読書メーター KADOKAWA Group

月夜のでんしんばしら(Kindle版)

感想・レビュー
20

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
ヴェネツィア
新着
月の夜に電信柱の隊列が行進するといった、硬派のファンタジー。軍歌にのって高らかに歌い上げられるオノマトペも「ドツテテドツテテ、ドツテテド」と硬く重い。どうかとは思うが、時々、賢治にはこうした軍隊趣味めいたものがあるようだ。賢治もまた時代の子だったということか。その一方ではエスペラント運動などにも関わり、グローバルな指向も併せ持っているのだが。物語では「電気総長」という発想もユニークで、これまた賢治らしい。翻れば、そもそもこの作品の基調を成す鉄道趣味もまたそうだ。こちらは擬人化されつつも、強い存在感を放つ。
えか

電気総長が走っている汽車に乗り込んで、室内灯を直すのがカッコいいです。あんな目立つ行進していて、汽車の乗客には、見つかってはいけないのも、お間抜けで楽しいです🤣。

10/03 23:36
ヴェネツィア

えかさん、なるほど。それがえかさんが、この作品をこよなく愛する最大のポイントだったのですね。

10/04 05:05
0255文字
momen
新着
電信柱を軍隊に見立てた短い童話。電信柱の構造を兵隊の服装や武器に見立てた描写は可愛らしいと同時に、厳しい行軍や訓練方法など当時の軍隊の様子が垣間見られて興味深い。電気を擬人化した登場人物の存在や主人公との会話は、電車や電灯が普及し始めた当時の技術水準や人々の認識が見て取れる。最新の軍隊や科学技術に対する理想や期待を子供向け作品にしたところに、宮沢賢治の社会や学問に対するストイックで現実的な考えが透けて見える。個人的に主人公と電気総長が握手し友達になるシーンが優しげで好き。
0255文字
individual
新着
ネタバレ『月夜のでんしんばしら』は、ある晩に主人公の恭一が鉄道線路の近くをあるいている、というような叙述で始まります。「線路」は装置として、作品中でよく使用されます。たとえば、小説では芥川の『トロッコ』で、アニメでは『風立ちぬ』で、それぞれ違う用法で使われています。『風立ちぬ』では、汽車に乗っている主人公と、それの「線路」を辿って街まで出稼ぎに行こうとしている方々が映るシーンがあります。おそらくこの場面は、当時の日本社会の貧富の格差を描いているのでしょう。『風立ちぬ』の時代(大正の後半〜昭和の10年前後まで?)
individual

には、事実として、貧富の差が存在していました。芥川の『トロッコ』での「線路」の使われ方は、賢治の『月夜のでんしんばしら』での「線路」の使われ方と、似ていると思います(どこが似ているのかについては、まだうまく記述できません)。作中で恭一(子ども)は、晩に鉄道線路の近くを歩いているので、おそらく彼は家から追い出されたのでしょう。僕は『注文の多い料理店』(短編集、角川文庫)を読み終えました(まだ感想文を書いていない作品がありますが)。そのうえで僕が1番書きたいことは、これらの作品では、「非日常の世界」が、

05/25 19:41
individual

作中の主人公たちにふさわしいかたちで出現していることです。賢治は、主人公たちのこころを映しとるように、「非日常の世界」を描いていると僕は思っています。たとえば、『月夜のでんしんばしら』では、線路を辿っている恭一が、「非日常の世界」に入りますが、この世界の方々は、少なくとも恭一を騙そうとはしていません(おそらく恭一の境遇が映されている)。反対に、『注文の多い料理店』では、紳士たちのこころを反映して、この世界の方々は、紳士たちに容赦がありませんでした。

05/25 19:42
0255文字
優希
新着
賢治の得意とするオノマトペが楽しかったです。
0255文字
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
新着
ネタバレ#Youtubeで朗読が聴ける宮沢賢治 これまたとってもへんてこな話。短いが強烈なインパクトがあった。本人によるスケッチ(ってなんだよ)も残っている。電信柱の行進だ、軍歌を歌って勇ましく、でも人に見られちゃいけない、そんな夜。https://www.youtube.com/watch?v=mGwr5Eo1zgc
0255文字
みもざ
新着
『ドッテテドッテテ、ドッテテド』賢治特有のオノマトペが心地よい一冊。恭一が車窓から月夜と飛び去る電信柱を眺め、電車の音と振動を感じながらウトウトと夢を見る姿を想像した。電信柱が行進を始めるなんて、子供の想像力は無限大。そしてその心を大人になっても忘れなかった賢治の偉大さ! 繋がれた電信柱の兵隊たちは痛みがあっても立ち止まることは許されない。これは弱者が守られないまま変化していく社会への批判だろうか。そして電気総長との握手は便利さに隣接する危険の啓発だろうか。そんな事を考えながらゆっくり読んでみた。
0255文字
がらくたどん
新着
『電線絵画』からの連想でもう一つ。9月の月夜の胸騒ぎ。鉄道線路に沿って電信柱の軍隊が隊列整え行軍中。隊列を乱す弱った電信柱は仲間にどやされ引きずられ。指揮を執るのはしわがれ声の「電気総長」たるおじいさん。列車の明かりを灯す役目も忘れて号令掛けて「並足すすめ」とヤレ楽し。賢治が好んだオノマトペも「ドッテテドッテテドッテテド」とここでは最高に醜い響きをあげる。電車の通過で行軍も中止。客車に灯がともる。「あかるくなった、わあい」と子供の声。そうだね、電信柱達だって果ての知れない行軍よりは子どもの喜ぶ顔が見たい。
0255文字
ぱんだ
新着
ちょっと不気味なお話。
0255文字
めしいらず
新着
オノマトペに乗せられて楽しげに思えてしまうけれど、もし実際にこの電信柱の行軍を目の当たりにしたなら絶対に腰を抜かすこと請け合いである。
0255文字
seacalf
新着
手元に本がない心細さ、それを解決してくれるのがAmazonのKindle。しかも童話一編から読めるなんて気が利いている。「ドッテテドッテテ、ドッテテド」宮沢賢治らしいオノマトペがきっちりはまると、瞬く間に童心を蘇らせて、想像力次第で身近な世界がファンタジーになる。つかの間、現実を忘れさせる。図書館も利用しにくくなったご時世になったし、そろそろ読書用のタブレットも購入するかな。
0255文字
りつか
新着
ネタバレ電信柱の行軍。軍歌が独特。
0255文字
花散里
新着
18分
0255文字
多読多量連投が日課だった
新着
人がいない時に電車の電信柱が軍隊ゴッコする話。相変わらず不快な擬音描写で文字稼ぎである。毎回酷いから大阪のおばちゃんの爪の垢を飲みたまえ。
0255文字
瑪瑙(サードニックス)
新着
ネタバレ月夜だけ電信柱の行進が見られるのかしら?電信柱が軍歌みたいなのを歌いながら行進してたら不気味だわ。恭一が頭が痛くなるのもわかる。おじいさんが握手しようと言った時嫌な予感がしましたがやっぱりそうでしたか。電気がピリピリ。電気総長さんでした。列車の電燈が消えていたのは行進なんてしてたからじゃないのかしら?それなのに、「けしからん」とはちょっと笑ってしまいました。不思議なお話でした。
0255文字
火冬
新着
☐大満足 ☑満足 ☐普通 ☐不満 【備考】kindle版無料本。「ドッテテドッテテ、ドッテテド でんしんばしらのぐんたいの その名せかいにとどろけり」 電信柱が行進している光景に出くわしたら度肝を抜かれるだろうけど、ちょっと見てみたいという気持ちもある。
0255文字
橘
新着
でんしんばしらが行進するなんて、不思議ですが、楽しそうで見てみたい光景です。汽車がくると号令で固まるのもかわいかったです。
0255文字
miku
新着
自分の読解力が乏しいせいだろうか。読んだ最初の感想が「意味が判らない!」だった。恭一が子供だというのも後で知った。最初は大人だと思ってた。でも「ドッテテドッテテ」はリズム良くて好き。これは何度か読んだ方がいいかな。
0255文字
yu
新着
iBookにて読了。 電信柱の行進、想像すると怖くもあり、可愛らしくもあり。 ちょっと休んだら怒られるのは可哀想だったけど(笑)。
0255文字
Mariamaniatica
新着
電気が使われ始めた頃のおはなしなのかな。兵隊のように動く電信柱の表現が、怖くもあり美しくもあり。未知のものに対する不安感とか。リズムのある文章は音読したらよいのかも。
0255文字
全20件中 1-20 件を表示
月夜のでんしんばしら評価86感想・レビュー20