「よし、次はネコ獅子舞だ!」
わさびの獅子舞はすごくカワイイに違いない!!
よし、次は正月にむけて、がんばるぞー!
えっ、大掃除?
ふと見ると、私が散らかした部屋とわさびがストレス発散とばかりに荒れていくへや。
今まで無駄にした布や糸の数々。
目をそらす。
そして、全力で現実逃避ーー!
よし、獅子舞だ!
最初は全身、サンタのイメージが、サンタ帽とケープだけ。
初心者でも立派だよね。
帰ってわさびに服を着せてみる。
しかし、グールガンの固まった部位が気になるのか、服をカイカイと破ろうとしてしまう。
「あ、あ〜あ! ダメ、ダメ! わさびだめ!!」
なんとか、数枚の写真はとれたのが幸い。
こんなことで数日の苦労は報われるのさ……
苦戦、数日、百均のグルーガンを発見。
ペタペタはるだけで、簡単に服がつくれてしまった!!
数日の苦労はなんだったのだろうか。
「神はここにいました!!」
わさびは王子様なら、ダ◯ソーは神だ!!!
こんな、不器用な私がわさびに服をつくれるなんて!
ガマンして。
ペロリ
えっ、
「な〜」
そこには心配しているわさびがそばにいた。
ペロペロと私の指先をナメてくれていた。
私を癒やしてくれているみたい。
そのまま、私の膝に擦り寄せた。
「まったく、ウチのコは本当に王子様〜!」
こんな、初めてする苦労も君の笑顔に癒やされてしまう。
よし、ガンバロウ!
ウチのコは可愛すぎる。
この子のサンタ姿なんて、とてもカワイイに違いない。
「ちがう!」
せっかく買ったホッチキス型のハンドミシンも上手くいかない。
下糸がほどける。
何度も玉結びしても、ほつれるほつれる。
ぬい目がまっすぐに進まない。
と、とまらないーー!! ひゃ~~!
指にミシンが迫る。
ちょ、ちょっとーーー!
「ギャア!」
指をさす。
始まりはサンタネコの愛らしい画像の数々を見たていた瞬間。
ビビビッときた!
そうだ! 愛猫のワサビをサンタネコにしよう! 絶対にカワイイに違いない!
勢いではじまる。 それは失敗の始まり。
「あれ、なんで真っ直ぐに切れないの?」
百均フェルトでも、10枚失敗すると千円以上かかるんだぞ!
おのれ、不器用な私!
「なんで、ネコってはかるたびにサイズがかわるの?」
四つんばい姿勢ではかるのがいいんだけど、はかるたび数字が変化する。
猫は液体なんて、いうけど……
2
まずは、基礎知識、クリスマスとは。
クリスマスはキリストの誕生を祝日。
いやいや。
クリスマスは友達と集まり、楽しむお祭り。
ボッチには、かんけいなーい!!
クリスマスは恋人が集うピンクの聖夜。
断じてNOー!
ペット愛好家はいう。
クリスマスは愛しのペット写真をとり、ペット用ケーキをプレゼントして、ペットに鶏肉を自慢する日なのだ!!
「……36センチ……ギャア!」
追いつめた愛猫ははねて唯一の逃場、エアコンの上にとびあがった。
「あっ、あああーーー!」
これじゃ、サイズが、サイズが測れない!!!
ビクッ!
君が異常に気づいて飛び上がる。
素早く、逃げだした。
警戒してもムダなの。
だって君は逃げられない……
逃げ場のない部屋を、必死にかけていく。
私はわざと視線を合わせおいつめていく。
あわてふためく瞳に写る……私はひどく歪んだおそろしい笑顔。
ゆっくりとちかづく。
君は逃げようと、ドアをカリカリ。
「ふふふふ」
あきらめた彼はビクッとふるえた。
そんな、君の首にヒモをかけ、一気にヒモを引く。
1
君は油断している。 忍び足で気配を消し少しずつちかづく。
ベットで眠る愛しの君。
しあわせは眠りの中。
大丈夫、すぐに終わらせてあげるから。
私はポケットから、細長いヒモをとりだす。
これが最初の凶器…
楽しみ……
このヒモをゆっくりと君の首へ……
えっ、勝てるはずはないってどういうこと、つまり、こういう事。
ベットから下ろす事なんてできるわけない。
重さが心地よくなっていく。
このまま、眠りにおちる……今日もまけた。
その度にスマホのフォトにあふれる愛猫の画像たち。
同じ構図を毎日なのに飽きがこない。
キジトラバンザイ!!
毎夜、エアコンから私のお腹にダイブする猫。本当に飽きないね。
私もこの毛並みとモチモチ感はあきないよ。
午前2時半……か、昨日は1時か、昨日のよりは寝れたかな。
おやすみ……
「ウチのコ、可愛すぎ〜」
画像に写るのはキジトラ柄のデブ猫。
油断しきった瞳は眠たげに不機嫌な目をむけている。
ギリギリで気づいたらしい。
けど、遅かったな。
ふふふふ。
私にオシリをむけていたデブ猫に一死むくいたぜい……
スマホをサイドテーブルに置き、キジトラ猫のおしりをモフる。
そしてモフるモフるモフる♪
フワフワすぎる毛ざわり、そして、この贅肉、まさにモチモチ。
ずっと、さわり続けられる。
ホント癒やし……
左手だけでスマホをささえ、アイツの姿が入るように角度をととのえ……
むりやりシャッターボタンに指をのばす。
カシャ
よし、撮影成功!!
すぐに画像を確認、確認〜♪ そこには油断しきった姿。
情けないぐうたらのきわみ
ニマリと私は満面の笑みをうかべる。
「ぐえっ!」
強烈な一撃に。
おもわず意識が……
痛い、重い、動けない。
この重さはいつものこと……
右手はふさがれている。
はらいのけるのは簡単。
でも、ダメ!
油断させないと。
動けるのは左手…だけ。
勝てるはずはないけど、せめて……
左手でスマホをひらく。
こんなこともあろうかと、カメラアプリは立上げたまま。
私たちのような人間にとってスマホは最大の武器。
よしよし、スキだらけ。
あいては別の所をみている。
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