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Amano Ryota
さんの感想・レビュー

Amano Ryota
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この本は、恐らく日本の近現代文学(特に、小説と呼ばれているもの)について語られているはずなのだが、どこか腑に落ちない。本文では、小説からの引用があり、勿論、それらについての著者の考察も述べられているので、文章や話の流れとして不可思議なところはない。ただ、最初から最後まで、出来る限り文章を文章のまま吟味する姿勢(例えば、近代の文豪の名前が片仮名表記されていたり、地の文と引用文の区別がつきにくくされていたり、巻末の引用文献リスト以外で極力著者名が伏せられていたり)が貫かれている。この強い拘りは何なのだろうか。
Amano Ryota

(追記)文章を文章のまま吟味するということは、例えば、文章から作家の顔を消すことだったり、そこから派生して時代との関係性を消すことだったり、そういう言葉を取り巻くものから、純粋に言葉だけを取り出してみようとすることで、小説というものが、死者の代弁であり、語ることで本来の何かを損なうルールを持ったものであり、というような、見えない共通項を浮かびあがらせる効果があるのかもしれない。

03/24 15:31
0255文字
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Amano Ryota
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読書データ

プロフィール

登録日
2014/04/25(3988日経過)
記録初日
2014/01/11(4092日経過)
読んだ本
515冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
125287ページ(1日平均30ページ)
感想・レビュー
498件(投稿率96.7%)
本棚
2棚
性別
外部サイト
自己紹介

さあ、今日も楽しく読み、楽しく書こう。

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