五章の鶴巻論文に関する講評が面白かった。質地請戻慣行自体は、江戸時代からそれを批判する上層農民層とそれを当然とする下層農民層の長い歴史があり、質地・売地・永代売地と文言を変えながら何度も現金化されたりしていた訳だけど、貨幣経済の浸透という日本的な資本主義発達の中で、土地の権利移動を容認する上層農民層(近代的)と、最終的に永代売を禁止する幕府(封建領主・近世的)という形で存在した階級闘争の歪みが、政治機構が維新政府という近代的存在となって、上層農民層と政府が上位階級として下層農民層と対立する事で現れたのか!
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