青山美智子さんの連作短編集。「ココア｣、「渦巻き｣に続く三冊目である。青山さんの小説の着地点は正に私好みである。重なる登場人物と物語の伏線回収は絶妙の一言。特に最終話は同年代の方には必ずや刺さる作品であり、もしかしたら感動で涙腺が崩壊するかもしれません。

中村文則さんの50作を収めた短編集。それぞれとても短い作品であるが、どれも不思議と心に響くものがある。中でも「老人とネコ｣はお互いの距離感が面白く、何気ないやさしさを感じた。

三山 喬さんのルポルタージュ。公田というホームレス歌人を追い横浜のドヤ街、寿町を訪ね歩くという内容になっている。本書にあるリーマンショックの影響による派遣切りや年末の炊き出しは今でも記憶に残っている。ホームレス歌人もさることながら、ドヤ街の現状に強く惹きつけられた。

青山美智子さんの連作短編集。「ココア｣、「渦巻き｣に続く三冊目である。青山さんの小説の着地点は正に私好みである。重なる登場人物と物語の伏線回収は絶妙の一言。特に最終話は同年代の方には必ずや刺さる作品であり、もしかしたら感動で涙腺が崩壊するかもしれません。

小川洋子さんのなんか不思議な感じの小説。「運動会荒らし｣とか、不憫に思う反面、個人の自由でいいんじゃない？と思ったり、苔なんかも料理の材料にしたっていいんじゃない？と思ってしまう。この小説の題名と内容の関連がわからなかった。全体を通して、つかみどころがない不穏の中にも心の落ち着く作品である。

角田光代さんの短編集。それぞれの主人公は普通に日常を送っていると思いきや、何かと生き辛さを抱えていることが中盤にわかる。ぐっとこらえては心の声にとどめる歯がゆさに、全作品を通して同情したり共感したりしながら読み終えた。生きていると人生のベストテンは常に順序を変えてゆくものだ。