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2024年11月の読書メーターまとめ

冬野
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感想・レビュー
18
ナイス
388ナイス

2024年11月に読んだ本
18

2024年11月のお気に入り登録
3

  • 仔羊
  • 佐治駿河
  • 若井水色

2024年11月のお気に入られ登録
3

  • 仔羊
  • 佐治駿河
  • 若井水色

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

冬野
作者さん二冊目。犯罪×パンデミックがテーマの連作短編集。『スモールワールズ』が生理的に無理な話が多くて悪い意味で引きずった身からすると、やはり一穂さんの小説は暗い話の方が好きだなと感じる。似た話が思い浮かばない「違う羽の鳥」が頭抜けて良かった。ひりついた空気が全編を支配している。明るいとも暗いとも言えない「さざなみドライブ」も好き。「ロマンス☆」「燐光」はちょっと最後がやりすぎのような。「特別縁故者」みたいな人情話、上手くいきすぎると作り物感が目立って我に返ってしまう。全体としては面白く読んだ。星:4/5
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2024年11月にナイスが最も多かったつぶやき

冬野

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2024年11月の感想・レビュー一覧
18

冬野
初読み作者さん。理系高校生の青春×日常の謎もののミステリ。面白かった。古典部シリーズの理系版、と言っちゃうと野暮かな。自分の高校時代が思い出されて懐かしい気分に浸れた。完璧な優等生に見える理桜にも懊悩があって、みんなちゃんと生身の人間として描かれているのが好き。男子同士の関係の描き方もいいし、顛末のほろ苦さも好み。章と父親の確執とか、今後の部活でどう関係が深まるのかとか、二巻以降で描かれたら嬉しい。作者さんと経歴が近くてその意味でも親近感。高一でミカエリス・メンテン式を知っている、だと…?星:4.5/5
冬野
2024/12/14 21:04

「モホロビチッチっち」の語感が面白すぎたな。デビュー作の視点がちょっと合わないというか、自分は想定読者に入ってないなーと思って読んでなかったんだけど、これは今からでも読まないといけませんね。

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冬野
作者さん三作目。津村さんの作品の登場人物は全然キラキラしてなくて、そこがいい。既読の『つまらない住宅地のすべての家』『この世にたやすい仕事はない』より書かれたのが前だからか、二作と比較すると内容が作者さんの実体験に近く感じられ、心情的にキツい部分も。特に「十二月の窓辺」は記憶が呼び起こされて辛いところも多かった。できればしたくなかった経験、知らなければよかった感情。それを肯定も否定もせず、表現としてただ在る、ということ。癒しとか救いとか陳腐なものではなく。やっぱり津村さん好きだな、と改めて思う。星:4/5
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冬野
作者さん二冊目。掌編一+短編三篇のホラーミステリ作品集。「餓鬼の田」とても短いが最後に残るやるせなさが印象的。「フーグ」眠れば襲われる悪夢と瞬間転移に、作家が追い詰められていく様がなかなかに恐ろしい。幕切れが鮮やか。「白鳥の歌(スワン・ソング)」音楽に関する作者さんの知識量が凄まじい…!ミステリ色強めの作品。「こっくりさん」最初に闇バージョンのこっくりさんに手を出した時点で詰んでたんだなあ…。くわばらくわばら。作品とは関係ないけど実際にこっくりさんをやったことのある人って何%くらいいるんだろう。星:4/5
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冬野
作者さん二冊目。犯罪×パンデミックがテーマの連作短編集。『スモールワールズ』が生理的に無理な話が多くて悪い意味で引きずった身からすると、やはり一穂さんの小説は暗い話の方が好きだなと感じる。似た話が思い浮かばない「違う羽の鳥」が頭抜けて良かった。ひりついた空気が全編を支配している。明るいとも暗いとも言えない「さざなみドライブ」も好き。「ロマンス☆」「燐光」はちょっと最後がやりすぎのような。「特別縁故者」みたいな人情話、上手くいきすぎると作り物感が目立って我に返ってしまう。全体としては面白く読んだ。星:4/5
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冬野
殿の作品は大好き。時は大正、闇蟠る帝都の夜、冴えない探偵、妖しく魅力的な美少年、語りと騙り、形を変え幾度も現れる謎、謎、謎…。自分に刺さる要素たっぷりで今作もとても面白かった。湖月が物語るシーンは自分も事件の中に入りこみ実際に目撃するような没入感があった。キャラも皆好きだし、個々の事件が一点に収束していくのが気持ちいい。新潟という土地は身近(佐渡島も行ったことがある)なのでその意味でも馴染みが良かった。探偵が触媒的な人物と出会って、探偵としての素質が目覚める話って大好き。シリーズ化されないかな。星:5/5
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冬野
米澤穂信さんは大好きな作家さん。なぜか読む機会がなくアニメを先に視聴。米澤節と空気感が完璧に映像化されてて驚いたんだけど、本編読んでもその印象は変わらず。タルトの最期(?)に原作既読勢が何もそこまで…とざわついてた理由も納得。小鳩くんと健吾の、仲良くはないのに言葉以外の部分で通じ合ってる感じが男子っぽくて好き。小佐内さんは小説でも可愛くておっかない。「For~」は結末の苦味の強さで映像化されなかったのかな?「狐狼の心」の顛末も含めてこの作品をコメディと呼ぶのはやはり無理があるよ!好きだけど。星:4.5/5
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冬野
シリーズ第二弾。この作品の「個々の怪現象に対し個別に存在するロジックを見つけ、その文脈に従い怪異を解体する」という対処法、何かに似てるんだよな…と思ってたけどこれ、RPGのダンジョン攻略とかボス戦を彷彿とさせるんだ。「恋する事故物件」「隙間の女」は人間が怖い系の話かな。「白い家」の怪異はおぞましい外見で想像するのも怖かったし、家が事故物件になった理由がしっかりしていてミステリ的な読み応えもあった。話の発端となった白い家の案件は解決したけど、天木がデレてきて旨味が増したので続刊したら嬉しいな。星:4.5/5
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冬野
作者さん二作目。熊楠は元々好きだが(最初は粘菌の研究者として知ったんだったかな)、父・兄弟との確執や家族との軋轢などはあまり知らず、読み進めるほどにまさしく天狗めいた野放図な好奇心と行動力を持ち合わせた彼もやはり人間だったのだなという気持ちが強まった。学問は一人ではできなくて、自分の代では真理に到達できないことを承知で次世代にバトンを繋いでいく、という学問の営みそのものがとても尊いな…と思いを新たにした。粘菌って官能的な存在だと前から思っていたため、岩井さんの描写に解釈一致!と激しく頷いた。星:4.5/5
冬野
2024/12/09 22:18

惜しむらくは(仕方ないのだが)熊楠の人生が波瀾万丈すぎて、このページ数でもダイジェスト風になっていること。これの二倍くらいあってもいいな…。あと作者さんの文章がべらぼうに巧くて読みやすいため、こういう伝記的な小説においては引っ掛かりというか、もっと難解さや読みにくさがあってもいい気がした。本当に高望みであり難癖なんですけどね。アニメ『サマータイムレンダ』を観ていたので紀州弁の抑揚が文章から聞こえてきて楽しかった。熊楠繋がりで比較的暢気な彼が登場する『ヒト夜の永い夢』も読み返したくなりました。

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冬野
シリーズ第三弾。今回も面白かった。装画が美しい。研究室が三人体制となり、三國の心労も二倍に。女性二人に翻弄される苦労性な男性、という三人組好きなんですよ。狐目の男の経歴も明らかになり、「民俗学とはどういう営みか」という根本的な問いに迫る内容でもあった。それにしても表題作のタイトルの付け方がすごすぎて度肝を抜かれる。最後の最後までどう写楽が関係してくるのか予想がつかなかった。そして「べるみー」があの画家を指していたとはね。他シリーズのキャラクターが登場していたようなのでいずれそちらも読んでみたい。星:4/5
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冬野
色々な世界を舞台に「役割」からの脱却を描いた四篇からなる短編集。ファンタジー一篇とSF一篇が現代もの二篇で挟まれる珍しい構成で、いずれも川を渡るシーンを含んでいる。「わたれない」のトンボの羽とレースを重ね合わせた繊細なイメージが印象的。結局誰にでも当てはまる普遍的な役割なんて存在しないし、個人と個人のあいだに築かれるそれぞれの関係を尊重したいよね、という気持ちになった。どんな時代・世界・世代にも楽園はないけれど、良い方へ向かって一歩ずつ川を渡りながら歩き続けることはできるのだ、と信じたいですね。星:4/5
冬野
2024/11/30 18:17

ただ個人的に引っ掛かる部分もいくつか。トンボの渡りの生態は今よりずっと地球が温暖だった頃の習性の名残と考える方が自然なのでは?とか。伝承とかお伽噺に現代の価値観を持ち込むの好きじゃない(学術研究ならいいけど)んだよなあ、とか。「ひかるほし」の〝誰とも会話が成り立たず、誰からも嫌われる、傲慢で幼稚で、どこまでも孤独な厄介者〟も時代のせいで生き方を選べなかったとも言えるわけで、そういう人を遠ざけ排除することの他に解決法はないのかな、とか。色々考えてしまいました。

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冬野
初読み著者さん。数多くの言語を巧みに操る言語学者によるエッセイ。(実際そんなことないんだろうけど)いとも容易く外国語を身につけてらっしゃるように読めて目眩がしてしまう。文法を教本一冊分さらえばオーケーなんて…その論理でいくと今頃自分は英語ドイツ語イタリア語スペイン語がペラペラになっててもいいのに。あれ、おかしいな…。でも確かに外国語で物語って全然読んだことない気がする。英語で一番読んだのって科学論文だし。こんな風に言語の境界なく本・戯曲・映画・ドラマを軽やかに渡っていけたら世界が桁違いに広がるのだろう。
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冬野
やはり紅玉いづきさんのファンタジー作品は素敵。聖獣クリキュラに見出だされ、リスターンの王に選ばれた少女チル。少年少女が運命という外的要因で生き方を決められるのは残酷なことでもあって。チルが終始庇護されるべき子供として扱われるのが印象的であり安心感もあった。紅玉さんが少女側から保護者側になったからなのかも。私も紅玉作品と一緒に年を重ねてきたので感慨深い。庇護者のマニージェとビージャンの唯一無二の関係が好き。行間から異国の風や香り、馬の蹄の音やきらびやかな布のはためくさまが感じられる作品、堪能した。星:5/5
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冬野
作者さんデビュー作。教室のスピーカーに憑依した山田と、彼の級友たちとの日々を描く青春物語。前情報をあまり入れずに読めて良かった。男子高生ってアホやなと笑ってたら高偏差値校と知ってびっくり。馬鹿馬鹿しいだけじゃなく、情緒を掻き乱されたり、胸が締め付けられたり…感情がたくさん詰まってた。爆笑しながら大泣きしたの初めてかも。途中で「この文字だけで物語を追う体験、音でしか状況を把握できない山田の状態そのものだ」と気づき痺れた。終盤の展開には呆然。男子の友情ってこんな熱いのか…。山田ー!また絶対会おうな!星:5/5
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冬野
ネタバレシリーズ第五弾。大学生編となり副題も変化。二人がルームメイトになったからといって即甘々になるわけがなく。でも同居百合で期待する展開全てが見れたと言っても過言ではない。ピアスを開け、メイクをしてあげて、服を共有する。あまりに私に都合が良すぎたな。「自分の手で人の体に穴を開けるようなことをしたら、今日のこと忘れないでしょ。私を見るたび、私とした約束を思い出しなよ」←序盤のこの台詞何ですか?衝撃的すぎて宇宙猫になったよ。ただいまとおかえりの意味合いの話が良かった。むくれ顔の宮城可愛すぎ。続きも楽しみ。星:5/5
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冬野
好きな作家さんの作品ですが未読だったためこの機会に読了。「秋の牢獄」「神家没落」「幻は夜に成長する」の三篇からなる中編集。表題作は途中までこんな日々も楽しそうと思ったけれど、北風伯爵が登場してからは底冷えに似た恐ろしさを感じた。私もこれまで影法師を過去に置いて生きてきたのかも、と思わされた。他二篇もファンタジー要素と人間の業が組み合わさり、作者さん独自の世界観が表現されている。寒さが指先から染みてくる季節の読書にぴったりだと思う。三篇全て、決定的に失われてしまったものへの郷愁に胸が塞がれる。星:4.5/5
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冬野
ダークな方の知念実希人作品。連続殺人の容疑者の美しい少年と、彼の命を救った医師が真相を探るミステリ。読書中はそれなりに面白かったが、明かされた真実は予想を超えるものではなく、記憶にはあまり残らなそう(紹介に「あなたは必ず絶叫する」とか書かない方がいいのでは)。主人公の思い込みが強すぎる点、理路整然とした理詰めの文章と涼介の妖しい魅力とが表現的にかなり相性が悪い点、が引っ掛かってしまった。伏線ぽかったのに回収されず終いな要素もあって色々消化不良な感じ。決して悪い内容じゃないのになんでだろう…。星:3.5/5
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冬野
シリーズ第八弾。短編集ではあるが、最長の「霖雨がやむとき」は本編の一部と言って差し支えない。というか、これは七巻の前にどこかで本編に組み込んだ方が良かったのでは…?それにより作品における土蜘蛛の印象も変わってきたと思う。清霞は当初学者になりたかったのかあ。意外なような、腑に落ちたような。個人的に顎木さんが書かれるこういう暗めな話がすごく好き。この一触即発の関係から清霞と五道がどうやって今みたいになったのか過程が知りたい笑。しかしやはり正清は怖いな…震え上がっちゃったよ。光明院はより好きになった。星:4/5
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冬野
シリーズ第六弾。明かされた日織の計略の内容が、存外に戦略的というか現実的な策だったのに驚いた。もっと神がかり的な何かかと思ってたので。戦乱の中で鵲の羽を見て「普通に美しいと思いたかった」という日織の心情が印象的。日織を一人の人間として慈しむ悠花と、龍ノ原のシステムの一部となる覚悟を既に固めた日織との間の溝が切ない。「選べ」と迫る日織の気迫は鳥肌だった。ラストシーンもすごすぎて…何の感情か自分でも分からないが泣いてしまった。このシリーズは章題が格好いいが特に「誅罰の雨触れかし」の文字列には痺れる。星:5/5
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/05/29(1300日経過)
記録初日
2020/06/27(1636日経過)
読んだ本
681冊(1日平均0.42冊)
読んだページ
207866ページ(1日平均127ページ)
感想・レビュー
656件(投稿率96.3%)
本棚
3棚
自己紹介

SF、青春、ミステリー、ファンタジー、ホラー、百合、ブロマンスなどが好きです。どこかで物書き兼絵描きやってます。
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3~:最後まで読めた
4~:好き
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