新聞の書評を読んで飛び付いたが……農繁期で疲れた頭には、独特の繰り返しや人称が次々変わる文章、途中まではストーリー展開の遅いのが辛かった。前半はまるで水の中をゴーグルつけて歩いているようだと感じた。プールの話から認知症のため施設入所、病の進行へと話が進むにつれ、老人と家族の心理をリアルに描いていて引き込まれたが。

図書館の廃棄本リサイクルで偶然見つけて頂戴してきた本。病児や高齢者との絵本の読み合いを長年してきた村中さんの講演を数年前に聞いたことがあるが、創作童話集は初読。作品は作者自身が育った時代を感じる。高度成長期、忙しい大人とは違う目線で子供たちは社会的弱者と言われる人々の姿を見ていた。身近な所にいる障がい者やお年寄りの内に秘めた強さを感じ、ときに力になれない切なさを味わう。そんな経験が村中さんの原点なのだろうと感じる。

積読本とすべきか。先日長崎を旅して400年前の日本人の篤き信仰に驚嘆。改めて遠藤周作作品を考えてみたくなって本書を手に取る。日本人の体にはぴったりしない洋服のような違和感、と自身のキリスト教を語っていた遠藤周作。氏の「深い河」を題材に信じるとは、生きるとは何かを考察。

木の命の長さ。森の動物たちも人間も遠く及ばないなが～い月日を描く。人間が開発と称してそうした木々をあっさり切り倒していることを思わずにいられないが、800年間このミズナラは人間に命を奪われず全うできた幸せな個体だった。

花さかじいさんや舌切り雀のような昔話。強欲を三回繰り返して最後は思い切り残酷なのだが、方言と赤羽末吉の絵が穏やかな昔話の世界を楽しませてくれる。

木を材料にした美術。緻密な浮世絵や新版画もよいが、素朴で温かく優しい風合いの作品には親しみがわく。隣の市で開催されたこっぱ人形講座に迷わず申し込んだがなかなか難しい。大正から昭和の初め、貧しく寒さ厳しい土地で農閑期に手近な材で制作していた先人を思う。

亡き父が小学生だった息子を横浜スタジアムに連れて行ってくれた。何だか少しトンチンカンでひやひやしたけど、息子も父も男二人の外出を楽しんでいたのを思い出した。

妖艶という言葉がぴったりの花。土の中でしたたかに力強く仲間を増やしていく姿に驚き。

新聞の書評を読んで飛び付いたが……農繁期で疲れた頭には、独特の繰り返しや人称が次々変わる文章、途中まではストーリー展開の遅いのが辛かった。前半はまるで水の中をゴーグルつけて歩いているようだと感じた。プールの話から認知症のため施設入所、病の進行へと話が進むにつれ、老人と家族の心理をリアルに描いていて引き込まれたが。