【私の成分百種の三十「ジョン・レノン『イマジン』」】眼鏡をかけたビートルは極めて理知的です。たぶんこの人は作曲過程では凝りに凝ったコード進行やメロディを創っているはずです。人の心に響くトーンなどは考えに考えたものに思えます。そして、そのうえでジョンは多くの人に聞いてもらうために粋を極めるように単純にしたのだと思うのです。
アルバム・タイトルにもなっているイマジン、彼はメロディもリズムも極めてシンプルに進行させて、ピアノも少し習った人ならば簡単に弾けるでしょう。ジョンは手の大きい人だったようで、たまに幅広いスケールがあらわれますが、そこを頑張れば本当に簡単に弾けますが、しかしその響きの美しさは類を見ません。そしてストレートでありながら心にそっと問いかけるような歌詞、ジョンはこの歌を通して自分で考える、自分の心を見つめることを伝えたかったのでしょう。だからこそ、一度聴けば忘れがたき美しさとシンプルさを重視した曲作りをしたのだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=wARpk54fv8U
私はこのアルバムの中で一番好きなのは、いえ、ジョンの曲の中で一番好きなのがジェラス・ガイです。
https://www.youtube.com/watch?v=wADRRYNHhOA
ハイ・トーンで歌われる切ない、そして強い意志を持った曲です。
この曲の魅力を私がくだくだと言うよりも、カヴァーした人たちをあげればいいと思うのです。誰もかれも良い曲コレクターたちです。
ダニー・ハサウェイ、https://www.youtube.com/watch?v=LfY4NLxl72g
ブライアン・フェリー、https://www.youtube.com/watch?v=hRzGzRqNj58
そしてロッド・スチュワートです。https://www.youtube.com/watch?v=KlqqlddVQs0
お時間があればぜひお聞きになってください。
若くして亡くなった、夢の途中で天に召されたジョン、その魂は曲とアルバムがある限り、つまり人の世がある限り生き続けるのです。
命は永遠の側面も持つのです。
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