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2025年2月の読書メーターまとめ

namayagi
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2025年2月に読んだ本
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2025年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

namayagi
藩閥をはじめとする派閥や人間関係、出世を含む人事と個人の資質。世界情勢、人物の家庭環境や来歴。それらが複雑に絡み合って、戦争の中で大きな被害を生むことになったり、逆に運をつかむような形で思わぬ結果が立ち現れてきたりする。そのことをできるだけ丁寧に、事実に基づいて描写しようとしていた。一戦ごとに結果を生むこととなった要因をできるだけ説明しようとする作者の意図は感じたし、そのことを当時の人はどういう言葉で記録していたのかまで多数紹介されている。
namayagi
2025/02/24 08:43

読んでいてしんどいなと感じるところとして乃木希典や伊地知幸介への描写がある。飲み会で自分の知らない職場の上司への愚痴を延々聞かされているような気分になった。実際にそういう人物だったのか、物語の悪役的要素のためにやや脚色されたのかはわからないが、軍部の全員が人格者であるわけもなく、能力的に万能な人間ばかりではないことは間違いない。

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2025年2月にナイスが最も多かったつぶやき

namayagi

noteに書いた『坂の上の雲』よ感想を切り貼りしてたら読みにくくなったかもしれない。こちらで一気に全文読めます。 https://note.com/namayagi/n/na9816adac72f?sub_rt=share_b

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2025年2月の感想・レビュー一覧
4

namayagi
戦争が進んでいく中で、現場からの報告が無視され、人員や砲弾が足りないままで現場は回すしかなく、被害が拡大していく。その様子が、戦争ほど過酷なものではなくても、「現代社会の労働条件も国家運営もそうそう変わっていない気がするな」と思いながら読んでいた。現場が必死で前線の苦境を伝えても、本部にはそれが届かず、想像力のない幹部に罵られる。運営能力のある上層部もいるが、そもそも人員物資ともに不足しており、ない袖は振れない。どれだけ采配に知恵を絞ってやりくりしても、足りない人員物資を無から生み出すことはできない。
namayagi
2025/02/24 08:50

そして、前線で目の前の仕事に対応するしかない勤勉な人たちがバタバタと倒れていく。現場の人間は、「上層部は遠く離れた安全地帯から、他人事のように文句を言っている」と思うし、上層部の人間は「どうしてこうも成果が出ないのだ。あいつらは何をやっているんだ」と現場の人間の無能さやミスに責任転嫁するという不毛な軋轢。戦争がなくなって、時が流れても組織というものはどこまでも機能不全でうまくいかないものなのだなと思う。

namayagi
2025/02/24 08:51

この『坂の上の雲』を読んでいてしんどかったのは、今まで歴史小説を読んでいて感じなかったそういう生々しさもひしひしと感じたからなのかもしれない。 ロシアの側でも、皇帝のような最高責任者とそれを取り巻く集団の腐敗が描かれ、無謀な作戦を止めるものもおらず、みな自分の保身を考えて行動している人だけが残っていく感じが、組織あるあるだなと思ってみていた。
 戦争ほど直結して人の生死に関わるわけではないけれど、集団における人間の本質というのは時代や状況が変わってもそうそう違うものではないのだということを感じたのだった。

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namayagi
藩閥をはじめとする派閥や人間関係、出世を含む人事と個人の資質。世界情勢、人物の家庭環境や来歴。それらが複雑に絡み合って、戦争の中で大きな被害を生むことになったり、逆に運をつかむような形で思わぬ結果が立ち現れてきたりする。そのことをできるだけ丁寧に、事実に基づいて描写しようとしていた。一戦ごとに結果を生むこととなった要因をできるだけ説明しようとする作者の意図は感じたし、そのことを当時の人はどういう言葉で記録していたのかまで多数紹介されている。
namayagi
2025/02/24 08:43

読んでいてしんどいなと感じるところとして乃木希典や伊地知幸介への描写がある。飲み会で自分の知らない職場の上司への愚痴を延々聞かされているような気分になった。実際にそういう人物だったのか、物語の悪役的要素のためにやや脚色されたのかはわからないが、軍部の全員が人格者であるわけもなく、能力的に万能な人間ばかりではないことは間違いない。

が「ナイス!」と言っています。
namayagi
戦争というものを捉えるとき、客観的数値や情報をただ羅列しがちであることを思うと、主観的な視点も交えて戦争を捉えようとする試みはおもしろかった。戦争映画や小説をいくつか見てきたが、どれも基本的に主人公は一人だった。これを三人にしたことで、より物語の話者と登場人物は遠くなり、物語も入り組んだものとなる。正岡子規と同郷の二人の人物が日清・日露戦争と深く関わっていることが、この物語の出発点である。三人の人物の人生を追いかけていくことで、自然と当時の時代の様子や、主題である日清・日露戦争の会戦及び海戦が登場してくる
namayagi
2025/02/24 08:33

主軸は三本柱のはずなのだが、その周りに伸びていく関わりをかき集めていくと、情報がいくつの筋にも広がり、日本にもロシアにもその視点は動いていく。(三人の中でも真之が主人公なのだとは思う。ドラマではそれをより強く感じた。)

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namayagi
紙の本、電子書籍、ドラマと3つの媒体を駆使して読書を進めた。社会の授業で習った明治維新、日清・日露戦争は教科書で数ページ。それをとてつもなく詳しく全八巻の小説という形で表現している。出てくる人物の性格や時代背景の説明にリアリティがありすぎて、登場人物のセリフや行動がどこまでが史実に基づいていて、どこからが作者の創作なのか、読んでいて事実関係が気になってソワソワしてしまう。そういう緊張感が全体に漂っている本だった。途中からは、史実に基づいた大河ドラマを見ているときのスイッチに切り替えて楽しむようにした。
namayagi
2025/02/24 07:25

社会の授業で習った時は、スポーツのハイライトを見る時のように、どこで戦ってどっちが勝った、活躍した人は○○みたいな感じでただ情報を受け取っていただけだった。だがこの小説では、三人の人物が松山という故郷から出発して、明治という時代を生きていくところから、視点が徐々に広がるように描写が進行していく。その時間の進み方は一回表から試合を見ていくような、そしてそれを1シーズン続けていくような壮大さがある。

namayagi
2025/02/24 07:26

戦争は国と国で行われるものなので当然ながら関わっている人の数が多く、何千何万という死者も出る。離れて見たらたくさんの粒が蠢いているような、それこそ遠い空の向こうで雲同士がぶつかり合って消えていくようなつかみきれない感覚になりそうなところを、三本の人物を柱にして地に足をつけ、そこから広がる糸をぐいぐい引っ張っていくような話なのだ。
 小説の方が、時代背景や藩閥政治、個々人の素質や性格に左右されている戦況を、時系列や場所を行ったり来たりしながら微に入り細に入り描写していた。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/08/10(2032日経過)
記録初日
2020/03/12(1817日経過)
読んだ本
66冊(1日平均0.04冊)
読んだページ
19537ページ(1日平均10ページ)
感想・レビュー
65件(投稿率98.5%)
本棚
0棚
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