1人の中年女性の意識の流れだけで（ほぼ）一冊書き抜けるアガサ・クリスティの偉大さに、読後ただひれ伏すばかり。己の人生から逃げ続けた結果待ち受けている恐怖が哀しみをたたえ静かに襲ってくる。怯懦と怠惰を繰り返した主婦は、許しを乞うことさえ独りよがりであった。

1人の中年女性の意識の流れだけで（ほぼ）一冊書き抜けるアガサ・クリスティの偉大さに、読後ただひれ伏すばかり。己の人生から逃げ続けた結果待ち受けている恐怖が哀しみをたたえ静かに襲ってくる。怯懦と怠惰を繰り返した主婦は、許しを乞うことさえ独りよがりであった。

独善的な女のモノローグ書かせたら湊かなえ読ませる読ませる。

豪華な短編集だった。おもんない作品がひとつもない。すべてがハイレベル。

モーツァルトは卵を6個使った目玉焼きがご馳走だったという逸話を耳にしたので、この本のタイトルに惹かれ読んでみた。モーツァルト以外にも、歴史や宗教と絡めて職が人生と人格にもたらす影響について平易な文章で書かれており面白く読めた。

ルース・レンデル初期の頃の作品でウェクスフォード警部シリーズ2作目。私にとってはルース・レンデル初のシリーズもの。 主人公であるはずのウェクスフォードはあくまでも脇に徹する配置であることに驚いた。ルースの初期作品に彼女らしさがすでにあり、パズルのピースが静かにゆっくりと埋まっていくリズムが心地よい作品だった。