ネタバレかの有名なリングの続編。リング本編よりもより科学的な解釈に重きを置いており、結構好み。解説にも出てくる「パラサイトイブ」と感触が近いと思っていたら、やはり同時期の作品だったのか。遺伝子の解明が進み初め、生物を捉え直すことを余儀なくされた時代、よくもここまで完成度の高いものがいくつも生み出されたものだ。 最後のある種の「世界の均一化」を理想とする論は、伊藤計劃の「ハーモニー」が思い出された。精神ではなく、遺伝情報の均一化とは、なかなか思いつけない思考実験だ。ループではどんな世界が待っているのか、楽しみだ。

ネタバレ妻がおもろかったというので、かの有名なリングを読んでみた。少し前に読んだ著者の短編は、主人公の嗚咽を感じるほどに生々しく怖かったが、そこら辺の怖さが本編でも十分に生かされている。映画は見たこと無いものの、B級ホラーっぽいというイメージだったが、少なくとも原作は全くそんなことはない、理論立った魅力的な小説。ビデオと天然痘と超能力をどうして繋げようと思えるのか笑。著者の発想と構成が素晴らしい。 余談だが、よく見る「ビデオから貞子が出てくるシーン」が本編に無かったのは驚き。ちょっと映画も見たくなった