ナチスのことを知りたくないので、この本で終わらせる為に読んだ。歴史学の知見の総合としては素晴らしい。だが、歴史を解釈する楽しみは研究者に独占されているのだろうか？歴史学の方法論と研究史は示唆に富み、それ自体面白い。しかし、本書で述べられるような〈解釈〉を踏まえるとは研究史を纏めることである。〈意見〉を言う為に一々各分野でまとめることは現実的でないと研究者自身よくわかっているにも関わらず、〈解釈〉を踏まえて〈意見〉するべきとは要するに〈解釈〉と〈意見〉の独占である。最後に、後書きのカギカッコが無駄に多い。

18巻までは現場視点で凄く良かったが、19巻の後半から徐々に変わりはじめて、もはや経営幹部の啓発漫画になってしまった。そんなものを求めてないんだよ。学問的なツールと市場構造は、記事や文献を読めば分かる。現場経験と実務から来る人間を見たいんだよ。絵は上手くなっているが、漫画的な過剰表現や決め台詞のトーン、読者の予想を裏切ろうとする流れを作者が意識しすぎて、上述を踏まえたこの漫画の魅力を啓蒙的なものへと台無しにしてしまった。初期のように現場や生産に焦点を当てた、人間の地道な成長や変化を期待して読んでいたのに。

ナチスのことを知りたくないので、この本で終わらせる為に読んだ。歴史学の知見の総合としては素晴らしい。だが、歴史を解釈する楽しみは研究者に独占されているのだろうか？歴史学の方法論と研究史は示唆に富み、それ自体面白い。しかし、本書で述べられるような〈解釈〉を踏まえるとは研究史を纏めることである。〈意見〉を言う為に一々各分野でまとめることは現実的でないと研究者自身よくわかっているにも関わらず、〈解釈〉を踏まえて〈意見〉するべきとは要するに〈解釈〉と〈意見〉の独占である。最後に、後書きのカギカッコが無駄に多い。

因果推論と統計学に興味を持って読み始めた。因果推論と統計学を使わなければ科学ではないという近年の風潮や言説が私を最後まで読ませた。つまり、この方法論を使わないものは科学ではないという馬鹿にした嘲笑や侮蔑は、人をそれから遠ざけるか、その理解へと駆り立てる。暴力的な表題や帯や煽り文に見られるように。思うに、社会科学は方法論的に正当化される思考実験であり、観察及び分析であり読み手に可能性を提供するものではあっても、ここから社会科学ここでは経済学を市場設計に活かすなどのエンジニアリングと呼ぶのは受け入れられない。