『赤黄男百句』という本を読みました。
詩人である吉岡実の散文で富澤赤黄男(とみざわかきお)を知りました。富澤赤黄男は俳句を現代詩の一分野として追求し、季節感のない無季俳句をはじめとする実験的な俳句を詠みました。
以下私の好きな十句
落日をゆく落日をゆく真赤い中隊
一木の凄絶の木に月あがるや
蝶堕ちて大音響の結氷期
草原のもりあがらんとする 驟雨
蒼空の けらけら嗤ふたり 柘榴
暗い灯の下の 冷たい 無精卵
満月光 液体は呼吸する
三角形の 黒の物体の 裏側の雨
無題の月 ここに 壊れた木の椅子がある
灰の 雨の 中の ヘアピンを主張せよ
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