今読んでおくと良い本だと思います。#MeeToo運動をはじめとしたジェンダーの視点も含み、実証主義への辛辣な評価など、とても鋭い示唆と指摘があります。

今読んでおくと良い本だと思います。#MeeToo運動をはじめとしたジェンダーの視点も含み、実証主義への辛辣な評価など、とても鋭い示唆と指摘があります。

不条理ホラーですが、児童にわかりやすいレベルの不条理かと思います。ただ昭和感が残ってるし、馴染みにくい部分はあるか。「おとうさんがいっぱい」では、ぼんやり「家庭」の統制(いままでとちがった家族のあり方がふえ、とうとう家庭の定義を政府が決めちゃうし「余りもの」のおとうさんは処分される)のが現実に即したディストピアSFみがあって興味深いです。主人公がおそらく男の子ばかりなのがさみしかったので、「ぼく」が一人称の女の子やクィアな子に頭の中で置き換えて楽しみました。

戦争反対を花で！あとがきもいいですね。とても美しい童話だけど、こういうのばかりだとお行儀が良すぎるから、わんぱくなお話も読んでね、とのこと。