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2025年1月の読書メーターまとめ

NICK6
読んだ本
12
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感想・レビュー
11
ナイス
114ナイス

2025年1月に読んだ本
12

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

NICK6
仕事、家庭、そして男女の出会い、今回の出だしの痛さは全方位手加減皆無。身動き取りにくい四面楚歌の状況下でのストイックな主人公の言動、これをクールに描写するのに、菊地光の訳は最高だ。普通の会話が、情報交換か事実の確認みたいな低体温低振幅な突っ返しでかわす。さりげない切迫感がミシミシ伝わるのだ。今回は特に、出会い最悪の美女との会話の絡みが渋い。気転、短い返し、ウィット、探り、堪りません!相手の言い分を全否定しながらどんどん関係性を詰めるって感じの、絶妙な会話の応酬がここでは特に冴え渡る。決して外さないのだ。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
11

NICK6
どちらかというと時代小説は切れ味鋭い短編が好きで、実は、大好きなこの作者であるのに、長編は数冊ほどしか、手を付けていない。今後もしばらくは予定ない。さて。短編については直木賞を、お取りになる以前の作品のほうが実は好きだったりする。この作品集もそうで、特に表題作「天上の露」は素晴らしい。名短篇「秘剣」と共に、教科書にも載せてもいいのでは、と思うのだが、一か所、もしかしたらセイショウネンニトッテ、ソグワナイ、バメンガ、アルノカモ、シレナイ。
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NICK6
前作『疾れ、新蔵』が逃亡。今作は追跡である。緊急ではないから疾走感は前作ほどはない。今回も美女同伴。そしてゲゲッ、こんな男と同伴かってのがもうひとり。波乱の予感は、つまり面白くなる予感と同義。渡航直後も大船団包囲で危機の始まり。上陸すれば、時系列の横線、大陸移動の縦線。全方位でエンタメ導線着火。振幅が激しく、多喜多憂の嬉し泣き。でもこの時点、残り頁幅が細い!気付くと、出会いの驚異、危機の脅威もすべてが急旋回している。お急ぎモードにううむ、と唸る。だがしかし!いつもの志水節はしっかり健在だ。満足である。
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NICK6
おもしろいスリラー。一気読み。さてしかし。私の場合、親父さんのフランシスを読み終えた後は、激しい興奮剤が数日作用、次のDFを即読むぞ!という強い副作用を生じさせる。息子さんのこの作品もいい。共著ではサブストーリーに今一つ魅力を感じられなかった点が今回、いい。(例えばロマンスの大変な情況等)。でもなぜか、当然期待する、ストイックな描写に関しては響かない...。さて。メインストーリー。被る危機のタイミングを、一々、ご親切に?主人公が怪しんでくれるので悪役本命も楽々予想的中。読んで良かった読書ではあると
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NICK6
蓬莱屋帳外控シリーズでは飛脚、同じ地点間移動で、険しい山に峠に森に、相手騙す逃亡劇。険しい道筋の選択なしには捕まる。飛脚同様に地理把握と相手の裏かく技量の発揮が素晴らしいディテール。緊迫時はお馴染みシミタツ節冴える。状況次第では殺戮止む無しの追手。お家騒動の図式自体に疑い持つ追手。系統違う追手が複数にて思惑も私感も明らかな違い。終盤ピークには逃亡者への睥睨、闇のからの注視、シャープな視点の交差が鋭く飛翔。さて。表紙絵の姫様、幼年さは皆無、賢く優しい。道中同伴する味方も悪役もキャラ濃厚。素晴らしい冒険譚
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NICK6
例えば、よくある時代ヒーローもの、用心棒とか腕利き剣客とか、必殺秘剣技が大活躍、一件落着、めでたしめでたし、そんな結末にもはや活力もらえなくなったら、志水辰夫のこのシリーズだ。お仕事、飛脚。腕っぷしは期待できず、怖いもの、恐るべきものは体が知っている。警戒心最強、ヤバイ、クサイ、の予知力、夜目が効く獣のような空間察知力は、五感六感総動員である。ノー天気な道連れや、足手纏いなかかわり人との窮地脱出。同伴したくもない同伴。かかわりの運命。闇で呼吸せざるを得ない女と男たちの最終巻の嗚呼名残惜しや!叙情バラッド
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NICK6
ネタバレDF。超偏愛。それは硬質な性格のパターンへの支持であり、普遍的なテーマへの熱烈な期待でもある。冷静客観的にはなれない。さて。この作品好きではない。私が知っているDFの主人公は、敵の攻撃や罠の渦中なら絶望や弱気は当然浮上するものの、後は、傷深くとも持ち前の不屈な耐性を前面に出す。どちらかというと傷を隠したがる。日常のルーティーンへ戻りたがる。だから周囲こそ大いに彼を心配するのだ。が今回は怖いと女に漏らす。職場離れる。なんと!親族巻き込む!早々と感情移入できず、長いロマンスは寧ろ煩く不快。共著不安的中した
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NICK6
仕事、家庭、そして男女の出会い、今回の出だしの痛さは全方位手加減皆無。身動き取りにくい四面楚歌の状況下でのストイックな主人公の言動、これをクールに描写するのに、菊地光の訳は最高だ。普通の会話が、情報交換か事実の確認みたいな低体温低振幅な突っ返しでかわす。さりげない切迫感がミシミシ伝わるのだ。今回は特に、出会い最悪の美女との会話の絡みが渋い。気転、短い返し、ウィット、探り、堪りません!相手の言い分を全否定しながらどんどん関係性を詰めるって感じの、絶妙な会話の応酬がここでは特に冴え渡る。決して外さないのだ。
が「ナイス!」と言っています。
NICK6
ネタバレ会計士かぁ。DFの場合、腕っぷしに期待できそうもない職種が結構多いような。今回特に冒頭から激烈。標的⇒復帰のプロセス連続。しかし行き届いた取材は緻密、会計士としての技量発揮で存分に敵役を追い詰める。早めお出ましの悪役が、しょぼ過ぎて真の黒幕の存在は予感察知。サブキャラの女校長先生の出会いの素敵と、再会の最高。プロットは軽快にうねりながら、悪行を完璧に炙り出す。終幕の対決、やや徹底感欠くのは理由があるのね。それにしても何度やられても日常回帰は周囲心配よそにさりげなく、しかも傷は隠しがち、黙して語らずの渋さ
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NICK6
ネタバレ父親から信頼される後継指名の、画家の主人公。残した会社資産とそれをめぐる親族派閥との争い。あくまで会社存続目的として冷静に自分の客観的立場を考え、身を引くことも想定する男。所々そういう考察を誠実に表明するから、早い段階で主人公の好感度急上昇。逆に父親が病弱で優柔不断気味、矛先は主人公集中。陰湿な砲火浴びる。前線での攻防とは真逆、極端に対照的な世界でも男は呼吸する。音楽を奏で、自然を喜び、寡黙に絵画に集中する静謐。この落差に読書の喜びヒシヒシ。終盤、友情深く感じるカメレオン探偵の究極技がヒップで有終の美!
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NICK6
主人公、ガラス細工製作者。いつも思うのだがDFの主人公のご職業って草食系。周囲への警戒に繊細と良識、理知的で冷静な言動も備わる。プロットがかなりハードボイルドだから、職種とのギャップ効果で陶酔にも似た興奮を味わう。そういえば時々辛辣な警察批判があるから、このシリーズ、警官刑事の主人公っていないかも?。さて閑話休題。今回の敵役は露骨で非道で執拗。言動はどこかB級ながら近親周囲を洗脳し隷属させる。今作は少年を呪縛から解放させる試みが冴えていて感動的。一方謎解明はある意味驚愕。いつものように脇役達はグッジョブ
NICK6
2025/02/16 21:44

菊池光さんの最後のDF翻訳。一人称のカッコよさを十分に堪能した。ぶっきらぼうな訳とよばれることが多いが、これこそ堪らない魅力。他人に語りかける、ある種の丁寧さを省いて、冷徹な雑記帳、自己確認風。飾らないし、時に、非説明的で適度に不親切、シニカルな文脈は乾き、一方、独特のユーモアは湿っている事もある。その辺のさじ加減、バランスが絶妙な翻訳調なのだ。時々、~なのだ、ていう表現を腐す解説者やレビューを目にするが、寧ろこの重金属的な語感と厳格な波長こそ好み。仮にそういう会話はありえなくとも全く気にならないのだ。

が「ナイス!」と言っています。
NICK6
経営者と冒険小説ってなんかミスマッチの匂い。そういえば傑作「直線」でもそうだった。不調ではないが、あんまり選り好みできない経営状況。男のボヤキが胸に迫る。当然嫌な奴変な奴とか数多い。前半直ぐに、疑惑が事実と判明すれば廃業となる高リスク。この辺の闇の拡大描写が不気味で巧み。死の淵から這い上がった主人公は、即、日常に回帰する不屈さはいつものフランシスで楽しめるし、終幕の意外な悪人の炙り出し、捜査同伴者達との仕事&ロマンスの絡みも良い。今回、警察批判が鋭い。ヒーローの職種に選ばない理由の一端を視た気がする。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/05/25(1730日経過)
記録初日
2020/05/05(1750日経過)
読んだ本
301冊(1日平均0.17冊)
読んだページ
88725ページ(1日平均50ページ)
感想・レビュー
295件(投稿率98.0%)
本棚
1棚
自己紹介

小説には刺激を、音楽にはこころ、時々のライヴで魂を。仕事して達成感を。すべてに未知の楽しさを求たいです。ドラマ好き。欧米、韓流。華流もすぐそこ。ドはまり潜行浮上せず。

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