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2024年10月の読書メーターまとめ

きじょん
読んだ本
7
読んだページ
2168ページ
感想・レビュー
7
ナイス
141ナイス

2024年10月に読んだ本
7

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

きじょん
敗戦後、朝鮮半島北部からの引き揚げが困難を極めたとは知っていたが、これほどビビッドな事実があったとは。棄民となった日本人6万人を救うため、ソ連軍将校とネゴを重ね脱出を実現させたのは、戦前は左翼運動で体を張った異端の男だった。日本への反感が強かったであろう北朝鮮幹部とも深い信頼関係を築いていたようだ。 多大な功績を残しながら、男の名は関係者以外にはほぼ知られておらず、歴史に埋没しかけていたという。記者心を痛く刺激するテーマであり、著者・城内氏の取材力と筆が冴え渡る。記者発ノンフィクションのお手本となる労作。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
7

きじょん
著者によれば本書は「1920年代から50年代にわたる朝鮮の共産主義運動の誕生から消滅までを扱っている」とのこと。「消滅」についての反論はあるだろうが、運動に身を挺したのは「ある階級が他者を搾取してはならず、農夫は自分の土地を持つべきで、病気になれば誰でも治療を受けられるべき」と考えた人たちであったという。 主人公である「三人の女」をはじめ、朝鮮の共産主義者の多くは非業の最期を迎えたものの、搾取への憤りは共感を呼ぶし、経済の公平性、治療の平等はいまも多くの人が希求するテーマであろう。佐藤優の解説もグッド。
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きじょん
100年前、ソウルの小川で楽しげに足をひたす3人の女性。白黒写真におさめられた3人は、祖国独立を目指し共産主義運動に身を挺した女性たちだった。 植民地朝鮮で共産主義が激しい弾圧を受けたことは習ったが、女性の視点から紡がれる歴史はフレッシュ。後に北朝鮮の大幹部となる朴憲永も登場して描かれる恋バナは東京ラブストーリーみたい(古いな)。拷問の場面では粛然とさせられるが、歴史上の人物が急に人間味を帯びてきた感じ。 韓国ではこれまでタブーだった共産主義運動が、ようやく表現できるようになってきたという。下巻も楽しみ。
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きじょん
箱館戦争で奮戦した幕府海軍方の浦賀衆が主人公。勝海舟とのささくれだった関係、開陽丸沈没という痛恨事が、浦賀衆の立場から描かれていて勉強になった。息子二人とともに戦死した中島三郎助、仙台藩士により結成された額兵隊を率いた星恂太郎の言い分が丁寧にフォローされていて、戊辰マニア的には萌え。徳川慶喜同様、榎本武揚はよう分からんです。 最後が「フランダースの犬」みたいで、え…となったが、著者植松氏の「歴史的評価の低い人物の言い分を書いてあげたい」との想いには共感。「幕末の海」が得意分野とのこと、他も読んでみよう。
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きじょん
ジャガーさん、「夜更かし」で見た程度ながら、実はかなり凄い人だろうな…と踏んでいたが、想定の7倍は凄い人だった! 幼い頃から多才、物作りに秀でてビジネスでは成功…くらいまでは想定範囲内だったが、とにかく優しくて利他的、会社の従業員たちから慕われているのがよく分かる。邪心がこれっぽっちもなく、みうらじゅん、氣志團綾小路、マツコをはじめ周りの人はどんどん彼を好きになっていく。 地元千葉をこよなく愛するジャガーさん。ディランがノーベル賞を受賞した同時期にチバテレ社長賞を受賞されたとのこと、心から拍手を送りたい。
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きじょん
敗戦後、朝鮮半島北部からの引き揚げが困難を極めたとは知っていたが、これほどビビッドな事実があったとは。棄民となった日本人6万人を救うため、ソ連軍将校とネゴを重ね脱出を実現させたのは、戦前は左翼運動で体を張った異端の男だった。日本への反感が強かったであろう北朝鮮幹部とも深い信頼関係を築いていたようだ。 多大な功績を残しながら、男の名は関係者以外にはほぼ知られておらず、歴史に埋没しかけていたという。記者心を痛く刺激するテーマであり、著者・城内氏の取材力と筆が冴え渡る。記者発ノンフィクションのお手本となる労作。
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きじょん
地元商店街が滅亡しつつあり、なんとかならんかね…と憂う。本書を読んだところ、私たちがイメージする商店街は、昭和初期に生まれたもので高度成長期に安定し飛躍した由。零細小売業者は地方の離農者を吸収する役割も担ったとのこと、そう言えば映画「三丁目の夕日」も青森から上京した六ちゃんが商店街にやってきますな(自動車修理工場だが)。 商店街崩壊の背景には、貿易赤字に怒る米国の圧力による規制撤廃、郊外化の進展、コンビニの隆盛があるようだ。商店街が活気を取り戻すのはかなり難しいが、ジャスコよりも商店街の近くに住みたい。
紫の木
2024/10/08 18:58

相変わらず渋い選書ですね。私も地方の商店街に元気になって欲しいです。

きじょん
2024/10/08 20:25

ありがとうございます。商店街、味わいがありますよね。

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きじょん
朝日の記者だった奥山氏がロッキード事件に関する膨大な公文書を読み解く。前半は事実の積み重ねが延々と続くが、総括にあたる最終章「考察」が白眉。角栄をめぐっては「対中外交により米国の虎の尾を踏んだ」との陰謀説が流布しているが、公開資料から浮かび上がるのは、角栄の外交姿勢ではなくて、その言動や振る舞いが米側の怒りを買っていたこと、他の政治家も米企業から賄賂を受け取りCIAがそれを把握していたという事実である。 金の受領は米側に対する弱みとなり、それが日本の政治に影響を与えたのではないか。今に続く問題とも言える。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/05/24(1646日経過)
記録初日
2020/01/10(1781日経過)
読んだ本
482冊(1日平均0.27冊)
読んだページ
142554ページ(1日平均80ページ)
感想・レビュー
378件(投稿率78.4%)
本棚
14棚
性別
職業
事務系
現住所
東京都
自己紹介

アラフィフとなり、忙しく駆けずり回る現場から離れたのを機に、本を読む時間が出来ました。自分が読むのは歴史ジャンルに偏っていますが、色々な読書家の方の感想が楽しみです。自分の世界が広がるようで、とても勉強になっています。

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