本を読むことは、字を書くことや歌を歌うことと同じように、全然しなくても上手くできる人と、いくらやっても上達しない人がいるのだろうと思います。
私は間違いなく後者です。一冊読むのにすごく時間がかかる上に、読んだ内容はすぐ忘れてしまいます。人の心をつかむ文章を書こう、としている身なのに、そうなのです。
それでも、書いては読み、読んでは書き、を繰返すと、今まで模様のようにしか見えなかった一行一行が、言葉として己が持つ意味を伝えてくるようになる。
硬い石でできた大きくて分厚い扉が少しづつ開いていくような手ごたえがあり、くせになります。
文は人なり、という言葉はよく否定されもしますが、私にとって、書くこと、読むことを続けることは、やはり、人として伸びていくことです。ものの見方を鍛えることであり、自分の年齢や経験や性別や境遇を肯定することです。
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