過去の記憶と現在を交差しながら事件の真相に近づいていくのが面白かった。冒頭を全て読み終わった後に読むと、心情を違った角度で見れて良かった。 小鳩くんと小山内さんが小市民を目指すきっかけが知れて嬉しい。 春期から秋期のお話を読んだのが10年以上前になるので、当時の気持ちを思い出しながら読んだ。

再読本。小市民になりたいけどなりきれてない描写が見事だなと思う。 小鳩くんって謎を読み解く事柄には敏感だけど、人の感情に対しては鈍感だと思う節がしばしばあって、小市民への道のりはまだまだ厳しそう。

登場人物たちの言葉や体温は感じるのに世界から切り離された空間を覗いているような心地になる。 「トランジット」がお気に入り。ある人の経験が他の人の言葉で伝えられる時間違った内容が加えられてしまうことはあるけれど、空港で話をした相手には「わたし」の祖父の記憶は正しい内容で伝わった気がする。

どんよりとして読後感も重ため。明るさのある登場人物に救われるかと思いきや、眩しさで逆に苦しくなる辛さ。考察で意見が分かれそう。

過去の記憶と現在を交差しながら事件の真相に近づいていくのが面白かった。冒頭を全て読み終わった後に読むと、心情を違った角度で見れて良かった。 小鳩くんと小山内さんが小市民を目指すきっかけが知れて嬉しい。 春期から秋期のお話を読んだのが10年以上前になるので、当時の気持ちを思い出しながら読んだ。