ネタバレ18歳の少女は虐待されている妹を救うべく二人で町を出て暮らし始める。その日暮らしの少女の仕事はとても賢い鳥の相手とそば屋の仕事。平均寿命が長いヨウムのネネを中心とした40年が描かれた物語。子どもが大人になったり新しい人が加わったり亡くなられる人があったり。さらりと律の初恋にも触れられていたり。どれも深くは掘り下げられず淡々と記される様子はさながら川や水車のよう。毎日同じ長さの時間が流れて長い月日を重ねていく事を感じさせる。変わりゆく時代に切なさと愛しさが込み上げ、静かな感動が押し寄せてくる。

ネタバレ【ネタバレ注意】面白かった！最初から最後まで熱量が途切れることなくのめり込み、二人の天才の試合にわくわくして読了。フィクションながらどことなく既視感がある設定もあったのでよりリアルに入りこめた。最後の「出した日に戦う」のは規定としてアリなのか気になってしまい、そこだけは余韻をそっちに持っていかれた感じ。総合的にはとても面白く、彼らの演技を見てみたくなった。

ネタバレ水木しげるご夫妻の物語。極貧時代、収入が少なすぎて脱税を疑われたり、母乳が出ていたのにミルクが推奨されている時代で母乳が止まりミルク代もなくなったりと本当にご苦労をされたのだと思う。振り返ってみるとこの頃が一番楽しかったと言える筆者がすごい。亭主関白な描写も多少あるけれどそれ以上に家族への愛情が深く、またその事に気づける奥様だからこそ仲良く添い遂げられたのでは。とても素敵なご夫妻。所々に入っている挿し絵が面白くて、ゲゲゲの楽園の方も読んでみたくなった。ご本人に絶賛された実写の宮藤官九郎さんも見てみたい。