「777」を読んだあとの再読。何年ぶりかに読んだが、こんな内容だったかと思うほどにほぼ覚えておらず。なので、新鮮な気持ちで再読できた。当時どんな心境で読んだかも覚えていないが、今回は岩西のセリフがしみたかな。「自殺するなんて傲慢だ。今自分がどれだけの犠牲のもとに生きていることができるのか」。こういう根源的な考えを小説から教えてもらえるのが、伊坂作品の好きなところだ。

著書のこのシリーズは登場人物に世間一般常識で言う善人はほとんど登場しない。この作品も同様で、ほとんどが法律を犯しているような悪人である。しかし、その中でも善悪のようなものが成立しているような錯覚になり、正義とは何か、悪とは何かというものを考えざるを得ない。内容は新幹線内の3時間弱の出来事でありながら、回想シーンを含めてボリュームが多い。非常に読みごたえのある作品だ。

「777」を読んだあとの再読。何年ぶりかに読んだが、こんな内容だったかと思うほどにほぼ覚えておらず。なので、新鮮な気持ちで再読できた。当時どんな心境で読んだかも覚えていないが、今回は岩西のセリフがしみたかな。「自殺するなんて傲慢だ。今自分がどれだけの犠牲のもとに生きていることができるのか」。こういう根源的な考えを小説から教えてもらえるのが、伊坂作品の好きなところだ。

難解と言われるスピノザのエチカを自分の頭でもなんとなくは把握できた気がする。そういう点では著者の哲学への理解の深さを感じずにはいられない。難しい定理を噛み砕いてわかりやすく説明されていたと思う。エチカにより興味を持つことができたし、他の著書も読んでみたいという気にさせてもらった。