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2024年10月の読書メーターまとめ

katoyann
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2024年10月に読んだ本
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2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

katoyann
物価高の状況下で平均年収が下がり続けている日本の生活実態を、全国の就労者へのインタビューから迫ったルポルタージュ。就職氷河期以外にも、リーマンショック氷河期があり、2008年から2012年の新規学卒の就職率も低かった、と記されている(2012年の大卒就職率は6割)。個々の生活の厳しさは我が身のこととして読んだが、いまの非正社員が高齢期に入ったときに必要となる社会保障費が20兆円という予測であり、国家予算の2割以上に当たるという。企業が目先の利益を追求して非正規化を進めた結果、社会が崩壊していくわけだ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
13

katoyann
若者の恋愛についてインタビュー調査に基づき、分析した社会学の研究書。ICT(例えばLINE)によるコミュニケーションを図ることで、デートに至るという傾向が見られるように、交際に至るまでのステップは一層複雑化しているということだった。また、男性から告白するというイニシアチブ規範も恋愛においては見られるので、それはなかなか恋愛がめんどくさくなるかもな、という感想です。
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katoyann
哲学者による恋愛至上主義についての考察。恋愛は無条件の肯定を伴うため、その承認を得られることは幸福感をもたらすことは確かだが、同時に排他的な性愛関係であったり、恋人への独占欲を伴ったりするという意味で、DVに繋がっていくような暴力的関係性を潜めている。また、ジェンダー化された恋愛には、性愛関係において女性の従順さが求められるので、実は支配と従属の論理も潜んでいるのだという。性がコミュニケーションから離れてモノ化する現実に懸念を示し、性愛を介さない友人関係への志向性に希望を託すという考察だ。面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
katoyann
物価高の状況下で平均年収が下がり続けている日本の生活実態を、全国の就労者へのインタビューから迫ったルポルタージュ。就職氷河期以外にも、リーマンショック氷河期があり、2008年から2012年の新規学卒の就職率も低かった、と記されている(2012年の大卒就職率は6割)。個々の生活の厳しさは我が身のこととして読んだが、いまの非正社員が高齢期に入ったときに必要となる社会保障費が20兆円という予測であり、国家予算の2割以上に当たるという。企業が目先の利益を追求して非正規化を進めた結果、社会が崩壊していくわけだ。
が「ナイス!」と言っています。
katoyann
1998年刊。就職氷河期の入り口あたりの時代に書かれている。企業が新規学卒者の採用を抑制する代わりに非正規雇用労働者を雇うことによって、人件費を抑制し、企業収益を上げるというカラクリについて分析している。山一證券の倒産は、バブル崩壊後の深刻な経済不況の象徴であったが、企業は福利厚生費の負担が大きい正社員をリストラして、その負担がない非正規社員を大量に雇うことで、倒産危機を凌いだ。そして、解雇規制が強いがための意図せざる結果として、非正社員の雇用が好まれるようになった。今読んでも勉強になる。
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katoyann
2007年刊。1995年の日本経団連による『新時代の「日本的経営」』という報告書に言及しながら、不況を乗り越えるにあたり、正社員をリストラしながら、非正規社員を積極的に雇用することで人件費を浮かせて儲けようとする企業が増えていると警鐘を鳴らす。女性の非正規が多いのは、国民年金第3号被保険者制度等が女性を扶養の範囲内で働くように仕向けるような仕組みになっているからだ、という説は定説であるが、改めて勉強になった。しかし、20年余り経過して女性の半数以上が非正規なのだから、暗澹たる気持ちになりますね。
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katoyann
今年、現役引退をした元メジャー・リーガーであり、プロ野球の東京ヤクルトスワローズの外野手とロックバンド、クリープハイプの尾崎世界観による往復書簡。尾崎がミュージシャンとして意識していることをエッセイ風にまとめながら青木に質問し、それに青木が答えるという構成である。入団当初の評価は高くなかった青木はファームにいた時に野村克也の『野村ノート』を読み、打者の四類型論を理解して、すべてのパターンに対応できる打者になるように練習を重ねたという。野球の技術論や戦術論を学ぶこともできるので読み応えがあった。
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katoyann
心理学者による考察だが、読者層をどこに置いて書いているのかが不明瞭である。少なくとも当事者性はなく、不登校を非認知的能力の欠如という観点から考察しているが、事例分析もなく、持論に都合の良い文献を恣意的に用いて印象論を述べているだけで、はっきり言ってエッセイとしか思いようがない。学校に行くべきだという前提から話がされて、行かない子どもの非認知能力が言挙げされるときには、子どもの権利というのは考慮されていないと推察される。
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katoyann
キャリア自律(自分の価値観をベースとしたキャリア形成を表す)という概念を紹介しながら、男性育休の取得が個人と企業にもたらす影響について論じた研究書。男性の育休は、男性のキャリア自律にポジティブな影響を及ぼすが、女性のそれには影響がないとしている。アンケート調査とインタビュー調査に基づいた研究のため、実証性の高い論文といえる。男性の育休を促進するには、企業の管理職を占める男性の幹部社員の理解が不可欠とする結論も説得力がある。
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katoyann
医師であり芥川賞作家でもある筆者が医療現場で体験して考えたことをまとめたエッセイ集。医学部に入り、医学を修めて信州の病院に勤務することになるが、臨床の現場で患者の死を看取った時の心の動揺を率直に綴っている。死のリアリティに直面した時に無力感を覚え、また万一の訴訟に備えた対応の指示に対して疑義を覚えたといったことが書かれている。やがて作者はたくさんの死を見ていくうちに動悸が収まらないようになっていく。死の受け止め方が文学的だ、と先輩医師から指摘された、とあるように感傷的だからこそ読み応えのある作品になった。
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katoyann
誠実に生きて、言動一致させることが人間関係のコツとされているので、最終的には「テキトー」とはいかないような気もしたが、不機嫌な上司とどのように付き合うかという問題や恋愛を長続きさせるコツなども書かれてあって、気が楽になる人もいるのかな、と思った。
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katoyann
対談本。子育てに関する話からジェンダーを学べるという意味では具体的で分かりやすい本である。
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katoyann
ジェンダーとセクシュアリティ研究の入門書。大学の講義録を編集した本であり、学生向けに分かりやすい説明がなされていると感じた。トランス女性としての立場からジェンダーの二項区分を問うというジェンダー&セクシュアリティの入門書は新鮮である。性差を自明の前提とした不平等論やセクシュアリティ論の抑圧性について、具体例を用いて論じた内容となっている。一方で、性と生殖の自己決定権に対するバックラッシュへの反応として第四波フェミニズムが台頭してきたという説明もあり、良い勉強になると思える一冊だった。
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katoyann
2017年刊。教育社会学のトピックを13個挙げ、学生向けにわかりやすく解説した入門書。学歴、教師、いじめ、不登校といった多岐にわたるテーマが扱われている。経験則で事象を考えると分析を誤ることになるというように、学歴主義や学力問題に対する誤解を解く。ちなみに本書では、PISAの成績で日本がフィンランドを抜いたとされており、日本は詰め込み教育だから思考力が落ちるという見解は誤りだとされている。ただ、国語教育については課題が残り、日本の学生は文章を正しい意味で理解するのは得意だが、批判的理解は苦手らしい。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/02/26(1733日経過)
記録初日
2020/02/26(1733日経過)
読んだ本
1024冊(1日平均0.59冊)
読んだページ
237401ページ(1日平均136ページ)
感想・レビュー
942件(投稿率92.0%)
本棚
3棚
自己紹介

栃木県宇都宮市出身の加藤です。

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