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文春新書『生きる哲学』を精読する。

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8 第6章を読んで とてもとても美しいお話でした。宮崎駿さんが、堀辰雄さんに敬意を表して「風立ちぬ」を作られたんですね。名場面が何度も蘇りました。愛する人の死という最も苛酷な悲しみの向こうに、生きている間には得られなかったほどの深い繋がりができるのですね。そこにこそ本当の幸福を垣間見た気がしました。引用されているリルケのレクイエムも深いです。最後に、死とは外部世界から去り内なる世界に生まれること。世界が真に存在するのは内なる世界においてであるとは、リルケの、また堀辰雄の確信だったと言い切っているのです。