なんだよ、ラブラブじゃねぇか(けっ)って感じの巻末だったけれど、これが良くてこれを求めていたのよな、ってのも事実。やんごとなき方に大病の気があって投薬や外科処置に大奔走だった15巻。現在ではありふれた病気に対する処置だったり偽薬投与実験のくだりとか、ホント上手いことラノベのテーマに落とし込むなあ、この作者さん。ところで出番なかったとは言え名バレした途端に人物紹介なくなった羅半兄がやっぱり不憫なんですけど！？(笑)

「悪よりタチの悪い正義」の弁舌。大好き。全てが戦災復興に関わるアリスの掲げる正義。「理想はいつから叶わぬ夢の代名詞になった」って良いセリフだ。セリフでいうと憲兵隊に戻ったハンクスの「民間人が民間人を取り調べることは絶対に許さん」も地味に好き。もちろんランデル伍長のセリフも好きだ。いいぞデカブツ、もっと踏み込め

ついに明かされるジャガーノートの威力。けれど切羽詰まって闇に落ちていくランデル伍長を見るのが辛い。そんな伍長をすくい上げるのがこれまで関わってきた三課の仲間のセリフってのが胸を熱くする。前々から思ってたけど、作者さんいじめられっ子というか、虐げられた人の感覚が分かりすぎてて怖い。だから面白いんだけれど。

ブライエニーの冒険譚やジェイミーのリヴァーラン攻めといったTVドラマで描かれなかった部分も面白いし、ドラマでは早々に退場していた面々の復活劇も壁の向こうの勢力と関係するのか今後も楽しみ。キングズランディングではマージェリーを陥れるはずが逆にサーセイの権力が奪われる構図に。こういう権謀術数大好きだ。ドラマと違ってまだマージェリー側の思惑が見えてないのが面白い。ってかこれだけ読んでてボルトンの私生児まだでてこないのかっ。ということは次あたり酷いことが？((((；ﾟДﾟ))))

「華竜の宮」の世界観を引き継いだオーシャン・クロニクルシリーズ。短編3本と中編が1本、どれもが海上民の視点での物語。ヒトから生まれ、ヒトのパートナーになるべく人工的に改造された魚舟がどうやって自分の朋を探し、忘れ、獣になってゆくかが描かれた「獣たちの海」も印象深いし、「華竜の宮」で大災害を乗り切るための秘策だったより海に適した人類として人工的に遺伝子操作されたルーシィととある海上民との触れ合いを描いた「老人と人魚」も面白かった。でも1番好きなのはやはり「カレイドスコープ・キッス」かなあ。

再読。かつての仲間が黒の陣営に立って牙を剥く。そこからの人格チェンジとかは覚えてたしガシュガルの行く末とか覚えてたけれど細部は忘れてたのでのめり込むように読めた。ダハールとかテルガーとか「そうやったっけ！？」ってなったわ。いやしかしテルガーといい、グッデンといいカムリ家の狼たちカッコよすぎんか？今読み返すと息子を救おう、逃がそう、あわよくば取り戻そうってしてるグッデン軍将の親心が透けて見えて良いわあ。後半のヒゼキア＝スラゼンの結婚式からの怒涛の展開は今読んでも面白い。

なんだよ、ラブラブじゃねぇか(けっ)って感じの巻末だったけれど、これが良くてこれを求めていたのよな、ってのも事実。やんごとなき方に大病の気があって投薬や外科処置に大奔走だった15巻。現在ではありふれた病気に対する処置だったり偽薬投与実験のくだりとか、ホント上手いことラノベのテーマに落とし込むなあ、この作者さん。ところで出番なかったとは言え名バレした途端に人物紹介なくなった羅半兄がやっぱり不憫なんですけど！？(笑)