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2025年2月の読書メーターまとめ

katoyann
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2025年2月に読んだ本
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2025年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

katoyann
生活困窮者の支援をしている著者がコロナ禍によって失業した人々の生活実態を描写した上で、格差拡大の要因を分析した本。コロナ禍では特に女性の失業が多かった。生活への不安から自死を遂げる女性が増えたという話から、女性の貧困が際立つ原因について考察している。非正規雇用労働者の多くがコロナ禍で失業しているということが問題である。派遣労働の規制緩和を筆頭例として、企業も自治体も人件費を削減して、利益を上げていくという新自由主義に舵を切ったがために、安定した雇用を得られない労働者が4割に達している。ルポとして秀逸。
が「ナイス!」と言っています。

2025年2月の感想・レビュー一覧
15

katoyann
制球力さえあれば球のスピードが遅くても4番打者を抑えられるというのが野村理論。なお、「人を育てる」というのが監督の役割であるという持論を展開していたが、野村監督のもとでプレーした選手がコーチや指導者として重宝されているのを見ると、野球界に革命を起こした偉人だったということがよくわかる。
もとむ
2025/02/28 20:20

僕も読みました(読書メーターを始める前ですが)。制球力がなくても4番打者を抑えられる、というのは、山本昌、工藤公康、石川雅規…いろんな名うての投手が言ってますね✨それを昔から確信していたノムさんは、さすがキャッチャー出身の名監督です😊

katoyann
2025/03/02 17:07

ホームランになりにくいコースに投げておけば緩いボールでも良いというのを南海のキャッチャー時代に投手に諭していたそうです。石川雅規なんかは130km前半ですから制球力で抑えていることになりますね!

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katoyann
2017年刊。労働者の3割強を占める非正規雇用労働者の実態と労働関連法の問題について検証した朝日新聞の記事がもととなっている。雇用労働の流動化が一気に進んだのは、労働法制の規制緩和による影響(労働者派遣の対象範囲の拡大を含む)が大きい。また改正地方公務員法により任期付の公務員が急増し、年収200万円台の生活を余儀なくされているという。ヨーロッパのように同一労働同一賃金の原則が適用されていないため、世界的に見ても雇用形態による賃金格差が著しく大きいのが日本社会ということになる。勉強になりました。
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katoyann
山口精神保健センター(宇部市)に勤務していた精神科医と臨床心理士による不登校論。不登校は個人の資質の問題を偏見だと主張したという意味では、当時としては数少ない著書のうちの一つと言える。競争主義的な学校という社会構造の問題を看過してはならないという主張は、今読んでも意義深い。なお、「個人の脆弱性」を不登校当事者に見出すというのが支配的な言説だとしているが、末尾にあるように「弱さ」を認められない社会というのは、差別的な社会なのだ、という見解は現代社会を考える上でも参考になる。
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マートンの「アイ ドント ライク ノウミサン」の裏話を知ることができて良かった。あれ、色々含意があって、ストレートに訳すと誤解になるそうです。
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長期欠席の歴史を振り返り、戦後の貧困状態による欠席率の高さが憂慮された時代から高校まで子供を通わせる人々が9割以上を超えた70年代から80年代の登校拒否問題を経て、現代では貧困による長期欠席(不登校)が再び増加の一途を辿っていると分析している。不登校研究の第一人者による大著というべき研究書であり、児童虐待が背景に潜む不登校が増えているため、学校と児童福祉の連携が急務だとする。教育を受ける権利が貧困によって阻害される時代であることを改めて痛感した。
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katoyann
ひきこもりについて「対社会的関係性のなかで心を深く傷つけられる体験をもつもの」と捉え、本人の属性の問題として捉える風潮に異議を唱えている。その典型例はひきこもりに個人の脆弱性を見いだす一連の言説である。実は自己の脆弱性という世間の偏見を強く内面化して、強い自己否定感を抱いているのがひきこもり当事者だとする。臨床家はこの否定感を払拭することを手助けするのが仕事であり、就労支援は目標ではないという。当事者個人の心の問題に還元するのではなく、競争主義的な学校や社会の問題として捉えるべきとする主張が斬新だった。
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katoyann
1992年刊。フリースクール東京シューレの創始者と弁護士が登校拒否を子どもの人権という観点から解き明かしている。保護者の質問に対して奥地が答えるというパートが主であり、弁護士による法的解釈を踏まえた登校拒否に関するコラムが混ぜられている。基本的には、学習権を自由権と解釈して、子どもの幸福追求権と意見表明権という観点から、学習に対する子ども主体の権利を訴えた内容となっている。また、子どもを指導や管理の客体ではなく、権利行使の主体と捉える立場から、親が子どもに干渉しないという態度を推奨している。
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katoyann
信は万物の基を成す、マー君、神の子、不思議な子など数々の名言を遺した野村克也の語録集。ノムさんはキャッチャーとして評価されたいというこだわりが人一倍強かったんだな、と思った。
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katoyann
関西大学で開催されている「づら研」(生きづらさからの当事者研究会)をコーディネートする著者が執筆したエスノグラフィである。当事者研究の限界と可能性を探るという探索的な研究といえる。限界は、当事者性を強く訴える研究は問題を個人化してしまう点にあるとする。一方でその可能性は、共有されたマイノリティ属性でもはや問題を語ることができない社会にあって、多声性を担保しながら社会問題を見つめることにあるという。しかし、私は論点設定や結論が牽強付会だと思う。例えば、なぜ、ひきこもりと不登校を同じ文脈の中で語る必要があるの
katoyann
2025/02/14 19:11

だろうか。研究対象の個別具体的な特徴にインタビュー調査は縛られるはずで、その語りから、生きづらさの問題が前景化していて、不登校は一般的な社会問題に切り替わったという結論を導き得ないはずだ。また、もう一つ大きな問題は、結局は著者自身も不登校を内面的な葛藤の問題として捉えているというところにある。それは子どもの権利の話が全く出てこないという本書の内容の問題でもある。教育機会確保法があるので、この研究は学びの権利については言及しないという前置きが必要なのではないか。争点が少しずつずらされていくような読後感だ。

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katoyann
2019年ラグビー日本代表として活躍し、現在もリーグワンで活躍するラグビー選手の手記。サモアに生まれ、ニュージーランドに育ち、日本に留学するまでのエピソードや日本代表選手として試合を戦ったエピソードが書かれている。センターというパスを繋ぐ役割を担い、福岡や松島のトライを導いてきた。写真も多く、ラグビーの楽しさが伝わってくる。
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katoyann
生活困窮者の支援をしている著者がコロナ禍によって失業した人々の生活実態を描写した上で、格差拡大の要因を分析した本。コロナ禍では特に女性の失業が多かった。生活への不安から自死を遂げる女性が増えたという話から、女性の貧困が際立つ原因について考察している。非正規雇用労働者の多くがコロナ禍で失業しているということが問題である。派遣労働の規制緩和を筆頭例として、企業も自治体も人件費を削減して、利益を上げていくという新自由主義に舵を切ったがために、安定した雇用を得られない労働者が4割に達している。ルポとして秀逸。
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衆議院憲法審査会で安保法案を憲法違反だと発言して広く知られることになった憲法学者による憲法の入門書。立憲主義とは、憲法にもとづいて政治権力の行使を制約するものであり、多様な価値観をいだく多くの人が公平に生きるルールであるという。実定法のように人を縛るルールではなく、政府の権限行使を縛るための権力への命令というのが立憲主義の最低のルールとなるが、自民党の改正草案はそのルールを破り、立憲主義を破壊するという。集団的自衛権行使容認も憲法9条と矛盾する事を解釈改憲で決めたものだから、安倍政権の出鱈目ぶりが分かる。
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katoyann
横浜弁護士会が2013年に企画した「憲法問題シンポジウム」の講演録。自民党改憲草案は天皇を国家元首とし、現行憲法の97条(基本的人権の不可侵性)を削除する代わりに緊急事態条項を設けて、市民が国の指示に従わせるケースを書き込む。そして最後に「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と書き込むことで、国家権力を拘束するという規範的性質を持つ憲法を国家権力(時の政権)が国民を拘束するという規範的性質に変化させる。つまり、基本的人権は権力によって大幅に制約される。勉強になるが、選憲論は思いつきの域を出ない。
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katoyann
2012年刊。ラグビー日本代表のゼネラルマネージャーを務めた著者による日本ラグビーを強化するための提案書である。まず、文化として、ラグビー日本代表に選ばれたいと思う選手が当時は少なかったようだ。それは大学ラグビー文化の問題もあり、華のある早明戦にスポットライトは当たるものの、プロチームもないので、長い将来を見据えたプランが立てにくかった。また、戦力の面ではフィジカルの弱さを克服することが課題とする。海外選手と比較して足りない部分はディフェンスとバックスのハードワークで補うのが弥縫策だった。
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katoyann
2011年刊。憲法改正論議が賑やかだった時に書かれた、憲法の入門書。集団的自衛権の容認という解釈改憲が謳われていた時期でもあったため、憲法第9条の世界史的意義を強調するような構成となっている。確かに憲法尊重擁護義務のある政治家が改憲を自ら唱え、世論をリードするのは憲法上の問題があったかと思う。そして、第25条に違反するような政策の問題と好戦的なナショナリズムの台頭は密接不可分な関係にあるという分析も妥当かと思う。事実、今日の食事に困るような人が出ているのは、予算の配分問題でもあるからだ。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/02/26(1837日経過)
記録初日
2020/02/26(1837日経過)
読んだ本
1077冊(1日平均0.59冊)
読んだページ
249321ページ(1日平均135ページ)
感想・レビュー
994件(投稿率92.3%)
本棚
3棚
自己紹介

栃木県宇都宮市出身の加藤です。

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