出だし「俺は今裁かれている」とその回収が印象的な「万灯」か、なるほど感が捨てがたい「夜警」か。いや、やっぱりタイトル作の「満願」かも。舞台が昭和なのが、ちょっと埃臭いタイトルにも「ダルマに目を入れる」という今や選挙でもやんのか的な行為にもピッタリ。出所した元被告人から電話、その彼女の到着までの時間に過去を振り返っているわけだが、事実と主人公の疑念がじわじわ混じりーの、彼女が近づきーの。彼女が電話してきただけでなく、こっちに向かっているとした設定が上手い！危険度は低いはずだが黒い雲がヒタヒタ来てる感じが良い

まあ一人称のストーリーだし、こんなもんか…。素人娘がスーパーパワー持ちすぎててちょっと現実的ではなかったため、最後まで主人公が好きになれず。あの仕事にとどまる理由がそもそも無いというか。タイトルからして誰が黒幕か、というのも大体分かるし、何よりラストで台無し、というか…どっかのレビューで激賞されてて読んだけど、期待値上げすぎたかな。Huluで映像化の話があるようだが、エンディングは変えて欲しい(たぶん見ないけど)。

「吸血鬼ドラキュラ」を書いたブラム・ストーカーの話、ということで読んでみた。思ったようなドラキュラ制作の秘話ではなかったが、英国が最も輝いていて、世界基軸だった頃の描かれ方が美しい。成熟した文化を持つ、誰もの憧れの国だったビクトリア朝。その一方で、まだまだ夜は暗く、闇夜は不安を駆り立て、物陰には何かが潜んでいそうなゴシックな雰囲気…。いちばん好きなコッポラ版の映画「ドラキュラ」を再鑑賞したくなったけど、キアヌ・リーブスが台無しにしてんだよなあ、あれ…

出だし「俺は今裁かれている」とその回収が印象的な「万灯」か、なるほど感が捨てがたい「夜警」か。いや、やっぱりタイトル作の「満願」かも。舞台が昭和なのが、ちょっと埃臭いタイトルにも「ダルマに目を入れる」という今や選挙でもやんのか的な行為にもピッタリ。出所した元被告人から電話、その彼女の到着までの時間に過去を振り返っているわけだが、事実と主人公の疑念がじわじわ混じりーの、彼女が近づきーの。彼女が電話してきただけでなく、こっちに向かっているとした設定が上手い！危険度は低いはずだが黒い雲がヒタヒタ来てる感じが良い

最後まで頑張ったよなあ、ライラ！犯人は明かされているのでwhoのサスペンスはないが、その分、読み手は分かっているのに主人公が気づいていないハラハラがたまらん！さらに、ノーナンセンス上司やミネソタという土地柄でアジア人+女というハンデをモノともせず動く刑事なども含め、女性登場人物がキックアスなのも小気味よい。シリーズ3作目ながら、ジョーとその弟はほとんど出てこないので、彼らのファンには肩透かしかも。