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2024年10月の読書メーターまとめ

mandaraderluste
読んだ本
2
読んだページ
594ページ
感想・レビュー
2
ナイス
9ナイス

2024年10月に読んだ本
2

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

mandaraderluste
大江健三郎にとって、息子の誕生がどのようなものであったか。本作から読み取るのはそれが彼にとってまさに青春的な「体験」であったということだ。青年が壮年に至る契機となる体験、「個人的な体験」とは卓抜な題名である。持って回った文体、セクシュアリティの青臭さは、かなり古臭い印象を拭えない。しかしその完結の唐突さも含めて、一つの体験から生き返る個人の切実さが結果的に表現されていると読むのは、いささか好意的に過ぎるだろうか。現代的な倫理観で読むと、大江のこの屈折は良かれ悪しかれなかなか理解されないのではとも思った。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
2

mandaraderluste
本書はあくまで出口なおという稀代の宗教者の評伝であり、大本を主題とするものではない。なおの思想を、出口王仁三郎の影響のもと大本として成立する過程の中から慎重に析出し、なお独自の思想としてできる限り純粋な形で捉えようとする。 それは前近代の遺制が色濃く残る綾部という場所において、近代化への急展開に文字通り蹂躙される民衆の中でも、最も弱いものに憑依した奇蹟を捉えようとする試みである。 これは近代民衆史、社会心理学の一つの奇蹟であって、安丸はその結晶化に望みうる最良の成果を出していると思われる。名著である。
が「ナイス!」と言っています。
mandaraderluste
大江健三郎にとって、息子の誕生がどのようなものであったか。本作から読み取るのはそれが彼にとってまさに青春的な「体験」であったということだ。青年が壮年に至る契機となる体験、「個人的な体験」とは卓抜な題名である。持って回った文体、セクシュアリティの青臭さは、かなり古臭い印象を拭えない。しかしその完結の唐突さも含めて、一つの体験から生き返る個人の切実さが結果的に表現されていると読むのは、いささか好意的に過ぎるだろうか。現代的な倫理観で読むと、大江のこの屈折は良かれ悪しかれなかなか理解されないのではとも思った。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/07/10(1964日経過)
記録初日
2019/06/24(1980日経過)
読んだ本
117冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
39620ページ(1日平均20ページ)
感想・レビュー
99件(投稿率84.6%)
本棚
0棚
性別
外部サイト
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