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2025年2月の読書メーターまとめ

瀬希瑞 世季子
読んだ本
18
読んだページ
4813ページ
感想・レビュー
2
ナイス
20ナイス

2025年2月に読んだ本
18

2025年2月のお気に入られ登録
1

  • べ

2025年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

瀬希瑞 世季子
デ・マルティーノは、クローチェやグラムシの問題意識を引き受け、ファシズム病気論とも触れ合う課題に取り組んだ。すなわち、世俗化した近代人が陥る存在の危機から回避させてくれるものは何かという問いがそれである。20世紀のイタリア社会は不幸なことに、この問いに対してファシズムという形で答えた。デ・マルティーノはその反省に立ちながら、世俗化した社会においてもなお、消し去ることのできない近代人の信仰の行方を探求し続けた。
瀬希瑞 世季子
2025/02/24 18:35

そこには、自由を信仰せよという師クローチェの箴言だけでは納得できないデ・マルティーノの姿を見ることができる。かれの視野にあったのは、知的で理性的な市民だけでなかったからである。かれと同時代にあってもなお、イタリア南部に生きる人々は経済的・社会的底辺に身を置かざるをえず、かれらが生きた社会が大土地所有制の支配する農村であったがために、都市のように啓蒙思想を受容する可能性も極めて低かった。

瀬希瑞 世季子
2025/02/24 18:35

こうした層も含めてファシズムの問題を考察したデ・マルティーノは、信仰の対象を国家に収斂させずに、自由への信仰をもちながらも、伝統宗教と科学技術への一定の信頼も忘れない、そういう多元的な社会に期待を寄せた。

が「ナイス!」と言っています。

2025年2月の感想・レビュー一覧
2

瀬希瑞 世季子
"小説であれ絵画であれ音楽であれ、ある表現のなかに身を置くとは、ある特定の〈時間の質〉のなかに身を置くことでもある。そして〈時間の質〉とは〈記憶〉のありようを指すとすれば、わたしたちに問われているのは、その〈時間の質〉を、たとえば〈権力〉との関係において検証することでもあるだろう。このとき、〈権力〉とはわたしたち自身の内にある、けっしてちいさいとは断言しえない〈権力〉を、とりわけ指している。"p.178
が「ナイス!」と言っています。
瀬希瑞 世季子
デ・マルティーノは、クローチェやグラムシの問題意識を引き受け、ファシズム病気論とも触れ合う課題に取り組んだ。すなわち、世俗化した近代人が陥る存在の危機から回避させてくれるものは何かという問いがそれである。20世紀のイタリア社会は不幸なことに、この問いに対してファシズムという形で答えた。デ・マルティーノはその反省に立ちながら、世俗化した社会においてもなお、消し去ることのできない近代人の信仰の行方を探求し続けた。
瀬希瑞 世季子
2025/02/24 18:35

そこには、自由を信仰せよという師クローチェの箴言だけでは納得できないデ・マルティーノの姿を見ることができる。かれの視野にあったのは、知的で理性的な市民だけでなかったからである。かれと同時代にあってもなお、イタリア南部に生きる人々は経済的・社会的底辺に身を置かざるをえず、かれらが生きた社会が大土地所有制の支配する農村であったがために、都市のように啓蒙思想を受容する可能性も極めて低かった。

瀬希瑞 世季子
2025/02/24 18:35

こうした層も含めてファシズムの問題を考察したデ・マルティーノは、信仰の対象を国家に収斂させずに、自由への信仰をもちながらも、伝統宗教と科学技術への一定の信頼も忘れない、そういう多元的な社会に期待を寄せた。

が「ナイス!」と言っています。

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読書データ

プロフィール

登録日
2019/12/18(1907日経過)
記録初日
2020/03/02(1832日経過)
読んだ本
1588冊(1日平均0.87冊)
読んだページ
407682ページ(1日平均222ページ)
感想・レビュー
522件(投稿率32.9%)
本棚
20棚
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