お題本についてお喋りする読書会です。今回の課題本は伴名練が編んだアンソロジー『日本SFの臨界点[恋愛篇]』。
手に入りにくい著者短編集未収録の作品を中心にしたセレクション(しかも粒揃い)、かつSF初心者向けの親切なブックガイドまで収録しているため、SF初心者からSFマニアまで唸らせるアンソロジーになっています。SFを読みたい人はとりあえずこれ読んでおけば間違いないのでは。
[怪奇篇]と同時刊行ですが、[恋愛篇]はドラマチックでストーリーが秀逸な作品が多いように感じます。
参加を希望する方は下の説明をお読みいただいた後、【お題本を読む意気込み(or 読んだ感想)、希望する日程(あれば)】をコメントしてください。
定員に達するまで募集します。よろしくお願いいたします!
○日 時 :2020年9月13日(日)16:00-18:00
○場 所 :Zoom(カメラのオン/オフは任意です。オンの方が話しやすいと思います)
○対 象 :読書メーター歴3ヶ月以上のアクティブユーザー、20歳以上。
○参加費 :無料
○定 員 :7名
怪奇篇のイベントページはこちら https://bookmeter.com/events/7693
【読書会の進め方】
・事前に参加者の皆さんはお題本を読んでおいてください。
・読みながら感じたことや考えたこと、話し合いたいことをメモしておいてください。
・あらかじめ話し合いたいテーマを募集し、当日はそのテーマに沿っておしゃべりします。
・時間が許せば、お題本から連想する本を紹介したりする時間も設けたいと思います(これはオプションなので、特に考えていただかなくても大丈夫です)。
トークテーマ案
・全体的な感想
・怪奇篇と恋愛篇どっちが好み?
・好きな作品と嫌いな作品
・初読作家とその印象
・自分がアンソロジーを編むなら
・日本SFの臨界点 ○○篇
・△△△の臨界点 ○○篇
・これが好きならこれを読め
【お題本について】
伴名練『日本SFの臨界点[恋愛篇]: 死んだ恋人からの手紙』(ハヤカワSF文庫JA/ 2020年刊)
○編者:伴名練(2019年のベストSF第1位(国内篇)に選ばれた『なめらかな世界と、その敵』の著者。「世界で一番2010年代、世界で最もSFを愛した作家」 https://www.hayakawabooks.com/n/n074ba53b3392 )
○収録内容:
・中井紀夫「死んだ恋人からの手紙」
(〈SFマガジン〉1989 年6月号/早川書房/ 1989 年刊)
遥か彼方から届く、何通もの恋人からの手紙から浮かび上がる物語。異星人の思考体系とは。この作品は某有名一流作家の短編小説のアイデアを9年も前に導入している。
・藤田雅矢「奇跡の石」
(〈SFマガジン〉2000 年2月号/早川書房/ 1999 年刊)
超能力者たちが暮らす東欧の小さな町を調査した男が出会った不思議な少女。超感覚的な共感覚ファンタジー。
・和田毅「生まれくる者、死にゆく者」
(〈SFマガジン〉1999 年10月号/早川書房/ 1999 年刊)
人間が“少しずつ”生まれ、“少しずつ”死んでゆく異世界の家族ドラマ。(和田毅って誰?その正体は……)
・大樹連司「劇画・セカイ系」
(『正常小説。』(同人誌)/ 2011 年刊)
いきなり大量のルビと共に語られるセカイ系のクライマックス。それを書いたライトノベル作家が直面する過去の青春と目の前の現実。藤子・F・不二雄「劇画・オバQ」×セカイ系。ゼロ年代のセカイ系を総括した一作。Twitterで話題沸騰。
・高野史緒「G線上のアリア」
(〈SFマガジン〉1997 年2月号/早川書房/ 1996 年刊)
去勢歌手と恋人ウラニアが繰り広げる、中世から電話が存在した改変歴史SF。ありえたかもしれない近代ヨーロッパ史。
・扇智史「アトラクタの奏でる音楽」
(『NOVA9』/河出文庫/ 2013 年刊)
AR(拡張現実)の溢れる近未来の京都を舞台にした青春SF。ストリートミュージシャンと京大工学部の少女がガールミーツガールを繰り広げる。
・小田雅久仁「人生、信号待ち」
(〈en-taxi〉vol.40 /扶桑社/ 2014 年刊)
人は人生の何%を信号待ちして過ごすのだろう?信号待ちという日常なイベントから始まるが、著者の魔術的手法でワンダーランドへ連れて行かれる。
・円城塔「ムーンシャイン」
(『年刊日本SF傑作選 超弦領域』/創元SF文庫/ 2009年刊)
本書の中で最も歯応えのある作品。数字にまつわる特殊能力を持った少女が登場し、その世界観を表現したエッジの効いた数学(群論)SF。
・新城カズマ「月を買った御婦人」
(〈SFマガジン〉2006 年2月号/早川書房/ 2005 年刊)
竹取物語SF。令嬢が求愛者に出したとんでもない条件を達成するために、求婚者たちのとんでもない技術開発が始まる。劉慈欣が三体で書いたあのアイデアの萌芽が見られる。
・各著者の詳しい紹介
・編集後記
-あとがき
-アンソロジーガイド Part1(SFが気になりはじめた方へのガイド)
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