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2024年3月の読書メーターまとめ

哲学の木
読んだ本
10
読んだページ
2922ページ
感想・レビュー
10
ナイス
993ナイス

2024年3月に読んだ本
10

2024年3月のお気に入り登録
2

  • オリーブ
  • さゃん

2024年3月のお気に入られ登録
2

  • オリーブ
  • さゃん

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

哲学の木
柚月氏の推薦図書として読了。吉村氏に、ここまで悲惨凄惨な物語を残した理由を問いたい。極貧の断絶した小さな漁村で、けなげに生きる伊作家族と村人達。身売りや疫病の果てに、希望すら考えることも出来ず、だがしかし、生きていくために身を削り、悲しみを乗り越え、その日を凌ぎ、ただひたすら難波船の漂着を崇める。「恵まれている時にこそ、身を引き締めよ」と伊作の母は言う。警鐘と言い切るには悲しすぎる物語。こんな漁村が存在した時代があったのか・・・生きることが、生き抜くことが、どれほど美しく尊いことなのかを気づかされた。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
10

哲学の木
もしかすると北方謙三作品は初読みだったかも。40年前の作品だが、柚月裕子さんのオススメ本として読了。追い詰められた犯罪者が、親に捨てられた子供と出会い、警察捜査をかいくぐり、逃亡を続ける。ハードボイルドの代表作か。感情移入しにくい犯罪者視点なのに、胸が熱くなったのは何故だろう。救いようがなく、また、救われることがないとわかっているのに、逃亡を応援したくなった。当時では、先駆的な展開のハードボイルドとして評価されていたのかな。ただ、正直な話、北方作品は巨大過ぎて、もはや、追いきれない。
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哲学の木
月刊誌「ジャーロ(R4.9_84号~R5.5_88号)」で読了。どこにでもあるのでは、と感じさせる物語。諸事情により、祖母と生活することになった中三花南子は、多感な時期を、学友やご近所さんと過ごす。謎が多い隣人達に戸惑いながらも、自分の違和感を確かめながら、探索と偵察を繰り返す。あの頃の自分を思い起こしてしまう。夢や謎に対して旺盛な好奇心を持って、目に映る世界を受け止めていたあの頃を。出会いと別れを繰り返すことに真摯、かつ、神妙になっていたあの頃を。
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哲学の木
月刊誌「StoryBox(R5.1~5.11」で積ん読から一気呵成読了。頼もしいほどに読みやすい中山作品。冒頭は、中国製判決生成AIの押し売り営業から始まり、さすがに、「えっ!それは、ないよな・・・」と感じつつ、中盤からの暴力父親殺害事件裁判員裁判の展開では、「あっ、もしや・・・」に繋がり、そして、締めは、人間の尊厳へ。快活に読み進めることができた一方で、「ちと、わかりやす過ぎたかな・・・」と感じたのも事実也。
が「ナイス!」と言っています。
哲学の木
月刊誌「野生時代(R5.7~5.9」で読了。青山文平作品初読み。架空藩での蘭学興隆の礎を築いた目付役一家と名医が、藩主に対して、武士としての忠義を果たすため、最期の選択とした行動。時代の趨勢と国内外の動向が緻密に描かれ、そして、忠臣の義が美しい。史実とストーリーとの組合せが巧と感じた。過去の歴史は、凝縮され、小さめの知識となるが、その裏に隠された人間模様は幾万とあったのだろう。さて、この藩主は、今回のエンディングをどう受け止めたのだろう。読了後、回収感にやや物足りなさがあった。つまり、続編に期待。
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哲学の木
月刊誌「野生時代(R5.9とR5.10)」で読了。フィギアスケートの世界でオリンピック優勝を目指す天才スケーターとそのコーチや振付師の葛藤と努力の物語。銀盤の世界は、華麗さだけではなく、その氷をも解かす人間本能の衝突と化学反応があった。わがままで自分勝手な10代女子達は、周囲への迷惑や無礼を省みることなく、また、謙虚さや優しさの気持ちもなく、ただただ、目には見えない何かに対して、銀盤上で死闘に挑む。その果てに何を見つけるのだろうか?きらびやかな競技の裏側に隠れている人間ドラマは、人間本能の露見なのか。
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哲学の木
月刊誌「小説推理(R5.3~R5.5)」で読了。歩き方で個人を特定する歩容解析システム「ラミダス」を開発し、警察捜査に協力する恵は、過去の憎しみと向き合いながら、システムを駆使し、その高度化を経て、復讐を果たし、怨念を晴らそうと試みる。しかし、その行動が常軌を逸脱し、人道や正義から掛け離れることに。解剖学の第一人者が、本デビュー作品で小説推理新人賞を受賞。歩容と「関節」は密接に関係する。今後、どのような作品を出すのだろうか。
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哲学の木
月刊誌「小説推理」で読了。四十七士の内の一番太刀「唯七」の視点で忠臣蔵が語られる。忠義こそが、この世で一番美しく尊いものだった時代に、家族に対する孝をも貫き、同心した仲間達と強固な信頼関係を築いた男。仇討ちという大儀と理不尽の狭間で、心から葛藤する赤穂の若者達。そして、緻密な計画と策謀の末に、仇を打つ。武士の存在意義が問われはじめた当時、彼らは、儀礼的体裁や贈収賄の象徴であった吉良を、義の心で討ち果たし、当時も後世でも賞賛を受ける。しかし、一人一人の義士達が流した血には、それぞれの悲壮と憐憫の涙があった。
が「ナイス!」と言っています。
哲学の木
柚月氏の推薦図書として読了。吉村氏に、ここまで悲惨凄惨な物語を残した理由を問いたい。極貧の断絶した小さな漁村で、けなげに生きる伊作家族と村人達。身売りや疫病の果てに、希望すら考えることも出来ず、だがしかし、生きていくために身を削り、悲しみを乗り越え、その日を凌ぎ、ただひたすら難波船の漂着を崇める。「恵まれている時にこそ、身を引き締めよ」と伊作の母は言う。警鐘と言い切るには悲しすぎる物語。こんな漁村が存在した時代があったのか・・・生きることが、生き抜くことが、どれほど美しく尊いことなのかを気づかされた。
が「ナイス!」と言っています。
哲学の木
柚月氏のエッセイで紹介があり、その流れで読了に。他者との関わり無しでは、人は生きていけない。関われば、苦悩や葛藤が生まれる。「自分と違う」相手に出会った時に、どう相対することが、人生の豊かさを産み出し、繋がるのかを考えさせられた。誇りと使命感を貫く港の猫達。「壁」を乗り越えるためには、全力で願い、行動すること。ゾルバが人間に伝えたいことは、多様性の受容と環境破壊への警鐘。愚かな人間所業に歯止めをかけることが作家の想いなのだろう。百科辞典という知識と、汗滲む経験。その両方の均衡と活性が、生きる喜びか。
が「ナイス!」と言っています。
哲学の木
柚月氏の物事の見方や捉え方、そして、生き様を知ることができるエッセイ集。親から教えられたこと、自ら学んだこと、さらには、東日本大震災での悲しい出来事。作品を産み出すために苦悩し葛藤する人間作家。紹介されている愛読図書や愛読作家のことを知ることもでき、柚月氏が目指そうとしているフラッグを少しは理解できたと思う。迷う自分と故郷の空、大宇宙の中のちっぽけな自分と永久に変わらない人間の営み。人が人らしく生きるための大切な普遍性に気がつくことができた。ありがとうございます。柚月氏と浅田氏は猫ネタが共通!
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/04/18(1104日経過)
記録初日
2020/01/03(1575日経過)
読んだ本
767冊(1日平均0.49冊)
読んだページ
268479ページ(1日平均170ページ)
感想・レビュー
399件(投稿率52.0%)
本棚
14棚
性別
血液型
A型
職業
役員・管理職
現住所
兵庫県
自己紹介

北海道の美瑛に、その昔(ほんの少し前まで)、「哲学の木」と呼ばれた大木がありました。広原な大地で読書しているかの佇まい。
ある事情でなくなりました。今は見えないけれど、見ようと努力すれば見える。それが、読書だと思い、乱読しています。

タイムマシーン、どこでもドア、そして、タケコプター。読書の世界は、ドラえもんの道具みたいです。
哲学の木があった場所で、いつかは、空と大地、そして世界を意識しながら、読書という旅を楽しみたいです。

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