある個性派俳優さんにお願いしたい。
元ネタ提供の仁賀克雄先生による解説が物語の背景を分かりやすく伝えてくれるのに加え、本編『スプリンガルド』が爽やかではあるもののほろ苦いクロージングであったのを異聞『マザア・グウス』の二人がちょっとロンドンには似つかわしくないくらい晴れ晴れとした読後感で〆てくれるのだから、これを最高オブ最高と言わずに紳士として恥ずかしいとは思わないのですか!【とんだ とんだよ ばねあしジャック ならずものども けちらして あっというまに そらのうえ】
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます