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2025年11月の読書メーターまとめ

冬野
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13
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感想・レビュー
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2025年11月に読んだ本
13

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

冬野
傑出したバレエダンサーであり振付師の萬春。彼の半生を四人の視点から描いた芸術小説。自分はクラシック音楽は好き且つバレエはあまり分からない(技術的な部分とかコンテンポラリーは特に)のだけど、それでも春たちが踊り跳ねる様が指先足先まで見えるようだった。音や光や匂いや手触りまで読み手に想像させる描写の換気力が凄まじい。印象的なフレーズがこれでもかと出てくるし、作中のバレエ作品は全て実際に見てみたい。恩田さんがこれまで触れてきた教養の蓄積を読者に分け与えて下さってるんだなあ、ありがたいなあという気持ち。星:5/5
冬野
2025/11/23 22:37

渡欧する春が師に「俺の先生」と呼びかけるシーンで泣いてしまった。『蜜蜂と遠雷』もいい加減読まねば…。

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2025年11月にナイスが最も多かったつぶやき

冬野

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2025年11月の感想・レビュー一覧
12

冬野
シリーズ第三弾。本当にずっと面白い、楽しい、最高、日本語っていいな。「動乱の季節は間近に迫り、安寧を貪るものが平らかと見た水面には初めの波紋がひそやかに届いている。」書き出しから痺れる。緊張が走る大陸間の政情へ高い塔が打ち込む起死回生の一手とは如何に。水脈を巡る冒険がこういう形で生きてくるのね。手紙のやり取りの言外の含み、面白すぎる。皮肉満載の文献学講義も興味深かったし、個人的に船が好きなので高田さんの文体で海と船旅の描写を読める幸せ。ままならぬマツリカの手はどうなるのか。次が最終巻?そんな…。星:5/5
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冬野
単行本版未読。歌手と女優を目指す少女・レイが異世界や平行世界を巡る連作短編集。面白かった。キャラデザ先行という珍しいタイプの作品。キノと比べると全体的に雰囲気が明るめで戻ってくる世界があるという安心感はあるけど、苦い真実やエグい展開など時雨沢節が炸裂している。初仕事の思い出・領主の結婚・ロウソクは消えない、が特に好き。レイの過去に関する不穏な発言など謎が多そう。因幡のパーソナルな部分が明かされることはあるのだろうか。今さら言うまでもないけど黒星紅白さんのイラストも抜群に良い。続きも読みます。星:4.5/5
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冬野
ファンタジー×倒叙ミステリの第二弾。跡目争いはミステリの王道だけれど、ファンタジー要素が加わることで目新しい印象になっていた。途中で人間関係がよく分からなくなってしまったものの楽しめました(混乱したまま読み進めてしまうので私は悪い読者)。ひとつめの事件の犯人は割と気の毒だったな…。ダニエラの善性と前向きさ(チョロさとも言う)が眩しいし可愛い。主従の普段抑えた感情があふれるシーンも好き。全体的には重苦しい雰囲気だけどくすっと笑えるシーンがあるのも良い。次こそバーナビーとの直接対決となるのだろうか。星:4/5
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冬野
シリーズ第二弾。「面白すぎる」と書いた一巻の五百倍くらい面白い。この巻では各キャラクターが掘り下げられてより解像度高く物語を楽しめるようになってきた。地下探検もわくわくするが、個人的に一番印象が変わったのはキリン。キリヒトの事情が明かされてぎくしゃくしたところにイラムがいてくれて良かった。マツリカの心情描写に切なくなる。そして一巻のあの場面がそこまで一触即発の状態だったとは…。マツリカが言葉に関する知識を用いて、一言の違和感から陰謀を暴く過程がミステリー作品のようで非常にエキサイティングだった。星:5/5
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冬野
シリーズ第三弾にして完結巻。良すぎました。終盤になってもシビアな事実が次々と明かされ続け、2/3くらいまで「これ本当に収拾つくの?」と危ぶんだけれど、秦國の行き着く先を見届けることができ感無量。一巻の時点でここまで展開を考えておられたんだろうな、というのが伝わってきて言葉を失う。台詞のひとつひとつに各々が歩んできた人生が滲み出ていて非常に説得力があった。この格調高い文体で最高に濃いブロマンスを二組も浴びれる幸せは他にないかも。最後まで書いて下さり本当にありがとうございました。次回作も楽しみです。星:5/5
冬野
2025/12/01 22:11

文庫に四桁円出すのはけっこう思い切りが要るかもしれないけど、二巻まで読んだ人は絶対に最後まで読んだ方がいいと思う。どういう背景を持っているか忘れていたキャラもいたのでまた最初から読み返したくなった。

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冬野
シリーズ第二弾(シリーズ通算五作目)。舞台は1867年のパリ万博。幕府といくつかの藩が別々に出展していたのは知っていたけれど、渋沢栄一が顔を出していたりと、虚実入り乱れたドタバタ具合が楽しい。長年神秘のベールに包まれていた国の、文化や工芸品を初めて目の当たりにして、驚く西洋人たちの興奮が伝わってくるようだった。赤十字の展示があったのはおそらく史実と思われ、そういう点も興味深い。朝の「異なるものを結びつける」力がよく発揮されたお話でした。そして源太が息災で嬉しい。もう気持ちに整理ついたのかしら…。星:4/5
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冬野
作者さん二作目。何これ面白すぎる…。この巻だけだと主人公のキリヒトが図書館の魔女・マツリカに出会って物語の方向性が示される、くらいの進行度なのにそれでもめちゃくちゃ面白い。どうなっているんだ?本とか図書館とか格調高い筆致で綴られるハイファンタジーってやっぱり好き。日本語でこんな表現ができるんだ、とかこの状態を一語で表せる日本語が存在するんだ格好いい、とかそういう方面の楽しさもある。子供の頃にファンタジー小説を読んで胸を躍らせていた全ての大人、本が好きな全ての読書人に薦めて回りたい。続きが楽しみ。星:5/5
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冬野
怪談や妖怪が好きな四人が語る「ひどい民話」。ひどいっててっきり残酷な方の意味かと思ったらそっちなのね!?とまず思った。確かにこれはひどい、七割くらい屁の話なんじゃないか?そうすると表紙の犬の体勢ってもしかして…。グリム童話に残酷な話が多いのは有名だけど、日本のこのシモに走りがちな傾向って昔からの国民性なんですかね?正直価格に見合うだけの内容があるかというと疑問が残るけど(小声)、昔話の冒頭でなぜお爺さんが柴刈りに行ってお婆さんが洗濯に行きがちなのか、その理由を知れたのは収穫でした。
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冬野
作者さんデビュー作。見たら死ぬ夢が感染する、というネタに目新しさはないものの、夢の中の儀式の気色悪さが印象的で好き。おぞましいのに官能的な描写があと二十頁くらい読みたかった(ホラーに何を求めているんだ)。精神科医視点のパートはホラーには珍しい雰囲気だったし、装画で名状しがたいものの存在匂わせがあるのも良かったポイント。できればもう少し尖った部分が欲しかったけれど、コズミックホラーと民俗学的アプローチの組み合わせがなかなか興味深くて面白かった。予期されたオチにすとんと嵌まるラストも綺麗でした。星:4/5
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冬野
作者さん三作目。元・科捜研、現・民間の鑑定人である土門が活躍する連作短編ミステリ。岩井圭也さんの作品に外れなしですね。面白かった。鑑定手法のあれこれを知ると自分の学生時代が思い出され、こんな道もあったのかななんて考えてしまう。真相がなかなかエグい話が多いため、人物の心情に寄り添いつつもウェットになりすぎない岩井さんの文体でなかったら通読できなかったかも。特に「遺された痕」はトラウマを刺激される人もいそう。合理主義者である土門の内面が描かれないから彼がミステリアスに映るのも良い。続編も読もう。星:4.5/5
冬野
2025/11/23 22:49

割とタイムリーに不正のニュースがあったけど、科捜研に対する警察組織からのプレッシャーってすごいんだろうな…と何も分からない素人ながら思いを馳せてしまいました。

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冬野
作者さん二作目。セカイ系SF恋愛難病余命ものと要素は多いが散らかった印象はない。しっとりと水分を含んだ、小雨が傘に当たる心地いい音のような作者さんの文体で綴るべき物語だと思った。未来が見通せない世界で、主人公やヒロイン、それぞれの兄や姉が抱えるものが明かされていく過程に胸が詰まった。運命が残酷すぎる…。セカイ系って主役が自分に酔ってる感じがあって苦手寄りなんだけど、今作の登場人物たちの抑えたテンションは自分に馴染むものだった。ライト文芸レーベルでもおかしくないほど浮いたところのない真摯な作品。星:4/5
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冬野
傑出したバレエダンサーであり振付師の萬春。彼の半生を四人の視点から描いた芸術小説。自分はクラシック音楽は好き且つバレエはあまり分からない(技術的な部分とかコンテンポラリーは特に)のだけど、それでも春たちが踊り跳ねる様が指先足先まで見えるようだった。音や光や匂いや手触りまで読み手に想像させる描写の換気力が凄まじい。印象的なフレーズがこれでもかと出てくるし、作中のバレエ作品は全て実際に見てみたい。恩田さんがこれまで触れてきた教養の蓄積を読者に分け与えて下さってるんだなあ、ありがたいなあという気持ち。星:5/5
冬野
2025/11/23 22:37

渡欧する春が師に「俺の先生」と呼びかけるシーンで泣いてしまった。『蜜蜂と遠雷』もいい加減読まねば…。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/05/29(1659日経過)
記録初日
2020/06/27(1995日経過)
読んだ本
862冊(1日平均0.43冊)
読んだページ
263327ページ(1日平均131ページ)
感想・レビュー
836件(投稿率97.0%)
本棚
4棚
自己紹介

SF、青春、ミステリー、ファンタジー、ホラー、百合、ブロマンスなどが好きです。どこかで物書き兼絵描きやってます。
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4~:好き
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