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2024年9月の読書メーターまとめ

燠
読んだ本
7
読んだページ
1568ページ
感想・レビュー
6
ナイス
14ナイス

2024年9月に読んだ本
7

2024年9月のお気に入られ登録
1

  • マキロン

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

燠
こういうタイトルは苦手だ。ましてや「永遠の名著」とまで銘打たれている。生きる甲斐なんて、パスカルの言うように、呻きつつ求めるしかないものだと思っている。それなのにわたしが本書を読もうと思ったのは、店先で流し読んだときに感じた、筆者が人間に注ぐまなざしの、そのあたたかさのようなものに触れられたからだろうと思う。もちろんこの本を読んだからといって、生きがいが見つかるなどということはない。人生経験を踏まえて、あとからあれはこういうことだったのか、と納得するようにして読むのがいいように思う。
燠
2024/09/03 19:27

ところでこの本、おもしろいのが、本書執筆中の日記が収録されていることで、筆者の並々ならぬ熱意が感じられる。

が「ナイス!」と言っています。

2024年9月の感想・レビュー一覧
6

燠
筆者が、ギリシャ神話のシーシュポスや『城』の測量士K、『ゴドーを待ちながら』のディディやゴゴと一番大きく異なるのは、その強烈な自意識の存在である。来たるべきものがやって来ない自分というものを強く意識し、そして自分から自らをあれらの人物たちになぞらえにいくという態度に、正直少し白けてしまった。Kは『城』を読むことはないし、ディディとゴゴは『ゴドーを待ちながら』のない世界を生きている。不条理を求めるあまり、不条理という条理へと堕してはいないか。小説よりも奇であるところの事実を小説に這わせなくても、いい。
燠
『USO』はここから始まった。ミュージシャンでも1stアルバムにその後の萌芽が尖ったかたちで表現されていることってあると思うけれど、本書も尖ってる、と思う。「重い」文章が少なくはないのに、それでも読みやすいと感じるのは編集の妙なのだろう。文庫サイズという手に取りやすい大きさなのもそうだし、紙質のざらつきもどこか懐かしい。ちょっと読み疲れたな、と思ったタイミングで漫画が出てくるのもいい。次号が楽しみです。
燠
新本で手に入る三木成夫の文庫・新書は2024年9月現在3冊ある。その中で最後に読んだのが本書。この本は『内臓とこころ』所収の保育大学講義の「質問に答えて」で予告されていたもので、基本的な考えは変わっていないけれども、1冊の本(新書)として読まれることが想定されている分、読みものとしてのおもしろさが意識されていると思う。生命としてのリズムが無視されやすい今日において、わたしがひとつの生命(の一部)であるということを思い出させてくれる本だと思う。
燠
2024/09/20 02:12

古いものこそ強固にわたしたちを規定している、ということをいま一度思い起こしておきたいね。

燠
夜の哲学者、レヴィナスの元で学んだ者らしい「夜」を巡るエッセイ集である。本書は特に「性の夜」を渉猟したものであるけれども。原著は黒い紙面に白抜きの文字で書かれていたり、200点もの図版が収録されていたりする豪華な本らしい(いつか手にとってみたい)。わたしたちは「性行為」を繰り返すことで、あの「夜」を何度も見出そうとする。ときに束の間の成功を見、しばしば失敗してはふたたび崩折れる。あのとき見えそうなものはいったいなんなのか。本書もイメージの反復(行為)によってそこに近づこうとしていると言える。もどかしい。
燠
2024/09/20 01:46

だから何度もページを繰りたくなる。パスカル・キニャールを読むのは何年ぶりだろうか。『舌の先まで出かかった名前』 と『辺境の館』は楽しく読んだ記憶がある。再読したいな。

燠
本書は講演が元になっているということで、いわばベスト盤とも言える『生命とリズム』とは異なり、ひとつの流れの中で三木成夫の考えに触れることができる。指差している子どもの指を少しずつ対象に近づけていくと、握るということはせず、舌の先でやっているのと同じように人差指の先端で輪郭をなぞっている、という話があってとても印象的だった。子どもにはつかまずに触れるということができる。情がわかる。「なにがなんでも自分のものにする」のではなく「一歩退いて……」の心境に通う、とも表現されている。
燠
2024/09/11 13:59

いつからわたしたちはつかむこと、強く握ることに必死になるようになってしまったのか。あたまがいいよりもからだがよくありたいと思う。

が「ナイス!」と言っています。
燠
こういうタイトルは苦手だ。ましてや「永遠の名著」とまで銘打たれている。生きる甲斐なんて、パスカルの言うように、呻きつつ求めるしかないものだと思っている。それなのにわたしが本書を読もうと思ったのは、店先で流し読んだときに感じた、筆者が人間に注ぐまなざしの、そのあたたかさのようなものに触れられたからだろうと思う。もちろんこの本を読んだからといって、生きがいが見つかるなどということはない。人生経験を踏まえて、あとからあれはこういうことだったのか、と納得するようにして読むのがいいように思う。
燠
2024/09/03 19:27

ところでこの本、おもしろいのが、本書執筆中の日記が収録されていることで、筆者の並々ならぬ熱意が感じられる。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/10/29(1819日経過)
記録初日
2019/10/29(1819日経過)
読んだ本
292冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
73446ページ(1日平均40ページ)
感想・レビュー
29件(投稿率9.9%)
本棚
0棚
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