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白い人・黄色い人 (新潮文庫)

感想・レビュー
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zeeen
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「白い人」は芥川賞作品。無神論者の主人公は母国を裏切りナチの拷問係となり、敬虔な神学生の友人たちを手にかける。「黄色い人」特攻が決まった夫を持つ女性との不倫を繰り返す主人公と女性に溺れた外国人聖職者の運命。両作品とも自らを律することと宗教の関係性が色濃く描かれていて、無宗教の日本人だからこそ興味深く読めると思う。
0255文字
たか
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黄色い人は、まさに沈黙の原型という感じか。白い人は、受け止め方が難しく咀嚼できていない。人にとって、罪と罰とはいったい何なのか。
0255文字
293
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唯一絶対の神は人を縛りもするが、神のお墨付きとあらば、道理に悖るあれやこれやも人間に平気で行うわせる倫理観をも醸成し得る。「白い人」達は本当にこの作品で描かれているような葛藤を抱いて生きているのだろうか。文化が違えば重要と考える価値観も全く異なるということで納得してしまいそうになる。
0255文字
亀山正喜
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初期の作品とのこと。カトリックから見て日本人の汎神論的な考えに疑問を表しつつ、日本人から見て神への疑問も表現しているように感じた。他作品にもあるようだ。自分も何を大切に、拠り所にして生きていくかを考える。
0255文字
keisuke
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芥川賞受賞作ということで手に取りました。絶対的な神のない日本人には難しいですが、新たな視点の発見となり、面白かったです。
0255文字
individual
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「白い人」・「黄色い人」、両作は象徴的、寓意的、図式的な物語です。したがって、読者は両作を読み、示唆や教訓を得やすいでしょう。「白い人」、「黄色い人」は共に“歴史化”した事象が舞台です(「白い人」はナチス・ドイツ占領下のフランス、「黄色い人」はアジア・太平洋戦争時の敗戦が近い日本)。“歴史化”した事象を扱っているため、現代の読者は、これらの事象の「善悪」、「好悪」、「功罪」を安易に判断できます。しかし、同時代を生きていた方々にとって、これらの事象にたいしての“判断”は困難だったと思います。
individual

このことを現代(2025年)に置き換えて考えます。たとえば、2年〜5年前のコロナ禍に同時代を生きていた多くの方々(僕も含めます)には、いつコロナ禍が落ち着くのかは未知数でした。そして、コロナ禍の非常事態(≒「黄色い人」での戦時体制)には、「自粛警察」(≒「黄色い人」での警察・特高)が存在していました。「白い人」・「黄色い人」の舞台は、決して「遠い昔のこと」ではありません。(「自粛警察」と警察・特高を並列させるのはためらいましたが、要は、人間は同じような状況に置かれると、同じような行動をとりやすい、そのこと

02/20 17:17
individual

を僕は叙述したかった)。歴史を学ぶことの意義の1つは、まだ“歴史化”していない同時代の事象を吟味する力を与えてくれることだと僕は思っています。

02/20 17:18
0255文字
たかか
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ネタバレ白い人、黄色い人の二篇が収録されている。白い人が芥川賞受賞。信仰というテーマもあってか物語自体は捉えやすい構造になっている。白と黄色は肌の色から。白はキリスト教的な背景のある価値観を持った白人。黄色は日本人、キリスト教的な価値観と距離のある人。【白い人】舞台は第二次大戦中のフランス。主人公の男は母からの教育の反抗としてサディスムに目覚める。そのきっかけとなるのは、女中イボンヌが犬を殴る場面の目撃。イボンヌの太腿の白さが強調される。
たかか

【黄色い人】舞台は太平洋戦争末期の日本。背教者であるデュランは協会から追放された後も罪の意識が残り続け、死後地獄に落ちる自身を憂いている。デュランとの対象として、日本人である千葉やキミコは以下のように述べる。P91「黄色人のぼくには、(略)あなたたちのような罪の意識や虚無などのような深刻なもの、大袈裟なものは全くないのです。あるのは、疲れだけ、ふかい疲れだけ。」P135「どうでもええんよ。どうせあたしには、あなたみたいな西洋人のように教会ってなにか、わからへんし。」

01/24 19:47
たかか

続き)P136「なぜ、神さまのことや教会のことが忘れられへんの。(略)なんまいだといえばそれで許してくれる仏さまの方がどれほどいいか、わからへん」日本人(黄色人)のこの感覚にデュランも身を堕とそうするが、P154で自身のもがき苦しむ死相を見たことで、自分が根本的に黄色人とは違うことを悟る。作品を通して結核を患う千葉や敗戦が迫る仁川の町の気怠い絶望感がずっと漂っている。

01/24 19:47
4件のコメントを全て見る
0255文字
sonson
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学生時代によく読んだ遠藤周作を再読。人間の弱さ、醜さ、狡さ、罪。神はそれでも人間を赦すのか。
0255文字
やまぶき
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ネタバレ図書館。難しくてよく分からない話。キリスト教の考えに精通していないので、登場人物の気持ちが分からないのだろうか。白い人の気持ちも黄色い人の気持ちもよく分からない。デュランの気持ちは分からなくもない。一神教のコミューンで育った人は一神教から離れるのが難しく、多神教のコミューンで育った人は本当の意味で一神教を理解することが難しいのだろうか。神が不在だから倫理観が欠如している訳では無く、個人の性質によるものでしょう。
0255文字
のり
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白い人・黄色い人、どちらもキリストを通して人間の根本心理の暗部、罪悪を描いている。文量が少ない割には難解、というか私の脳が足りず手く噛み砕けない。悔しい。。神に対する黄色人の不信仰感というのは、白人からしたら理解し難いんだろうなと黄色人は思う。また読み返したい。
0255文字
mfmf
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遠藤周作らしい内容ではあるが、初期作品だけあってかなり荒削りな出来栄えだった。深い河等と比べると、テーマの掘り方もまだ浅いように思う。
0255文字
fumikaze
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「白い人」「黄色い人」どちらも読んでいて苦しくなる。特に前者は拷問シーンが辛い。私にはよく理解できなかった。またいつか読み返そう。
0255文字
Shinya Fukuda
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白い人は主人公がフランス人で舞台はリヨン。彼はナチスの秘密警察の手先になってフランス人を拷問する。その中にジャックという神学生がいる。その従兄弟にマリー・テレーズという女学生がいる。子供の頃から厳格な宗教教育を受けてきたが宗教を受け入れられない。黄色い人は主人公が日本人医学生千葉で舞台は仁川。謹厳な基督者ブロワ神父、背教者デュラン、千葉の友人佐伯の許嫁糸子が主たる登場人物。千葉も受洗しているが基督教を信じることができない。どちらにも信仰に対する疑念があるが黄色い人では汎神論的な日本の特殊性が指摘される。
0255文字
Running Kez
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2作品とも唾棄すべき人物が語り手。共感出来ないし(むしろ敬遠)読んでいて救いがない。クリスマスをオシャレな催しとしか考えない私にはこの苦悩は理解の外。でも、本書より後の「沈黙」「侍」「イエスの生涯」を読んできたら、これが著者の苦悩の原点かも知れないと思います。一神教の厳格な世界と多神教のおおらかな世界。一長一短。私は、自分の感性とは程遠い一神教の世界をもっと知りたいと思いました。
0255文字
kameyomi
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『白い人』、『黄色い人』の二話からなる。「白い人」の主人公は、小さなコンプレックスから、どこまでも腐った人間になってゆく。その絶望的な弱さがやりきれない。もはや人とは言えない。「黄色い人」は悪にも善にも常に傍観者たる日本人を描く。「目には目を」の白い人と、何となく全て水に流す文化の黄色い人との対比は感じたが、そこに神がどう介在するかまでは、私には読みきれない。
0255文字
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ネタバレ「あんたが」と私は言った。「いくら十字架を背負ったって、人間は変らないぜ。悪は変らないよ」
0255文字
かな?
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白い人: 難解であった。拷問のなか舌を噛んで自殺をしたA(ジャック)は、キリスト教の“教義”に反しても神に救われたのだと思う(cf.『沈黙』)。自らの“他者の生への思い”が、規範化し過ぎた”教義“を乗り越えていくとき(自らの生をかけるとき)、神の働きかけ(救い)があったのだろうと思う。そのようなことが、拷問者の側に立っていってしまったB(「私」)自身に、何か直面せざるをえないものや“とき”が来るのであろうか。(平 幹二朗の朗読を聴いた。よかった。)
0255文字
ソフィア
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個人的には白い人より黄色い人の方が難解だった。私は日本人なのに、不思議なものだ。最後の「貴方のように純白な世界ほどぼく等、黄いろい者たちから隔たったものはない」は、罪深きクリスチャンである主人公の神からの決別宣言のようにも受け取ることができ、彼は黄いろい人として一生を終えるのだろうと想像してしまった。
0255文字
ネイティブ・バイオあざらし
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『海と毒薬』や『沈黙』など、後の著者の作品で主題となるテーマが凝縮された一冊だった。不条理に対する神の存在、罪の意識、日本人と信仰。白い人(唯一神の存在を認める白人)と黄色い人(汎神論的な価値観を持つ日本人)の目を通し、これらの主題を問いかける。主人公は共通して元キリスト教徒で、濃淡あれど“悪”の立場からストーリーに関わる。汎神論的な価値観を持つ日本人向けに、主人公はこれらの主題を問いかける。しかし、著者が描写する「臭い」はリアリティがすごい。これらの醸し出す陰鬱感が、没入感を高めるスパイスなのだろうか。
0255文字
ささぶね
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海と毒薬でも思いましたが、カトリック作家である作者の「罪」の考え方が、なかなかに面白かったです
0255文字
ワンオアエイト
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この難解さは、 何回か読まないと理解出来ないと。 それでも、また読んでみたいと 思わせる力がある。 戦争 宗教 政治 など様々なテーマがある。 それらのテーマに 自身の中に確固たる問いや答えを 持たないと なかぬか読み進めることが出来ない。 そんなテーマに 自分自身が価値観が持たなければ いけないと思う。
0255文字
かりぐらし
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沈黙や海と毒薬などでも書かれていたテーマが詰め込まれている遠藤周作の初期作品。人の心の善と悪。神の不在。罪と赦し。日本人とキリスト教についてなど。嗜虐に目覚めた男が、フランス人ながらゲシュタポの手先となり旧知の神学生を拷問する「白い人」、親友の婚約者と不倫する日本男性とと、姦淫の罪を犯しさらには神父を官憲に売った白人の元神父の独白を交互に描く「黄色い人」の二篇。神が在るならば何故救わないのか。何故罪と罰があるのか。宗教に興味のない人にとっても興味深い物語であった。
0255文字
きう
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『白い人』と『黄色い人』の対比がとても良い。 白い人においては「する悪」、黄色い人においては「しない悪」という対比が見られると思う。 白い人ではナチの手先となり、拷問をすることで神の不在と背きを描き、黄色い人では空襲を受け、死が当たり前の世界で、最早生死についてはどうでもよくなり、人を助けるだとかの行為をしないことによる不在や背きを描いているように感じられた。 欲としての快楽⇔惰性としての快楽。 とても難解で、解釈が違う可能性もあるうえ、もう少しキリスト教について造詣を深めないと読み込めない作品だった。
0255文字
タカシ
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難解すぎて入ってこない
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やまだてつひと
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白い人はなんとも読了感の悪い作品だと思った。 救いもなく、作中の台詞にもあった、英雄になりたい欲求というのは政治によって砕かれる。というのはなんとも皮肉めいたものに見えた。拷問なんて辛いというレベルではないだろうが、それを耐える精神力というのは、英雄になれるであろうという信念であり、自分が正しいと思える行動すらも暴力という巨大な力には立ち向かえない。立ち向かえると錯覚してしまうのは、英雄にならるという妄想なのかもしれない
0255文字
タンタン
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☆☆☆☆☆ 芥川賞。 読みにくい。 集中力ある時に再読しよう~。
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Takuji
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すごい作品だ。こんなにも考えさせられるうえに答えが出ない作品もないだろう。神への問いかけを常に作品のテーマとしている時点で途方もない。神が存在するならばなぜこんなにも不幸な出来事が起こるのか?一部の邪悪な人間が蔓延るのか?神のもたらす救いとはいったいなんなのか?考えても結論が出ないのは日本人だから?ますます遠藤周作という人に興味が沸きました。
0255文字
みみずく
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ネタバレ日本の汎神論的な風土において神の意味を追求するカトリック作者。神の存在、善悪の対立、人間の本性、醜悪さ、罪深さなど多数のテーマが物語に存在している。ナチのゲシュタポとなって神学生を拷問する主人公『白い人』、神父を官憲に売った若きクリスチャン『黄色い人』どちらも興味深く、あっという間に読めたけれど一読では解釈は難しい。濃い内容でした。
0255文字
heron
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同じ人間でも、白い人と黄色い人は宗教観においてここまで違うのか。
0255文字
にわ
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西洋圏のクリスチャンと、原罪の意識のない日本人との比較が面白い。 そしてそれ以上に、主人公のサディスティックな描写が怖くて最高。 パーティの中で出てくる喧騒を示すものと、主人公の嗜虐的な部分が重なるシーンに息を呑んだ。 両編とも、サディスティックな回想で、いろんなモチーフが繰り返し描かれる。その反復でどんどんハマってしまう。
0255文字
タマキング
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神が人間を、パンを焼く寓話、印象的でした 白い人、基督教感じざるを得ない環境で生まれ育ちながら悪事を働く彼等はただサディズム的何かに突き動かされることで、基督教からの束縛から抜け出し精神行為の自由を獲得しているのだと、考えさせられました。人の内側への想像、行為の契機を想像する幅が広がるような気がしました 黄色い人、紛れもなく私は黄色い人である自覚があります。無知の知ではないが、曖昧にしていたその事実を自覚したいま神ではなくとも自分の良心を大切にすることで、目の輝きを取り戻していきたいと感じられました
0255文字
のりちょ
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他の人のレビューを読んでやっと理解できた本。 第二次大戦下、歪んだ癖(だけど、ものすごく人間味がある)を持つフランス人(ドイツ人とフランス人のハーフ)を通して白人の宗教観を語っている(らしい)。従姉妹を犯し続ける日本人を通して黄色人の薄っぺらい宗教観を語っている(らしい)。 神に常に見られている。と言う意識を持っているのは一人だったように感じる。ほとんどの人はみな自分が可愛いんやで。
0255文字
外枠発走
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文学賞受賞作。第二次世界大戦という特殊な現状において、欧米人と日本人の宗教観の違いがそれぞれの物語の背景となっている。「白い人」は、欧米人が犯した罪を通して、欧米人の宗教観に迫っている。著者が日本人であることを考えると、ここまでの洞察は、なかなかできることではないと関心した。「黄色い人」は、日本人の宗教観の薄さを述べた物語。「白い人」と対になっている。物語では、神父が日本人の実直さと宗教観の薄さが結びつかない様子がわかりやすく描かれていた。どちらの作品も俗っぽいが、深みのある「白い人」の方が印象的だった。
0255文字
Lisa Tada
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「白い人」は、私にとっては、衝撃的。絶賛。誉め言葉しか出ない。日本人が、フランス人に成り切って、「日本人にとってのフランス文学とはいかなるものか?」を形にしたような作品でした。「白い人」「黄色い人」いずれにおいても、第二次大戦下の、フランスでのナチズムや、閉塞的な日本の日本人の心理を、かように描いたこと・描いた人がいる、ということ自体も、私にとっては衝撃的だった。解説の山本健吉氏のいう、漱石の「それから」との比較も興味深い。改めて、「第二次大戦を通り越した日本人の視点」で鴎外や漱石の作品を読むのも興味深い
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コトラー
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遠藤周作が芥川賞作家だということも知らなかった。ゲシュタポの手先となって、かつて関わりのあった男女が苦しむことに喜びを感じる「白い男」。「疲労」を理由に神父を助ける行動をとらず、幼馴染の婚約者を犯し続ける若い男「黄色い人」。日本に根づく汎神論がキリストに信仰をもつ妨げになっているのは確かだろう。作者の意図することは一読ではわからない。しかし、こういう言い方をしていいものかどうか悩むが、おもしろかった。
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優希
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信仰と自分の違和感が軸になっているのでしょうね。芥川賞受賞作『白い人』、初期作品『黄色い人』は内容が対になっているようでした。ですが、常に1つの神への信仰というのは軸にあるように思います。難しいテーマであるからこそ、クリスチャンとして考えねばならないのかもしれません。
コトラー

こんにちは。優希さんのレビューで本書を知り、読んでみました。おもしろかったです(といっていいものかどうか)理解するには至っていないのですが。ご紹介ありがとうございました。

04/01 07:32
0255文字
オッキー
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★★★☆☆
0255文字
夏
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ネタバレ何気に芥川賞受賞作品をまだ読んでなかった。遠藤周作やっぱり好きだな〜、劇的な西洋。疲れ切っている日本人。
0255文字
ブラム
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芥川賞受賞作の「白い人」「黄色い人」。少し内容理解が難しかったです。しかし、ここから洗練されていき、のちの作品が生まれたと思うと読んでよかったと思いました。
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