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剛心 (集英社文庫)

感想・レビュー
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ナオキッス
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明治の建築家三大巨匠の一人、妻木頼黄。(存じ上げなかったけど、日本橋を作った人、麒麟の像をデザインした人、横浜レンガ倉庫を設計した人、というとぐっと尊敬の念が。)今一番好きな作家・木内昇さんの手にかかると、温故知新ならぬ温洋知和(洋を学んで和を磨く)のこのお方が人生の集大成として仲間たちと国会議事堂を建てるのか?!どうなる?!っていうやっぱりぐいぐい引き込まれる感動の巨大スペクタクルに。単なる歴史小説とは違うんだよなぁ。今作でも登場人物たちに命を吹き込むのがうまい。NHKの大河になってほしい。
0255文字
どら
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ネタバレ妻木頼黄を主役にした小説は初めて読んだ。私が日本橋の麒麟のデザインが好きでないのは、ともかく、読んでいて感じたのは二点。まず、この手の実在の人物を登場人物にした話の難しいところなのだが、面白い山場って限られるよね。他の方も書いているが広島編が圧倒的に面白く、その前後はどうしても面白さで見劣りしてしまい(人の人生を面白くで評価するのもどうかと思うが・笑)物語としての盛り上がりにも欠ける。もう一つは旧旗本の家の人間が明治政府で重きを成したのだ、外面はともかくダークな部分が無い訳ないよね。中井君引退の翌日に。
0255文字
かずぺん
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先人たちの偉大な努力に支えられていることを忘れてはいけない。そして、それを超えていくことも。
0255文字
しのぶ
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近代建築見て歩くの好きなのに、「日本近代建築の雄、妻木頼黄」と言われてもピンとこず、しかし神奈川県立歴史博物館や横浜赤レンガ倉庫、そして日本橋とあげられれば深く納得。「江戸の終焉は明治維新ではなく関東大震災」と言ったのは確か荷風だったと思うのだけど、一千石の旗本の当主となるべくして生まれた人の目を通して見る失われゆく景色というのは、美しくも切なく悲しいものでした。巻末の解説もよく、検索して日本勧業銀行本店画像を見、彼の目指したものがほんのり理解できた気がします。それにしてももう少し長生きして欲しかった……
0255文字
Moish
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妻木頼黄。知らなかった……。この作品の中でヴィランとして据えられる辰野金吾のライバルだったにも関わらず、建築界隈以外にはあまり知られてはいないのではないだろうか。そういった官僚技師の劇的な半生に焦点を当てたところがすごい。しかも、あの国会議事堂が建設されるまでに、こんな胸躍るドラマがあったなんて(ちなみに、建築としての議事堂はあまり好きではない)。偶然にも、最近、日本の近代史(明治・大正)に興味を抱き始めている。ほかにももっと、魅力的な素材が隠れているのではないか。
0255文字
風斗碧
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面白かった。議院建築から近代史を見るようだった。近代建築史のヒーローたちが次々と出てきて息づいており、大変たいへんときめく。大きな国家的建造物を作るに辺り、歴史を学んで国家とは何か、文化とは何か、という考察が次から次へと掘り下げられていく様が、失われた日本の良心の様で見ていて切ない。妻木組になっていく建築家たちの結束と信頼が思想を次世代へつないでいて、仕事ってこうありたいなあ、という理想のようで良かった。あとラストシーンはとても良い。すごく良い。
0255文字
8
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相変わらず木内昇は私の好きな所を突いてくるし、知ってる話なのに楽しませてくれるのは凄い。武田五一が出てきた時は嬉しかったし、思ったよりも良い役だった。まさに“剛心”で一生を過した主人公が、最後に救われていてホッとした。作者は、こういうのが本当に巧い。  妻木の御殿様といえば、実家の山越えた向こうの集落だし、戦国時代にはウチの御先祖様も一時期仕えていたそうだから、建築家妻木頼黄に興味もあったけど、実績を繋げてこんなアツい話になるとは。
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yuga
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ネタバレ大蔵省臨時建築部に所属し仮議事堂、日本橋等の建築物を手がけた明治の建築家妻木頼黄の生涯。妻木は建築物は元来崇高なもので名誉や功名のためでなく、使い手のための奉仕すべきものだ、という考えを持つ。執念を燃やした仕事は議院設計だったが、戦争や政情で計画は進まず妻木の生前の着工はなかった。妻木は議会議事堂に日本の景色を表したいと願っており、妻木亡き後、部下である矢橋、大熊、池田たちが議会議事堂を完成させる。これらの経緯は仕事の過酷さと責任の重さが行間に溢れかえるようで読み応えがあり、大河のような小説だった。
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くるみみ
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東京・日本橋の意匠が昔から好きで今の職場から歩いて行ける距離でもあり、装丁画を見てワクワクした。今まで誰が創ったのか調べもしなかったのにまさか木内昇さんの小説で知ることが出来るとは。486ページとボリュームはあるけれど登場人物それぞれの視点からの妻木頼黄との仕事が語られていく構成が後々(妻木の晩年)に効いてきてとても良かった。美意識と鋼のような意思を貫いた人が信頼のおける部下たちと今でも美しく日本らしさを感じさせる日本橋を創り、完成を見届けられなかった国会議事堂の設計をした人物の評伝、のような小説だった。
たいぱぱ

これ読んでから日本橋行きました。とても良いですね〜!ミカドコーヒーのモカソフトも美味しかった!くるさんはあそこら辺で働いてるんですか。いいなぁ〜✨

12/04 17:25
くるみみ

たいぱぱさん、日本橋惚れ惚れしますよね~☺ミカドコーヒーのモカソフト!久しぶりに食べようかしらー

12/07 20:37
3件のコメントを全て見る
0255文字
イシカミハサミ
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建築が嫌いだった。 もう少し穿つと建築家が嫌いだった。 いまでも別に好きではないけれど。 考え方が少し変わる契機になったのは、 ウィリアム・メレル・ヴォーリズを主人公にした 門井慶喜さんの「屋根をかける人」だった。 本作の主人公、妻木頼黄も建築のための建築をする人だった。 景色を造る人だった。 “嫌い”なのは建築家ではなく、建築よりも名を遺そうとする 自称建築家だったんだと気づいた。 ラストシーンはずっとかみしめていたい素晴らしさ。
イシカミハサミ

日本人建築家の目線から日本の“建築”が語られて、少し解像度が上がった。日本全体が欧化の流れになる中で、日本人は歴史的裏付けのない大掛かりな建築を立て続けにしなければいけなかった。これは歪みを生まないわけはなく、むしろこの程度に収まったことは誇ることなのかもしれない。

11/10 01:34
イシカミハサミ

特徴的な建築は目を引くし代名詞にもなるのかもしれない。でもそれを求められて似たものを繰り返し建てていけば、それはありふれたデザインになる。ときには陳腐にも。 自分にとっての“いい建築”は景色に調和して我を極力削った美しさと均整のあるもののことを指すのだと思った。

11/10 01:38
0255文字
piro
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明治時代、大蔵省臨時建築局で議院建築などに従事した建築家・妻木頼黄(つまきよりなか)を中心に綴られる物語。明治の建築家たちの熱い想いに、こちらも心が熱くなる一冊でした。明治建築界の三大巨匠の一人と謳われる(らしい)妻木の、美しい街並みへのこだわり、そして単に「箱」を作るのではなく、そこで働く人や訪れる人の気持ちまでも意識した設計を知り、建築家の仕事の奥深さを感じます。特に日本勧業銀行本店のプレゼンシーンは心が震えました。街並み全体の美しさを欠いた今の東京を見て、妻木は何と言うだろう?
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広瀬研究会
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主人公は建築家・妻木頼黄(つまき よりなか)。辰野金吾や片山東熊と同時代の人。第一章では何だかつかみどころのない印象だが、第二章では広島臨時仮議院をたったの半月で建てるというミッションに挑み、八面六臂の活躍でクリアする。ここが一番愉しい。安易に欧米のマネをするのではなく、その土地に根づいたものと融合させる……当たり前のことのように思えるけど、実際やるのは難しいんだなってことを改めて学びました。
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