ホーソーンシリーズ5作目、10作の予定なので半分到達。今回は5年前の犯罪を描く作中作と現在が混じり合い、アティカス・ピュントシリーズのテイストを感じる作品。構成は面白いが、メインのトリックはそこそこかな。途中の密室談義で斜め屋敷とか本陣が出てきて驚いたが、犯人像がまるで京極堂シリーズの某作品を彷彿させるタイプ。偶然かな？

ホーソーンシリーズ5作目、10作の予定なので半分到達。今回は5年前の犯罪を描く作中作と現在が混じり合い、アティカス・ピュントシリーズのテイストを感じる作品。構成は面白いが、メインのトリックはそこそこかな。途中の密室談義で斜め屋敷とか本陣が出てきて驚いたが、犯人像がまるで京極堂シリーズの某作品を彷彿させるタイプ。偶然かな？

登録千冊目。上巻を積読している間に絶版になってしまったようで、下巻は中古でなんとか入手。 上巻は数学、確率、統計中心だったが、下巻は経済関係の話題が主体。不確実性やゲーム理論、ポートフォリオ理論の後、プロスペクト理論、行動経済学、オプション理論等の立役者が紹介されている。 Against the Godsという原著タイトルに示されている通り、不確実性漂う将来へ立ち向かう人たちの物語。ハヤカワのNFあたりで再販を希望。

以前実践的なリスクマネジメントの本だと思って手に取ったが、出だしで求めているものと違っているのがわかって長らく積読状態だった本。『「不確実性」超入門』の参考書籍であがっていて改めて手に取った。数学や数字の起こりから始まり、確率や統計といった概念や手法がいかにして進歩してきたについて哲学史的な解説がなされていてこれが面白い。もっと早く読んでおけばよかった。宗教の存在が自由な学問の発展の障害になるかよく分かる。神の導きではなく、人の意志で切り開こうとする姿勢がいかに重要か理解できる。

最後のブックガイドに挙げられている作品を半分くらい読んでいるので、全体的に特別目新しい内容があるわけではなかったが、エッセンスがうまくまとめられていて参考になる箇所が少なくない。最初の３章は名前の通り「入門」だが、４章以降は割と実践的な内容で投資の際に参考になる箴言も多い。予想は外れて当たり前、時価で考える、多数のコンセンサスと逆に動くと大きな勢いがつく、勝率ではなくトータルの損得額等々。太字の文章だけ拾い読みしても価値あり。

かなり久しぶりに橘氏著作を手に取った。と言ってもいつもと全く毛色が違い80年代前後の出来事と橘氏の思い出を振り返る自伝作品。橘氏の経歴はあまり知らなかったが、ずっと編集者兼ライターだったから（？）初期の作品から文章が読みやすいんだ、と納得。てっきり金融関係の経歴だと思ってたので意外だった。本作もリーダビリティは高く、スッと読める。

前半は医療従事者と膠芽腫の戦いの過程を丁寧に描く、ムカジーの「がんー4000年の歴史」を思わせる作風。途中から薬機制度の歪みに付け入る医師の告発が中心になっていく。相手側の主張が取材拒否のために記載がなく、実際のところは判断できないが、列挙されている事実からは（悪意があるかどうかはわからないが）制度を悪用しているような印象を受けてしまう。せめて東大だけでなく複数の機関での臨床をするまで正式承認は保留にした方が良いのではないか。やはり制度設計は性善説ではなく性悪説の前提が必要なのかな。